ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ダブリンの時計職人』『私の、息子』をギンレイホールで観て、ともかく感想を簡単に落とすぞふじき★★★,★★

◆『ダブリンの時計職人』
五つ星評価で【★★★思った以上にバディな映画】

チラシなどの宣伝素材ではあまり大きく取り上げられていないが、主人公フレッドと車上生活者カハルとの交流が映画の中に占める割合が大きい。声を掛け合う所から、それぞれがそれぞれを強く気にかけ疑似家族のようになるまで。宣伝側はアイルランドから来たほろ苦い大人の愛の映画として売りたいようなビジュアルなのだが、主人公フレッドと未亡人ジュールスのパートは割合としては小さい。

全体、染みるいい話で、
自分のルールを確立してるとても冴えない主人公の好感度も高い。
でも、これをヒットする映画として売るのは難しいだろうな、と思う。
派手じゃないし、キラキラ輝いてもいない。
宣材コピーに埋もれてる「ウィスキーのようにほろ苦くもやさしい」物語。
そういうのは売りづらいよなあ。みんな刺激が好きだから。

それにしてもタイトルに「ダブリンの」が付くと「いい洋画」みたいな空気が付いてしまう(まあ、いい洋画なのだけど)。当の映画にはあまりアイルランド、いや、ダブリン特有の気風とかが過度に滲み出たりはしていない(自然には出てる)。やはり日本人は外国の地名には弱いよなあ。『埼玉の時計職人』とか『木更津の時計職人』とかだと、やはりオシャレ感が皆無だもの(日本のどの地名でもおそらくダメなので、埼玉・木更津をディスってる訳じゃないです)。

顔が似てるとかそういうんではなく、老境に立った男が車上生活しながらも自己の規律を崩さないという点は高倉健の『あなたへ』をちょっと思いださせたりもする。骨子、全く違うけど。『ダブリンの時計職人』には綾瀬はるかが出てないものなあって、そこかよ!


◆『私の、息子』
五つ星評価で【★★婆さん強い。でも好きくない】

交通事故で子供を死なせてしまった息子の為に奔走する母を描いた物語というと感動作のようだが、この母親と息子の性格がどちらもクズでとてもイヤ。

母親は息子離れしていないし、子供は親離れしていない。
「愛情」を重圧のように押し付ける母親、
幼少からのその重圧に耐えられず屑になった息子。

やっぱり単純に好感が持てる相手が主役の映画の方がいいなあ。

ラスト、息子に自立の芽生えが見え掛ける所より、
息子の妻が母親に息子のクズ具合を切々と切り出すが、
それに向き合いながら動じたりしない母親のカットの方がクライマックス。
結局、「観客は」と言うより私は、この映画を観終わった後に、
息子の自立も母の子離れも進むとは到底信じる事ができない。
これは、どちらかが死ぬまで続く生き地獄ではないか。
そして、これは全ての母子関係のカリカチュアでもある。

こういう煩雑な事から逃れたいのに、映画館でまで押し付けられたらたまらん。

PS だが、母親役者の芝居の揺ぎ無さについては褒めざるを得ない。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
ダブリンの時計職人@ぴあ映画生活
私の、息子@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
私の、息子@ここなつ映画レビュー
私の、息子@映画的・絵画的・音楽的
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