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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『騒音』をキネカ大森2で観て、ああ困った藤木★★★

五つ星評価で【★★★何が困ったって映画っぽくないんだもの】

映画コラムをものにしたりする関根勤の初監督作品。
なんだけど、何だかとっても「映画っぽくない映画」になってしまっている。
じゃあ逆に「映画っぽい映画」ってのはどんな映画だろうかと自問してみると、

①.ストーリーがしっかりしている。
②.ビジュアルが豪華。
③.ラストに向けて感情の盛り上がりなどがあり、大泣きできたりする。

なるほど、『騒音』はどれもほど遠い。
①の素振りは薄いし(用意周到に回避しているようにも見える)、
②は狙いすましたかのように、お茶の間的と言おうか、コントっぽい。
③も、そうにだって撮れる内容なのに踏み込もうとしない。

ちなみに、やはり「映画っぽくない映画」を作る松本人志は
①②はそれなりに満たしているが、③が足りない。大衆に迎合したがらない。
関根勤は大衆に迎合するのを「悪し」とはしないのだろうが、趣味嗜好が大衆と一致してない。方向違いながらお客に擦り寄ろうとする関根勤の映画と、お客との距離を等間隔でキープして決して接近を許さない松本人志の映画は、同じ「映画っぽくない映画」でも当然、肌触りが違う。

関根勤はこれら①②③を意図的に避けて「反映画的」に作ったというより、「関根勤」という個性が「映画らしい映画」を作るという事に拘らなかった。
ただ、それだけのように見える。
普段より多めの予算をもらって「カンコンキンシアター」を舞台の外で順撮りしました、みたいな感じだ。
映画的なテクニックを誇らない。
映画的に上手に作って、観客から褒めてもらおうという欲求や欲望が低い。
これは案外大したもんではなかろうか。
この映画を作った関根勤本人が、映画内の温水洋一よろしく「調子に乗ってはいけない」と自制しているようなメタな設定が仕掛けられている(いやいや十中八九単なる偶然だと思うけど)。

そんなこんなで映画好きが作った映画として「映画的」である事を褒められないのは、大変歯痒い。でも、「関根勤」が充満してる一本で、それはそれでそれでいいんじゃないかと思えば全然それでいいのだろう。関根勤にはこのまま、ごくたまに映画を作ってもらいたい。数打ちゃ当たるで、そのうち大傑作が出来るかもしれない。

んまあー、大絶賛するのは気が引けるけど、壺に向かって嫌いじゃないと呟きたくなるような映画。

キャストが一々面白い。

温水洋一、村松利史、酒井敏也、飯尾和樹、岩井ジョニ男の五人で戦隊を作るという発想がそもそも頭がおかしいのだけど、実際作ってみたら、予想通りの仕上がりで………これを核にして最後まで話を持たせるのだから、ある意味スゴイなあ。彼等5人と女子ーズで合コンを設定してあげたい(女子ーズ側からは死ぬほど拒絶されるのが分かるからこそ、その絵が見たい)。

ぬっくん、村松、酒井の伝家の宝刀的なコミュニケーションの取れなさはもう素晴らしいとしか言いようがない。プラスされる飯尾和樹の圧倒的かつ安定した華のなさ。新鋭・岩井ジョニ男の浮きまくったチャラさ。主役グループとして良くも悪くも強い。

あ、岩井ジョニ男の、伝統芸のようにピチっと型に嵌った土下座が素晴らしい。

タモリ、さんまはどうでもいい。
ラッキイ池田と同じくらいどうでもいい。

ウドちゃんに頭のいい役、小堺さんに長髪の役。
もう、単にそれがやりたかったんだろう。

車だん吉は水野晴郎かと思った。
いやあ水野晴郎は死んで久しいから「それはないよなあ」と思ったけど、
車だん吉だって久々に見たから「生きてたんだ」と思わざるをえなかった。

家族のそこはかとない冷たさがリアル。
You、関根麻里、廣田あいかがひどい仕打ちをしても、
それぞれチャーミングでひどい仕打ちに見えないのが偉い。
廣田あいかは『コックボー』より、こっちの方が良い。

ラーメン屋のおやじマキタスポーツ、ちっちゃい役だけどおろそかにしない。
おやじの表情グー。

渡辺哲はいつも通りだけど、とても真剣に演じてくれて、すげえ適当な話のリアリティーの底上げに成功していた。

千葉真一をリスペクト込みでこんな風におかしく使えるのは関根さんだけ。

戸田恵子の役名ツチザベスってのが適当で好き。
戸田恵子=地底人の女王って思いもよらなかったベスト・キャスティング。

関根勤自身が演じる説明口調の医者。あの医者の女地底人のファスナーの下りが映画全体よりも好きかもしれない。

主題歌が「どぶろっく」だけど、普通の歌で「どぶろっく」らしくない。
ネタ歌で最後しめてほしかった。


【銭】
テアトルメンバーの曜日割引で1000円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
騒音@ぴあ映画生活

PS ぴあ映画生活のレビューで「ロングコントみたい」と書かれていたのが
 この映画を一番言い表わしている。
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