捕えられた少女(もしくは+少年)が、不条理な死のゲームに叩きこまれる系。
この手の「死のゲーム」系の話で、ちゃんと大人が鑑賞に耐えられるレベルのもっともらしさを維持していたのは御大深作欣二の『バトル・ロワイアル』とザワザワザワの『カイジ』くらいだろうか。前者はゲームの不条理な部分を戦前の日本になぞらえるが如く自然に映画内に蔓延させ、後者は不条理の根源を富という誰もが心に当てはまるピースで補完した。
「そういう状況である」という事を設定としてゴリ押しする事は簡単だが、元々リアルではない不条理な設定を何の批判もなしにストレートで「こういう世界観だからしょうがないんです」と持ってこられると、映画は一気に一般常識の下の作品群(B級映画)に落ちる。そういうダメ子さんな作品はダメ子さんな作品として楽しめばいいんだけど、普通に人にはすすめづらい。という事で、『脳漿炸裂ガール』は話や設定の部分がこれ以上にないくらい「タコ」です。微塵もリアルを感じられません。そういうの好きな人専用作品です。
それでも、映画独自の少女の感情がせめぎ合う部分なんかが、この映画を嫌いにはさせないので、見ていて煩悶してしまう。もちっと上手く作ればいいのに。
ともかく原曲のボカロ曲がかっこいい。
「さあさあ狂ったように踊りましょう
どうせ100年後の今頃にはみんな死んじゃってるんだから」
の部分の映像化とかゾクゾク来る。
脳漿を炸裂させる銃のデザインと効果が凄くいい。
主役の一人、柏木ひなた(私立恵比寿中学)は頭の悪いキャラで、その頭の悪さを延々とアップで撮られ続ける。見ていてちょっと辛い。
もう一人の主役、竹富聖花の演技は妥当なのだけど、その感情が観客にまで強く伝わってこない。組み合わせはいいけど、個別にはそれぞれ今一つ同士。
あと、ラストシーンがすっとカッコよく、気持ちよく映画を見終えるのはよし。
【銭】
テアトル会員割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・脳漿炸裂ガール@ぴあ映画生活
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