ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『屍者の帝国』をトーホーシネマズ日本橋5で二回観て、ふんふんそうかもなふじき★★→★★★(ネタバレ)

五つ星評価で【★★→★★★分かりづらいが面白い見立て遊びが出来る】

ネタバレするからイヤな人は見んとき

原作未読。
魅力的なアイデアが湧き上がる中、
プロットが分かりにくいという物語を進める上で致命的な問題を持つ。

屍体の再生使役技術が蒸気機関発明の代わりになって発展している近過去。
この設定だけでもう楽しくてたまらない。
その中、屍体の再生技術者である医師の主人公が、
かって開発されたという自ら思考する屍体の謎を求めて旅をする。
最終的に彼のお供になるのは生前は彼の友人であった屍体、
彼を助ける機械の身体を持つ少女、蛮勇を誇る英国のエージェント、
彼を含めた四人が大いなる謎の技術に寄せられ、
その技術を悪用しようとする二人の悪役と対峙する。
ややこしいのはこの二人の悪役が成し遂げようとする事が分かりづらいからだ。

一人はかつてその謎の技術が生み出した人工の生命体。
彼は屍体から作られているが、元の屍体の意識は転用されていず、
全く新しいこの世になかった意識である。
言うなれば、彼は屍体に封じ込められた意識(魂)その物である。
彼は彼に対応する彼女の魂を、封印された知識を使い、作り出そうとする。
だが、彼が純粋な意識体であるなら、別に性交を必要としないだろうから
対峙する女性意識体はいらないのではないか?
その意識体を作るのには社会をも揺るがすごっついパワーがいるという。
なんかこの辺りが眉唾くさい。
ただ単に神にのみ許された造物主としての行為を、
人間が行う事ですら罪であるのに、
その罪によって生み出された怪物が、
人間を飛び越えて造物主になろうとする反社会的な行動。
そう、強調するだけでよかったのではないか

そして、その怪物の上前をはねるような悪巧みをする男がもう一人。
彼は屍者が行使する社会への奉仕活動同様に、
生者にもただ行使する感情のない生活を求める。
その為に、未知とされている屍者に命令する無線技術を生者に応用しようとする。
この辺の悪巧みが上滑りしてスッと脳内に入ってこない。
分かりづらいったらない。
それは、そんな考え方がどう考えても一般的ではないし、
そう彼が考える下地が特に説明もされずに当たり前のように実行されるからである。
一般的でない軽挙妄動に何故、彼が固執するのか、全く観客に伝わらない。

悪巧みをする二者の存在が歯止めになって、話を分かりづらくしている、と思う。
又、これらの知識を全ての者から隠しだてようとする存在についても謎のままである。誰やねん、何やねん。結局、二回観たけど見逃したのか、俺?

さて、鉄製の少女が出てきて感情がないと嘆く。
これはどう見ても『オズの魔法使い』のブリキの木こりの役回りだ。
彼女は旅の最後に感情を手に入れる。
すると、頭脳のない案山子は屍者の御伴フライデーだろう。
彼は旅の最後に知能を手に入れる。
勇気のないライオンは英国のエージェントであろうか?
いや、彼はこの旅の前後で全く変わらなかった人間だ。じゃあ、彼はドロシー。
差し引きで、主人公がライオンになる。
彼は旅の最後に自らを検体としてフライデーに知識を与える被験体となる。
おそらくその決断が勇気だ。

彼等4人が「オズの魔法使い=叡智=死者の書」に辿り着き、
その内容の真実と嘘に対峙する、それが『屍者の帝国』という物語である。

そして、もう一点、フランケンシュタイン博士の論文に感化され、
主人公がフライデーに知恵を授けるシークエンスはある映画に似ている。
その映画はメル・ブルックスのコメデイー『ヤング・フランケンシュタイン』
その映画の中で博士は怪物に知恵を授け、
その見返りとして怪物は博士に巨根を授けるのである。
ラスト、主人公がシャーロック・ホームズの相棒ワトソンである事が明かされる。
………ワトソン巨根かよ。
薄い本のネタとして、お使いください。

以上。


【銭】
トーホーシネマズフリーパス20本目と23本目。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
屍者の帝国@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
屍者の帝国@だらだら無気力ブログ
屍者の帝国@beatitude
屍者の帝国@ペパーミントの魔術師
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