ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『サイの季節』『雪の轍(ネタバレ気味)』をギンレイホールで観て、うーんうーんふじき★★,★★

◆『サイの季節』
五つ星評価で【★★静かすぎる】
主人公が辿る過酷な運命。
主人公はその全てに沈黙で応える。
詩的でダイナミックな画面。
でも静かすぎる。
画面だけ大胆でこんな淡々と進んでいいのかという違和感が残った。
高倉健のような沈黙の美学と言うのもあると思うが(それ以前にこの物語の中では沈黙せざるを得ない複雑な事情があるが)、これほどの過酷な運命に対する対応としては、全てを引っ繰り返す菅原文太のような激昂が欲しかった。そういう生き方や感情の吐露の方が人間らしいと思うから。私は人間を越えてしまった鉄人を見たいのではなく、人間としての登場人物を見たいのだろう。
主人公の沈黙は喉を割かれてる?そんなシーンあったか?
あの何に対しても優しすぎる目は魅力があると同時に怒りに満ち満ちてほしいとも思ってしまう。基本、私は活劇寄りのリベンジ物語が好きなのだ(庶民だから)。


◆『雪の轍』ネタバレ気味
五つ星評価で【★★見つめていれば見つめているほど主人公を嫌いになっていく】
カンヌ映画祭の一等賞を取った3時間16分の大作。
主人公は温厚でそこそこの生活をしている金持ちだけど満たされない人間という事で、映画の冒頭で自己同一化しようと試みてみる。他に自己同一化できるキャラも現れず、彼視点でこの映画を見続ける事になるのだが、徐々に徐々にこの主人公の嫌な部分が浮かび上がってきて、それがありがちな人間の弱点で自分にも備わっていたりするので、どうにもやりきれなくて見終わって疲れてしまった。
・主人公は「自分」が大事であり、決して自分を否定しない。
・主人公はソフトに、理屈と資金力で、他人に君臨する。
・主人公は他人に、自分の感情に都合のいい動き方をするように強いる。
そら、いやだろ。こんな奴。

若い奥さんが不憫である。
彼女に不備がないとは言いきれないが、
不備があるから支配して蹂躙してもいいという物でもない。
とりあえず寒冷地で子供もいないのだから、
SEXすれば収まったりはしないのか?
「いや、いや、いつもこの手で・・・・・・あはん」みたいなのはあかんか?

ラストシーン、主人公のぐだぐだ「それでもボクを許して」ナレーションで終わるのだが、あの辺りをパッと目が醒めた主人公が「おおおおおおお、夢で良かった。これからは言葉を駆使しないで、素直に心で語りかけよう。らららあ~」と歌いだしたら、いい映画になったかもしれないが、それは手法的にエヴァンゲリオンなので大勢の人にボコボコに否定されるに違いない。

PS 196分はカップヌードル65個を直列で作って提供できる時間。


【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
サイの季節@ぴあ映画生活
雪の轍(わだち)@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
サイの季節@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
雪の轍(わだち)@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
雪の轍(わだち)@映画的・絵画的・音楽的

PS ああ、きつい二本立てだった。
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