ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『本陣殺人事件』を神保町シアターで観て、ねじねじはどうした中尾彬ふじき★★★

特集「横溝正史と謎解き映画の快楽Ⅱ 本格推理作家の世界」から1プログラム。

五つ星評価で【★★★1975年だと中尾彬が若者なんだよ。頭がそれを受け入れられない。いつでも和服ネジネジで偉そうに「志乃がさ」とか言ってるイメージしかない】

古谷一行のTVドラマでトリックは知っていたのだけど、映画その物は初見だった。うん、あんなジーンズを履いた中尾彬は見た事がない。もう既知の「中尾彬」という存在に対して違和感バリバリのボリボリである。映画では1975年に『本陣殺人事件』が作られ、1976年に石坂浩二主演の『犬神家の一族』が作られている。順番が逆だったらこんな映画にはならなかったろう。いや、映画その物が作られなかったかもしれない。石坂浩二版に見られる名探偵金田一耕助が最後に謎を全て解き明かすという構造が撮られていないのだ。いや、やっぱり探偵映画はそういう構造の方が分かりやすくていいよ。探偵が謎解きをしないならどうするのかと言うと、事件当時の様子が過去の出来事としてドラマで再現されてしまう。それは探偵が語っている内容のようにも見えながら、ただただ事件の事実その物でしかありえない。最終的には探偵は全てが分かっているという体裁は取るが、何故、それが探偵に分かったのかは省略される。神かよ、金田一。
というか、キャストの最初に名前が上がるのが「田村高廣」である事から分かる通り、「中尾彬」より「田村高廣」の方が断然面白くて、役としても大きい役なのだ。この映画の中での「田村高廣」は「異常者」。一見、とても優秀な人物に見える一族の家長たりうる人物が如何にして「異常者」に変わったかの理由を描く。そうだね、そっちの方が描きたかったんだね、ATGの映画としては。物凄く凛としていながら、中の歯車がおかしい感じの「田村高廣」が最高にスリリング。兄の異常に引きずられる弟の三郎を演じた新田章も良かった。そして水原ゆう紀。ATGなんぞに出てたのは意外だった。と言ってもこの人『天使のはらわた 赤い教室』しかイメージがないのだけど、『本陣殺人事件』の方が先なのね。ポチャンとした顔が可愛らしい。いや、いい硬直っぷりでした。ギラギラしてる3人の後にやっと「中尾彬」。彼はこの映画の中ではストーリーテーラーみたいな位置づけなので、強く目立たない方が正解なのだろう。
「田村高廣」がいない今、全くのコピー映画を作るとしたら「小日向文世」が似あってるかもしれない。

音楽が大林宜彦。冒頭のスタッフロール見て驚いた。いろんな事やれるのね。


【銭】
5回有料入場スタンプで今回は無料入場。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
本陣殺人事件@ぴあ映画生活

PS 最終的には石坂浩二以降の単に推理ドラマとしての金田一さんが好きだなあ。
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