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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『必殺必中仕事屋稼業8話 10話』をフィルムセンターで観て、仕事屋って奴はよおふじき

特集上映「映画監督 三隈研次」の1プログラム。

◆『必殺必中仕事屋稼業8話 寝取られ勝負』
五つ星評価で【★★★三隈らしい絵、そして緒方拳が醸す情念】
『駆け込み女と駆け出し男』よろしく東慶寺が出てくるので「おっ」とか思った。寺の内部には話をあまり振らないので大泉洋の代わりの役はないのだけど、比較的近いのはレギュラーで出てる岡本信人だ。大泉洋ほど騒がしくもラテン気質もないけど、基本、似たような役。いや、岡本信人はいい役者よ。

私、必殺シリーズは初期作品で、なおかつ、掟も仕事自体の制約も厳しいハード路線が好きなのだけど、『必殺必中仕事屋稼業』は掟も緩いし、仕事も便利屋に近い状態のゆるい路線なのだけど、これはこれでとても染みた。今回のフィルムセンターの特集である三隈研次によく似合っている(なんて言いながら『大魔神』『必殺』しか見てないのだけど)。

初期必殺シリーズを『必殺必中仕事屋稼業』まで並べてみると
 『必殺仕掛人』激ハード,好き順(2)
 『必殺仕置人』激ハード,好き順(1)
 『助け人走る』ゆる,好き順(5)
 『暗闇仕留人』ゆる+ハード,好き順(4)
 『必殺必中仕事屋稼業』ゆる,好き順(3)
となる。

仕置人は殺す方も、殺される方も外道しかいない殺伐とした作品。
仕掛人は人徳のある殺し屋が矛盾しながら手を汚す。
仕留人はシリーズ全体に薄いながらもハードな筋と緩い定型の遊びが入る。
助け人は下町情緒と殺陣の場面が初期ウルトラシリーズの
ドラマと怪獣プロレスのようなチグハグさを出してしまっている。
この日常と殺陣との乖離は以後、『必殺必中~』を除き、
どの作品でも少なからず現れる。
それは殺陣の出来ない人間に決まった形のアクションを
様式でやらせてるからだろう。

仕掛人の緒方拳の針は人を殺す説得力があった(そういう演技だったのだ)。
仕置人も3人合格。
助け人は中谷一郎と宮内洋は失格。
仕留人は3人合格。

仕事屋の上手さは、緒方拳も林隆三も殺しの素人とした設定だ。
彼等は物語の中で不正にまとわりつかれながら、
最後にその不正を自分たちの知恵や身体で解消する。
間にかろうじて金銭は介在するが、普通の時代劇に近い。
だが、基本登場人物を二名として、彼等がずっと事件に関わっているので
話が濃密になり、最後の殺陣に嘘がなくなった。
そして、又、緒方拳、林隆三が演技も殺陣も上手いのである。

実は今回の二作品で、林隆三は直接、悪党を殺していない。
陽動だったり、軍資金調達だったりで、
最後の直接的な殺しは緒方拳一人でやっている。
それでも、殺陣が少なかったという飢餓感はない。
ドラマと殺陣が地繋ぎであり、緒方拳が実に心を震わせる殺しを見せてくれる。

悪女に見えない可愛い悪女小野恵子と、
やはり悪い奴だったかという山田吾一は適材適所。
離縁されるダメ男 林ゆたかの出ずっぱりがドラマの面白さを安定させている。

草笛光子はシャンとして綺麗だけど、けっこう頼りない顔役だなあ。


◆『必殺必中仕事屋稼業10話 売られて勝負』
五つ星評価で【★★★三隈らしい絵、そして緒方拳が醸す情念】
若い女にダニ男が取りつく典型的な話。
この若い女の母ちゃん(婆ちゃんっぽく老けてる)がお歯黒してて
どう見ても江戸時代の人にしか見えない。

この若い娘役が真木よう子と漢字違いの「真木洋子」なのだが、
そんなに若くも、可愛くも、ボインちゃんでもないのが残念。

8話も10話も江戸の横町の薄暗がりの中で剃刀を持った緒方拳が
鬼神のように佇み、それから逃げようとする悪漢を逃さずに地獄に叩き送るのだが、
その一連の動作が本当に見事としか言えない。


【銭】
フィルムセンター一般料金520円を支払って入場。
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