ロンドンで家を探す子熊を主役にしたお子様映画。
だけど、大人が見ても面白い。
HOUSEを探しながらHOMEを得る話。
パディントンが関係を持つ事になるロンドンのブラウンさん一家がステキだ。
昔はワルだったが、家族の安全を優先して今では危険に手を出さない事務屋のパパ、
変わり者でお人好し、お節介な挿絵画家のママ、
トンガリ反抗期の長女、天才肌の弟、家を取り仕切る家政婦のバードさん。
全員違う個性がそれらを損なわず生活している。
このママさんがパディントンに声を掛けた時から、
パディントンがこの家の残されたピースである事が分かってしまう幸福感。
このパディントンを剥製にしようとする美女ミリセントと
奪われたパディントンを取り返そうととする家族の話が後半のメイン。
『101匹ワンちゃん』のクルエラ・デビルは犬の毛皮を作る事が目的だったが、
新種動物を剥製にしたいというのは、それはそれでどこかにリアルにいそう。
もっとも彼女の場合、父の名声を地に貶めた「人語を介するペルー熊」証明という悲願が心を歪めているのだが。ちょっと引っかかったのが、このミリセントの扱い。最終的にパディントンの生命は助かり、ミリセントは社会奉仕で馬糞片付けの重労働を負う羽目になる。え、何で? パディントンには勿論人権がない。ただ、ブラウン家で生活する中、ペット(疑似家族)と位置付けられたら、それを奪おうとしたからか? それは余りにもミリセント側の視点が欠けてないか? 最終的に彼女が自分の罪を自覚しない限りこの物語は本当の結末を迎えないと思うのだが。
パディントンに駅で最初に声を掛けたのがブラウン夫人でなく、
ミリセントだったらもっと短い話になっていた筈だ(すんげ哀しい話)。
今回は評判が良かったので吹替版を見た。
パディントンはなるほど松坂桃李の声なのだけど、
案外、それで違和感ないんだよなあ。
古田新太のブラウンさん、斉藤由貴のブラウン夫人、
木村佳乃のミリセント、水戸なつめのジュディ、
言われないとタレント枠とは気づかない。
あっ隣人のカリーさんが悪い人じゃないけど報われなくていい味出してます。
【銭】
映画ファン感謝デー1100円
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・パディントン@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
・パディントン@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
・パディントン@或る日の出来事
・パディントン@SGA屋物語紹介所
・パディントン@ペパーミントの魔術師
・パディントン@徒然なるままに
PS 「パで隠遁」まさかジャイアンツに入れずライオンズから選手生活を始めた
番長の事じゃないですよね?
みんな画面にいない筈の熊を共通幻覚で観てる。
PS2 とりあえず一番の問題はパディントンが貿易関税を潜り抜けて
密入国してる点で、この後、同熊と接触したロンドン市民が未知の病原体と
対決を強いられるという展開になっても何らおかしくないと思う。