ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を109シネマズ木場5で観て、不愉快だけど愉快ふじき★★★★

五つ星評価で【★★★★全くもってひどい話であるのにフットワーク軽快】
全米のみならず世界の経済恐慌を巻き起こしたリーマンショックの際に、
巨大資本を相手に勝ち残った奴らがいる。そいつらを描く。

とは言うものの、彼等は正義の味方でも何でもない
(スティーブ・ガレルは正義寄り)。
彼等は金融大恐慌という大波に飲み込まれずに波の上に乗った者であり、
波その物を無効化できるような力を持っていたりはしなかった。
彼等のせいで彼等以外の誰かが助かった訳ではない。

娯楽映画としては勧善懲悪の方が受け入れられやすいので痛し痒しだが、
映画はそんな常識をふっ飛ばして面白い。

魅力的な登場人物を配置し、
残して分かりやすく説明する知識と省略しても差し支えない知識とを取捨選択し、
それぞれの人物に試練を与え、それを回収する。
この映画のための事前勉強とか必要なしに
けっこう難しい内容を迷う事なく見れるのはちょっと凄い。

チーム分けは三つ。
(1) クリスチャン・ベールの発起人
(2) ライアン・ゴズリング+スティーブ・ガレルの後追いグループ
(3) ブラッド・ピットと若者の別・後追いグループ

(3)のブラッド・ピットが一番爺さんとして扱われているので泰然自若、
目の前で起こっている不正にも経験の上から理解がある。
仮にこの件で失敗してもオブザーバー位置の彼は生活を失わないだろうし、
若者はその若さを糧に再チャレンジすればいい。
だから、ここのパートは若者二人が破綻した会社に潜り込むなどの
「いい絵」を持ちながらあまり、ひりつかない。

(1)と(2)に関しては基本、同パターンだ。
(1)は理論を見つけた安樂椅子探偵、(2)は実証検分を元に推理する特捜警察
という描き方の違いがあるだけで、当然、起こらなければおかしい破綻が
歪みで起こらない事により追い詰められる焦燥感と、それを乗り切った勝利、
これは同一パターンなので同じように描かれる。
どちらも自分の信念を通す男の魅力がぷんぷんだ。
良心的なのは、どちらも得た物を「苦い勝利」としている事だ。
「自分だけは破綻しなかった。イェーイ」とも描けたがそうはしなかった。
勝ちたくない側面もあるが、勝たない訳にはいかない、と描写した。
これで、とても複雑な味わいのある終わり方になった。

役者としてお得なのは(1)の天才、クリスチャン・ベールの天才兼変人っぷりと、
(2)のいつも怒ってるスティーブ・ガレルの庶民に即した社会正義への憂愁だ。

正しい事が正しく起こらない怖さと、
そのために危険度が急カーブで上がっていく事態がよく分かる。
しかもラストで、これらの事態の諸悪の根源が淘汰されていない事が告げられる。

ブラックすな。
『華麗なる大逆転』という副題が、すったもんだの挙句
システムは何も変わりませんでした、って意味だったりして。
それだったら本当ブラックだなあ。


【銭】
新聞屋系の無料鑑賞券を貰ってそれで見に行ったづら。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
マネー・ショート 華麗なる大逆転@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
マネー・ショート 華麗なる大逆転@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
マネー・ショート 華麗なる大逆転@映画的・絵画的・音楽的
マネー・ショート 華麗なる大逆転@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
マネー・ショート 華麗なる大逆転@徒然なるままに
マネー・ショート 華麗なる大逆転@流浪の狂人ブログ

PS セレーナ・ゴメスを使った説明が良かった。あれは分かりやすい。
PS2 原題に近い『マネー・ショート』はまだいいとして
 (『債権戦争』みたいな邦題ではお客が如何にも来なそうだから)、
 副題の『華麗なる大逆転』は明らかに気持ち悪いくらい違う。
 『カレー食う大逆転』でも違うけど、『加齢しそうな大学生』
 だったらギリ近いかもしれない。まあ、なんだ、副題いらないよ。
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