ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『水戸黄門』『高瀬舟』をフィルムセンターで観て、ああ水戸黄門と文芸だふじき★★★,★★★

特集上映「生誕100年 木下忠司の映画音楽」の1プログラム。

◆『水戸黄門』
五つ星評価で【★★★東野英治郎イコールこれぞ黄門さま】
1978年に作られたTVドラマの映画化作品。
もう全然TV。
映画だから普段のTVより格差を付けようとか言う気合いが全くなく、
まあ、普段よりちょっと長いよくらいの心持ちで作られている。
こういう、ゆる~いのが許される感じはいいな。

なんつか黄門さまと言って記憶に残るのはやっぱこの東野英治郎だ。
天下の副将軍なのに、面だけ見てると百姓の爺と変わらないし、
一見そこそこ品があるようなのに、
権力を持ったものの傲慢さが陰に隠れているような強引さも併せ持つところが
チャーミングだ(天下の副将軍をチャーミングつーのも何だが)。
お付きの助さんと格さんは里見浩太朗と大和田伸也。いい感じに無個性で隙がない。
オマケが風車の弥七、中谷一郎。まだ病前で恰幅がいい。
天下の大泥棒で縁あって黄門の密偵みたいな事やってるという設定だが、
黄門さまと張りあうくらいの下品さがある。
オマケのオマケ、うっかり八兵衛に高橋元太郎。
基本的にこいつはいなくても構わないし、
いない方が目的合理性としてはスムーズなんだろうけど、
「社内のムードメーカー」的な立ち位置で黄門一行に飼われているのである。
百姓の爺顔の東野英治郎が高橋元太郎の首輪を手綱ひくみたいな絵は
似あうと思うのだが、あまりにも真に迫るのでやれはしない。
それにしても高橋元太郎声が通る。ひそひそ話とかできないくらいの通りようだ。
林家こん平師匠くらい通る。TVだといいけど、
映画館の音響で通る声だとちょっとイラっとする。

お付きに男装武士姿の栗原小巻。何をする訳でもないけど可愛くていいわ。
「貧乏人は集まって一つの風呂に入ってください」と言われた時の
セクハラもじもじが萌える。
でも、ニコニコしてるだけの基本的にはいらない役。

悪役はいつものお歴々という感じで、
リピート・フォロー・ミーみたいな調子で全く同じ演技なのが凄い。
「よもや、これまで」と言って切りかかって切られてしまう。
これか、そのままひれふするかしかパターンがないものな。

で、尺が伸びた部分には軽くニセ黄門エピソードが入る。
黄門にハナ肇、助さんに植木等、格さんに谷啓。
偶然、間違えられる悪意のないニセ黄門一行なのだが、
何かどうにでも世渡りできるみたいな強さがあふれ出てる植木等の助さんが
ちょっと底知れない怖さを控えてるように見えた。
そんなの見えてるの私だけだろうけど。

「あの人、助さんなんかじゃありません。全然知らない人です」

いや、そんなネタ振りのためでなく、何か心がなくて、ただ動いてる風に見えるのです、植木等。んー『ヒメアノ~ル』の惨殺者とかでも躊躇なくやれそうな感じ。

森繁版水戸黄門の助さん格さんは宝田明、高島忠夫。
森繁版水戸黄門のニセ一行は三木のり平、欽ちゃん、二郎さん。

こっちの方が無駄に体温高い感じで偽物としてはよかったかな。


◆『高瀬舟』
五つ星評価で【★★★真面目な短編映画】
森鴎外原作の『高瀬舟』を学校教材用として44分の短編に収めたもの。
真面目で良く出来てる。考えさせられる。
演出が工藤栄一で、スタッフロールに必殺シリーズで見かけたお歴々の名前がずらーっと並ぶが華麗な殺しのテクニックとかはない映画。


【銭】
フィルムセンター一般料金520円(二本立てです)。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
水戸黄門〈1978年〉@ぴあ映画生活
▼関連記事。
水戸黄門漫遊記(森繁版)@死屍累々映画日記
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