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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『日本と再生』『I am Your Father』『Who Killed Idol?』『ザ・スライドショーがやって来る!』を4本まとめてレビュー

近近に見たドキュメンタリーを4本並べてレビュー。

◆『日本と再生』ユーロスペース1
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▲荘厳
五つ星評価で【★★★★あれ、あの続きやん】
見るまで知らなかったけどあの傑作『日本と原発 4年後』の続きの映画だった。
前作も用意周到に、かつ、分かりやすく、「何故、日本に原発がいらないのか」をネチネチと説明しきったのだが、今回は「原発をやめて自然エネルギーに変えるメリット」を洗脳まがいにプロパガンダする(褒めてる)。
洗脳、かつ、プロパガンダで間違いない。ただ、多分、ここで言われている事の方が、自分達の保身と既得権益を手放したくないが為に国の舵取りを誤っている政治家屋さんたちより正しいのだ。正しい事なら洗脳ANDプロパガンダでも悪くない。
困ったもんだ、既得権益。
映画の中で、自然エネルギーのデメリットに関する部分を殊更、小さく取り扱っているとは思うが、が、が、が、それにしてもメリットの方が大きいだろう。それは世界各国での自然エネルギーへの変換のサクセス・ストーリーが物語っている。仮に、これでもダメだというなら、何故ダメかを為政者側がちゃんと説明すべきだ。

ちなみに今でも続編が作られ続けている「仮面ライダー」は風力をエネルギーとする自然エネルギーヒーローである。もっともその風車を回転させる為に使っていたバイクはごくごく普通の化石燃料燃焼型のバイクであったが。


◆『I am Your Father』HTC渋谷3
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▲デビッド。
五つ星評価で【★★★デビッド・プラウズ伝】
『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーを演じたものの(声は別人)、今ではルーカス・フィルムと疎遠になり、公式イベントにも大役なのに呼んでもらえないデビッド・プラウズの伝記映画。
気持ちいいのは撮影者が撮影対象に持っているリスペクトが伝わってくるからだろう。
それでいて、対象者を甘えさせてはいない。バランス感覚がいいのだろう。

映画は撮影対象とルーカス・フィルムのわだかまりを作ったと言われる事件の真相を暴く。もちろん、これたけが全ての原因ではないかもしれないが、この一例だけでも解明したのはとてもいい事だ。一事が万事で色眼鏡をかけられ、他の事も冤罪のように誤解を受けているかもしれない(その責任の全てが会社側にあるとは思わないが)。

デビッド・プラウズのボディービル仲間としてTVドラマ「超人ハルク」で変身後のハルクを演じていたルー・フェリグノが出ていたのには驚いた。


◆『Who Killed Idol?』テアトル新宿
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▲目が死んでる二人。
五つ星評価で【★★★可哀想な彼女たち、そして真相があまり明確にならない映画】
『Bis誕生の詩』の姉妹編映画。
アイドルグループの選抜合宿で新生Bisのメンバー選出が行われるまでが姉妹作品の内容。選ばれた後、落選した彼女たちに出された「ライバル・ユニット」への参加という御褒美と、その御褒美が大人の人間関係によって壊れてしまい、ユニット存続不可になるまでが今作。
アイドル映画としてとてもよい熱量を持っている。
女の子は可愛く撮れている。
「のび太」の仇名を持つ女の子は「すげーブス」という認識だったが、
ライブでは可愛く思えるようになってた。つまり、磨けてたのだ。
アイドルではないが、マネージャーの山下百恵の普通っぽい所がいい。

映画としてはいろいろ問題があって、
前作のオーディション、今作のユニット再構成みたいな事を延々とやっているのにも関わらず、女の子の顔や名前が最後まで一致しなかった。それは芸能物でありながら、各人の個性をアピールしたり、まとめたり、ダメ押ししたり、みたいな配慮が薄かったのではないか。
チラシでは解散の内幕が映画で全部明らかになるような勢いで書いてあるが、実際は藪の中でよう分からん。

①負けユニットSiSがライブで勝ちユニットBiSの楽曲を無断使用した事
②SiS統括責任者の過去の罪状についてBiS統括責任者が知らず仁義を欠いた。

この二点だと言われているが、芸能界と接点がないから①も②も大した事に思えない。単にSiSを解散させるためにダダをこねて「業界のしきたりがどうのこうの」「こんな奴に付いていっちゃダメだ」など無理強いしている風にしか見えない。その癖そんな事を言っているBiS側が人手が足りないからと解散させたSiSの統括責任者を雑用に使っている。斬るなら斬れよ。そこを斬らずにSiSだけ解散とか単に女の子たちに対して手の平を返したようにしか見えない。
BiS物はこれで3本目だが、どれをとっても過酷な目に会う女の子に対して、取り扱うスタッフに、それを強いるだけの強い覚悟を感じられない。そんな物ない。業界は女の子を騙して笑って生きていくのだ。そういうならまあ、そこに飛び込む女の子たちは不憫だが構造的にダメなのかもしれない。


◆『ザ・スライドショーがやって来る!』新宿ピカデリー4
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▲ロツクンロール・スライダーズ
五つ星評価で【★★★ネタより理屈なのはよくない】
みうらじゅんといとうせいこうの「ザ・スライドショー」の内幕暴露。
みうらじゅんやいとうせいこうサイドから見て、どういう理屈で、
どういう風にショーが作られているかを解説する。
成り立ちや成り行きを一度まとめておきたかったのかもしれないが、
それは日記に書けばいい事であって、
公に発表されても、それを他人が使える訳でもないし、どないすんねん。

個人的には単にネタをドッサリ積んでもらった方が面白かった。
ただ、もう全てのスライドショーを渡り歩き、
今までの全てのスライドは見てるから、ネタその物に興味はない、
という人だらけだったら、この構成でいいのかもしれない。


【銭】
『日本と再生』:ユーロスペース会員割引1200円。
『I am Your Father』:未体験ゾーンの映画たち2017前回入場割引1100円。
『Who Killed Idol?』:テアトル会員割引1300円。
『ザ・スライドショーがやって来る!』:番組特別料金1800円。

▼作品詳細などはこちらでいいかな
日本と再生 光と風のギガワット作戦@ぴあ映画生活
I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー@ぴあ映画生活
WHO KiLLED IDOL? -SiS消滅の詩-@ぴあ映画生活
みうらじゅん&いとうせいこう 20th anniversary ザ・スライドショーがやって来る!「レジェンド仲良し」の秘密@ぴあ映画生活
▼関連記事。
日本と原発 4年後@死屍累々映画日記
エルストリー1976@死屍累々映画日記
BiSキャノンボール2014@死屍累々映画日記・第二章
BiS誕生の詩@死屍累々映画日記・第二章
劇場版 アイドルキャノンボール2017@死屍累々映画日記・第二章
世界でいちばん悲しいオーディション@死屍累々映画日記・第二章
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