『天国はどこだ』『群盗南蛮船』『貸間あり』『江戸の悪太郎』シネマヴェーラ二本立て×2レビュー
- Date
- 2017/03/08/Wed 23:16
- Category
- 映画(ライブドアブログ時代)
特集上映「新東宝のディープな世界」<『天国はどこだ』『群盗南蛮船』
「名脇役列伝Ⅰ浪花千栄子でございます」<『貸間あり』『江戸の悪太郎』
どれも旧作で、どれも初見。
◆『天国はどこだ』
五つ星評価で【★★★★悩む木村功、輝く津島恵子、善人なのに得体のしれない沼田曜一、そして金やん】
暴力団に生活を握られている部落の村。新任医師の沼田曜一は保育園の津島恵子とともに生活を改善しようと努力するが、なかなか難しい。そこに部落出身の津島恵子の恋人、木村功が刑務所から出所してくる。木村功は暴力団と拮抗しながら村の人々を守るが、暴力団の罠に嵌って暴力事件を起こして村の信用を失墜させてしまう。
若くて無鉄砲でケンカっ早くて子供の人気者のヤクザを木村功が好演。
ヤクザ稼業から足を洗い、カタギになるのだが、
実入りが少なくなり子供たちを豪遊させられなくなった彼を
子供たちが見限っていくという設定がリアルにイヤらしくて泣ける。
役名が「ケンさん」。
ちなみに高倉健こと健さんが初めての任侠映画に出るのは、
この映画の7年後だから役名については単なる偶然である。
映画のヒロイン津島恵子が美しい。松雪泰子っぽい。
沼田曜一、いい人っぽく見えない。何か企んでそう。
まあでも、目に輝きのない小金治と言えば小金治っぽいかもしれん。
若かりし日の金やんが特別出演で出てくる。国鉄スワローズのピッチャーだそうである。
木村功と揉めるヤクザのチンピラに西村晃。チンピラが板に付いていて、この人がこの後、水戸黄門になろうとは誰も思わんかったよなあ。
ヤクザの組長に加藤嘉。強欲でカリスマ力を持つオールバックの加藤嘉が一瞬も瞬きしないで怖い。
◆『群盗南蛮船 ぎやまんの宿』
五つ星評価で【★★★尾上菊五郎一座総出演……は売りではないと思うのだが。少なくとも今は】
最近、上映されると足を運ぶ稲垣浩監督作品。
基本的にダイナミックな娯楽作品ばっかでいいんですわ。
で、監督名だけで見に来た。
こっちが目当てだったけど『天国はどこだ』の方が面白かった。
歌舞伎の尾上菊五郎一座総出演らしい。
DNAのせいか、みな、ひょろうんとした瓜実顔っぽい。
江戸時代っぽい顔ではある。
主役の尾上梅幸が良くない。二枚目の役だが二枚目に見えない。演技の癖が強くて単に不真面目な役に見えて、女が惚れる男に見えない。これは役者の責任。
その主人公を支えるの尾上松緑も良くない。女にもてたがりで大酒飲みの自分知らず。男から見てもモテない事が分かる奴。こいつは好きになれない。これは脚本の責任。
後半、唐突に入る海賊のダンスはミュージカル風だが、
江戸時代が舞台の映画に馴染んでいない。
現代的な顔立ちの久我美子に惹かれるが、古風な顔立ちの花井蘭子の方が主役のせんである。そんなに強く魅力を感じないのは私が今の人だからだろう。1950年の作品。
◆『貸間あり』
五つ星評価で【★★★TVっぽい】
川島雄三監督、フランキー堺主演の有名な軽喜劇。
何だかスピディーでTVっぽいけどバタバタしてて、そんなに好みじゃない。
立ちション好きなのか川島?
◆『江戸の悪太郎』
五つ星評価で【★★★★明朗快活な泰然自若時代劇】
大友柳太朗の貧乏浪人が素行の悪い占い師をとっちめる。
子供に男装しながらも全く女の子丸出し状態の大川恵子が可愛い。
【銭】
各二本立てプログラム、シネマヴェーラの会員割引一般1500円から400円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・群盗南蛮船 ぎやまんの宿@ぴあ映画生活
・貸間あり@ぴあ映画生活
・江戸の悪太郎〈1959年〉@ぴあ映画生活
「名脇役列伝Ⅰ浪花千栄子でございます」<『貸間あり』『江戸の悪太郎』
どれも旧作で、どれも初見。
◆『天国はどこだ』
五つ星評価で【★★★★悩む木村功、輝く津島恵子、善人なのに得体のしれない沼田曜一、そして金やん】
暴力団に生活を握られている部落の村。新任医師の沼田曜一は保育園の津島恵子とともに生活を改善しようと努力するが、なかなか難しい。そこに部落出身の津島恵子の恋人、木村功が刑務所から出所してくる。木村功は暴力団と拮抗しながら村の人々を守るが、暴力団の罠に嵌って暴力事件を起こして村の信用を失墜させてしまう。
若くて無鉄砲でケンカっ早くて子供の人気者のヤクザを木村功が好演。
ヤクザ稼業から足を洗い、カタギになるのだが、
実入りが少なくなり子供たちを豪遊させられなくなった彼を
子供たちが見限っていくという設定がリアルにイヤらしくて泣ける。
役名が「ケンさん」。
ちなみに高倉健こと健さんが初めての任侠映画に出るのは、
この映画の7年後だから役名については単なる偶然である。
映画のヒロイン津島恵子が美しい。松雪泰子っぽい。
沼田曜一、いい人っぽく見えない。何か企んでそう。
まあでも、目に輝きのない小金治と言えば小金治っぽいかもしれん。
若かりし日の金やんが特別出演で出てくる。国鉄スワローズのピッチャーだそうである。
木村功と揉めるヤクザのチンピラに西村晃。チンピラが板に付いていて、この人がこの後、水戸黄門になろうとは誰も思わんかったよなあ。
ヤクザの組長に加藤嘉。強欲でカリスマ力を持つオールバックの加藤嘉が一瞬も瞬きしないで怖い。
◆『群盗南蛮船 ぎやまんの宿』
五つ星評価で【★★★尾上菊五郎一座総出演……は売りではないと思うのだが。少なくとも今は】
最近、上映されると足を運ぶ稲垣浩監督作品。
基本的にダイナミックな娯楽作品ばっかでいいんですわ。
で、監督名だけで見に来た。
こっちが目当てだったけど『天国はどこだ』の方が面白かった。
歌舞伎の尾上菊五郎一座総出演らしい。
DNAのせいか、みな、ひょろうんとした瓜実顔っぽい。
江戸時代っぽい顔ではある。
主役の尾上梅幸が良くない。二枚目の役だが二枚目に見えない。演技の癖が強くて単に不真面目な役に見えて、女が惚れる男に見えない。これは役者の責任。
その主人公を支えるの尾上松緑も良くない。女にもてたがりで大酒飲みの自分知らず。男から見てもモテない事が分かる奴。こいつは好きになれない。これは脚本の責任。
後半、唐突に入る海賊のダンスはミュージカル風だが、
江戸時代が舞台の映画に馴染んでいない。
現代的な顔立ちの久我美子に惹かれるが、古風な顔立ちの花井蘭子の方が主役のせんである。そんなに強く魅力を感じないのは私が今の人だからだろう。1950年の作品。
◆『貸間あり』
五つ星評価で【★★★TVっぽい】
川島雄三監督、フランキー堺主演の有名な軽喜劇。
何だかスピディーでTVっぽいけどバタバタしてて、そんなに好みじゃない。
立ちション好きなのか川島?
◆『江戸の悪太郎』
五つ星評価で【★★★★明朗快活な泰然自若時代劇】
大友柳太朗の貧乏浪人が素行の悪い占い師をとっちめる。
子供に男装しながらも全く女の子丸出し状態の大川恵子が可愛い。
【銭】
各二本立てプログラム、シネマヴェーラの会員割引一般1500円から400円引きで1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・群盗南蛮船 ぎやまんの宿@ぴあ映画生活
・貸間あり@ぴあ映画生活
・江戸の悪太郎〈1959年〉@ぴあ映画生活
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