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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『イップマン 継承』を新宿武蔵野館1で『美女と野獣(吹替)』『帝一の國』を109シネマズ木場3,6で観て、どれも最強ふじき★★★★★,★★★★,★★★★★

最強3本を忘れる前にレビュー

◆『イップマン継承』
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▲「この手が、この手がいけないんだあ!」

五つ星評価で【★★★★★不安を瞬殺する傑作】
実の所、映画を褒めるのは照れる。
でも、そんな照れとかもうどうでもよくなるくらい、これは褒めんといかん映画だろう。
前二作と比べると静かな映画である。
映画はイップ・マンが熱狂の中で勝って英雄になる事よりも、
真に正しい勝利を勝ち取る事を選んだ。気高い映画である。

工場に子供を助けに行く百人組手も素敵だが、
タイのキックボクサーから夫人に害をなさないように離れて圧倒するシーンも素敵だ。
タイソンとの一騎打ちもいいが、同門対決も見逃せない。

カンフーカットがアクション映画として優れている事は勿論だが、
そのアクションの中にも、普段の佇まいにもイップ・マンの個性が際立つ。
ドニー・イェンが出ているシーンは全て美しい。
妻役のリン・ホンもやるべき事をやりきった美しさがある。
もちろん好敵手の位置にいる同門の使い手マックス・チャンも良い。

それにしても、この映画がドニー・イェンがあまり若い頃に作られなくて良かった。
年齢を重ねた上での、師匠的な佇まいや達人としての顔、今のドニーだからこそ出せる良さが出ていると思う。

ただね、興行としては充分ペイするくらい入ってるのかもしれないけど、出来ればこれを昔の新宿ミラノ座みたいな殺人的なくらい客が入る大劇場の大スクリーンで見たかった。

PS そう言えば、学校の美人先生と弟子のロマンスみたいなのが
 あるかと思ったら全然進まなかったなあ。


◆『美女と野獣(吹替版)』
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▲素敵なエマ・ワトソン

五つ星評価で【★★★★キャー、エマ・ワトソン】
大好きなエマ・トンプソン(ポット夫人)も出ているが、まあ、まずは何と言ってもエマ・ワトソンである。かーいーの何の。そして、アニメのベルその物と言うより、アニメよりかーいーのがもうメチャクチャだ。

野獣もアニメ版ではペットぽかったのが獣感マシマシになってて良かった。
獣であるだけでなく、表情が愛を拒絶するかのように孤独な影に覆われている。

あと、ガストンが素晴らしい。
人間が演じる事で、人間のいやらしさが100倍くらいリアルに伝わってくる。
扇動シーンの恐ろしい事よ。

全体のバランスから言ったら、ベルが野獣を好きになるプロセスがちょっと駆け足すぎると思った。あそこはもちっとジックリちゃんとやらんとベルが遺産(=本)目当てで心を動かしてるみたいな流れが強調されてしまう。それはゼロではないのだが、それだけでもないのだから抑えて出力しておきたい。


◆『帝一の國』
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▲♪若い息子がうっふ~ん、お色気ありそにうっふ~ん

五つ星評価で【★★★★★エンドロールという武器】
映画として、物語として、ちゃんと普通に面白いのだが、エンドロールの永野芽郁がダメ出しで素晴らしすぎるので、そこでこの映画の価値が5倍くらい上がっている。
この映画の永野芽郁は凄く抑制されて撮られている。
衣装はレトロなセーラー服だし、滅多にアップにならないし、笑顔が封印されているし、
その抑制が最後の最後でひっくり返されるエンドロールの輝き具合が凄い。
『パズル』の夏帆のエンドロール・ダンスに匹敵する(ベクトルは正逆)。

キャラとしては氷室ローランド・間宮祥太朗が謀略の野村周平の立てた戦略により、王道を踏み外していく様子が「いとあはれ(グレート哀愁)」で目を引かれた。巨神堕ちるみたいなスペクタルには目を奪われる。

ドラマ上の問題点としては戦術の男・千葉雄大があまり戦術を駆使しているようには見えない点があげられる。

PS クマネズミさんのところ(映画的・絵画的・音楽的)に書いたコメントが
 自分らしいと思う。
 僕は、言葉遊びで勝つ。-----勝てんわい!


【銭】
『イップマン継承』:チケット屋で劇場鑑賞が6回可能である武蔵野興行の株主優待券を4500円でGET。うち1回分で鑑賞(4枚目)。
『美女と野獣』:109シネマメンバー感謝デー(毎月19日)で会員1100円。
『帝一の國』:109シネマズデー(毎月10日)で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
イップ・マン 継承@ぴあ映画生活
美女と野獣@ぴあ映画生活
帝一の國@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
イップ・マン 継承@ここなつ映画レビュー
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コメント

こんにちは

→イップ・マン 継承
いやーいやいやいや
続けてみてしまいましたよ。
ほんとなんて気高い映画だろう。
高潔なイップ・マンの
子供を人質にとられたり、奥さんが癌に冒されたりと、
ドラマは結構きつくて、心臓をギュッとつかまれてるかのようでした。さらに、演技力を高めてきたドニーさんが切ない演技でそれに応える。
爽快なドニーさんアクションと思ったら泣かされる映画でしたね
2回目、冒頭の木人樁シーンで木人樁に蛾がとまりますけれど、あれはふと奥さんなのかとも思ったりもしました

  • 2017/09/03(日) 15:56:22 |
  • URL |
  • maki #jQTfdwCM
  • [ 編集 ]

Re: こんにちは

こんちは、makiさん。

普通にドラマ・パートが全て良いですよね。カンバンにこだわらないイップ・マンだけど、奥さんが彼の事を考えて同門対決への道を付けてあげるんだよね。それぞれがそれぞれを思いやるのが本当によく見える。

  • 2017/09/03(日) 21:17:46 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

こんばんは。
ハリーポッターの見過ぎでどうしても
美人にはみえません。エマ・トンプソン
ならぬエマ・ワトソン。
でもいーー映画です。

  • 2017/10/08(日) 19:44:59 |
  • URL |
  • タケヤ #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、タケヤさん。

エマ・ワトソンで不服ならダニエル・ラドクリフにベルをやってもらうしかないな。

  • 2017/10/08(日) 21:14:55 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

→帝一の國

こんにちは。
いやー勝手な答案対決のところ、大笑いでした
邦画でもこういう作品は面白いですね
個人的には時代が昔なのもあって制服がちと懐古趣味で
良かったですわー
ラストもさわやかに終わりましたし…
野心も忘れてない。

  • 2017/12/26(火) 15:01:42 |
  • URL |
  • maki #jQTfdwCM
  • [ 編集 ]

Re: →帝一の國

こんちは、makiさん。

> 個人的には時代が昔なのもあって制服がちと懐古趣味で

あれ、時代、昔なのでしたっけ?
終わり際よりエンドロールが大好きです。

  • 2017/12/27(水) 01:23:40 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

千葉雄大は「わろてんか」のお兄ちゃんの生まれ変わりかと思いましたわ。

  • 2018/04/08(日) 09:36:37 |
  • URL |
  • ボー #0M.lfYJ.
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、ボーさん。

> 千葉雄大は「わろてんか」のお兄ちゃんの生まれ変わりかと思いましたわ。

私、「わろてんか」は最初の2回くらいしか、だから葵わかながまだ胎児で、いや、ギリギリ間にあっとるか。あー、おったね。凄くすぐいなくなった人。千葉君、童顔すぎていつも王子様みたいな役どころだから、もう少し役柄が広がればいいのになあ。

  • 2018/04/08(日) 21:07:55 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

イップマンは、昔かたぎの人でしょうが、こんなにも魅力的で、それは、時代とか社会が求めるものを知って居つつ、あくまで我を信じ切ったからだと思います。

そこには、武道の良さがあって、同じ流派を支えて来た同輩達もあり、また、弟子達ともイーブンで付き合っていると思います。

街や地域で生きている事を、最も実感出来るのは、その人が、最も得意として愛している技や道なり、武道なりを修めている時だと思います。自分の幸せが、全体の幸せに繋がるというのは、個人の理想の生き方ですね。

本来、儒者や名士というのは、地域の為に動ける人であって、前作とも絡みますが、それが、時の権力である日本軍将校とか、英国人闘士、マフィアとか、支配する主体というのは、悪として捉えられていて、それらを根絶する事は不可能であっても、試合というフェアな場所で勝負をする事には意味があると思います。高潔さではイップマンが至高ですが、実と花がありますね。

  • 2020/01/20(月) 17:36:11 |
  • URL |
  • 隆 #rsqgrcAo
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、隆さん。


> 時の権力である日本軍将校とか、英国人闘士、マフィアとか、支配する主体というのは、悪として捉えられていて、それらを根絶する事は不可能であっても、試合というフェアな場所で勝負をする事には意味があると思います。

そう言えば、一作目・二作目は一見フェアに見える試合でもアンフェアな裁定が行われており、という部分がありましたが、今回のラストは非公開の同門との戦いだけに一番フェアだったというのも面白かったです。世間は色々言っても「そこ」が大事ではないというのはいい台本です。

  • 2020/01/21(火) 22:59:16 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

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