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『ハクソー・リッジ』をトーホーシネマズスカラ座で見て、事実以上に地獄になってないかな★★★★


▲ひょろ長

五つ星評価で【★★★★作りはルサンチマンものだと思う】
「戦場には出るけど戦いません」
こんな事言いだす奴がいたら、そら虐められるだろ。
それでもどうにかこうにか解決して、戦わないけど戦場OKが許される。
うん、結果オーライだとは言え、ここでアメリカは大した国であると思った。
日本だったら軍関係者が無理やり(場合によっては殺して)
言いくるめて殺人兵器にするか、狂人にするか、でしょう。
前半ドスの頑固さ加減を嫌と言うほど語り、後半はいよいよ戦場である。
戦場こえー。
今までのどの戦場よりも強烈。敵はジャップ、日本人である。
手足が吹き飛ぶとか四肢の破壊をかなりちゃんと見せたのは偉い。
ただ、本当のところは、あそこまでじゃなく
もうちょっと静かな戦場だったんじゃないだろうか。
別に本当の戦場に出た事もなく(たりめーだ)、
あくまで日本軍人が出てくる戦争映画を見た上でのイメージなのだが、
日本の軍人があんなに密集しているのは変。
「兵隊さん」も駒切れで学徒も含めてどんどん召集して
ゼイゼイ言ってるのに、あんなに大人数の兵力を
一点集中して割けるのは違う気がする。 
ちょっと多すぎて、中国人っぽい(イメージです)。
人が多ければ兵站や補給物資も多く必要になる。
戦力を沖縄に集めても、兵站や補給物資までは
要求が通らないだろうから、もうちょっと兵隊はスカスカで
ゲリラ戦のように密集していない方がリアル。
そして、日本軍人の戦闘における破壊力が半端ない。
足や腕が吹っ飛んでるアメリカ兵がゴロゴロいる。
だが、日本軍の主要な武器は銃剣の付いたライフルである。
あれではそんなに簡単に手足は吹っ飛ばないに違いない。
だから、わっと攻めてきて銃剣で刺してるシーンは説得力がある。
移動式の機関銃を撃ち続けるシーンもあるが、
機銃は弾丸も含めてトーチカに設置するのが精一杯だろう。
そんなに簡単にぶっ放し続けるほど弾丸も潤沢じゃない筈だ。

戦場を後にする兵士が「奴らは死ぬ事を恐れない」と言ってたのは
クレージーな日本兵のイメージがゆえであろう。
神風の国の兵隊だもの。全員いかれてるに違いない。そら怖かろう。

という事で、もう少し静かで実務的な殺害が
訥々と行われていたのではないかと思っている。
アメリカ人から見た戦場という意味では、
絵としては胡散臭いが、気持ちとしてはこれで正解かもしれない。

日本軍の偉い人のハラキリを手伝った部下の介錯が見事。
なかなかああは斬れない。多分、介錯の主目的は
血管を傷つけて致命傷を負わせると同時に意識を奪う事じゃないだろうか?
江戸時代には「首切り××エ門」みたいな専門職もいたので、
その頃は「首ちょんば」みたいな名人芸が見れたかもしれないが、
昭和にはそういう逸材は残ってはいなかったと思うし。


【銭】
トーホーシネマズ、メンバーサービス週間で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ハクソー・リッジ@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
ハクソー・リッジ@或る日の出来事
ハクソー・リッジ@ノルウェー暮らし・イン・原宿

PS たいへんな戦場だったから、もちっとスパイダーパワーを
 使ってもよかったんじやないかな。
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ハクソー・リッジ

【概略】 人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁(ハクソー・リッジ)での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモ...

ハクソー・リッジ

HACKSAW RIDGE 2016年 オーストラリア/アメリカ 139分 戦争/アクション/ドラマ PG12 劇場公開(2017/06/24) 監督: メル・ギブソン 『ブレイブハート』 出演: アンドリュー・ガーフィールド:デズモンド・ドス サム・ワーシントン:グローヴァー大尉 ルーク・ブレイシー:スミティ・ライカー テリーサ・パーマー:ドロシー・シュッテ ヒューゴ・ウィーヴィン...

17-227「ハクソー・リッジ」(アメリカ・オーストラリア)

もう一人だけ助けさせてください  アメリカの田舎町で育ったデズモンド・ドスは、看護師のドロシー・シュッテと恋に落ちるも、激化する第2次世界大戦に心を痛め、衛生兵になるべく陸軍に志願する。  しかし基地での訓練で銃に触れることを拒絶し、上官や他の兵士たちか...

映画:ハクソーリッジ HACKSAW RIDGE 1.はじめに信念があり、2.試練があって、3.ヒトは大きな成果を出す、な好事例。

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ハクソー・リッジ

第二次世界大戦中のアメリカ。 青年デズモンドは陸軍に志願するが、訓練中も銃に触れることを断固として拒絶する。 宗教上の理由から「生涯、武器には触らない」と、固く心に誓っていたのだ。 そんな彼も、沖縄の激戦地「ハクソー・リッジ」へ赴任することに…。 実話から生まれた戦争ドラマ。 ≪戦争は命を奪うが、僕は、命を救う―。≫

「ハクソー・リッジ」

2016年・アメリカ・オーストラリア合作 配給:キノフィルムズ 原題:Hacksaw Ridge 監督:メル・ギブソン脚本:ロバート・シェンカン、アンドリュー・ナイト製作:デヴィッド・パーマット、ビル

ハクソー・リッジ★★★★★

「ブレイブハート」「アポカリプト」のメル・ギブソン監督が、激烈を極めた沖縄戦の知られざる実話を映画化した衝撃の戦争ドラマ。武器を持つことを拒否しながらも、地獄の戦場で75人もの命を救い、終戦後、良心的兵役拒否者としてはアメリカ史上初めての名誉勲章を授与さ...

ハクソー・リッジ

後半の戦闘シーンの描写が凄い。

『ハクソー・リッジ』 2017年6月15日 よみうりホール

『ハクソー・リッジ』 を試写会で鑑賞しました。 メル・ギブソンは監督に転向した方がいいね 【ストーリー】  第2次世界大戦中、デズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、人を殺してはいけないという信念を持ち、軍隊に入ってもその意思を変えようとしなかった。彼は、人の命を奪うことを禁ずる宗教の教えを守ろうとするが、最終的に軍法会議にかけられる。その後、妻(テリーサ・パーマー)と父(ヒューゴ...

ハクソー・リッジ

【HACKSAW RIDGE】 2017/06/24公開 アメリカ PG12 139分監督:メル・ギブソン出演:アンドリュー・ガーフィールド、サム・ワーシントン、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー、ヒューゴ・ウィーヴィング 、レイチェル・グリフィス、ヴィンス・ヴォーン 世界一の臆病...

「ハクソー・リッジ」☆度胆を抜かれるかつてない臨場感

見事である。 今までの戦争映画が足元にも及ばないと思ってしまうくらいのリアルな臨場感。 「野火」のグロさに匹敵する血肉飛ぶ戦場の惨状が、目の前にまざまざと見せつけられながら、そこには一筋の希望と癒しがあるという素晴らしさ。 メル・ギブソン監督に惜しみない拍手を!!

コメント

非公開コメント

本当のところ…

実際とどう違うのかなんて、わかりませんが、映画的には、やはり派手めにしているのかなと思いますよね。
たしか、6回撃退されたなんて言ってましたが、それなら、もうちょっと別の作戦とかないんかい! とも頭をよぎりました、艦砲射撃しても地下にいるし。

同感です

ふじきさん☆
私もアメリカのそこんとこは凄い!と感心しました。
きちんと人権を尊重するところは、今の日本でもまだ出来てないですよね。

この映画観ていないので、こんな事を言うのもなんですが、戦前の日本軍で狂っていたのは、むしろ現場ではなく、司令部だったと聞いた事があります。真珠湾を攻めて、まさかの後退、東南アジアへの分断と、石油不足にも関わらず、広域戦をやってのけた戦略の不手際。現場は優秀だったそうです。神風は狂気といえば狂気ですが、戦術が無かったゆえであって、父母の為に戦って、米軍上陸を防ぎたかったのでしょう。

そして、日本の狂気とは、攻められた時や、熱狂がとめどなくなった時に、発揮されています。米帝は悪というと、今のどこかの国のようですが、大本営によって、米軍が悪鬼の如き狂った集団だという、刷り込みと、学校教育、愛国心の量産による、悪しき結果ではないでしょうか。戦前の責任は、むしろ、今の反日陣営の咎によるところが大きいと思います。

Re: 本当のところ…

こんちは、ボーさん。

> たしか、6回撃退されたなんて言ってましたが、それなら、もうちょっと別の作戦とかないんかい!

継続こそは力なり、ですよ。二百三高知での乃木大将の勝利だって継続あってこそですよ。まあ、まだ人の命が安かった時代だから人命はいいじゃないっすか。

Re: 同感です

こんちは、まだむさん。
アメさんは感情でなく、理屈で制御するんですよね。
そこんところが偉いっつか、識字率低かったりするのにようやるなあ、と。
日本人は理詰めは案外ダメですね。百姓時代の命令され性格が残りっぱなしで、どうにも自分で考える癖が身に付いていない。

Re: タイトルなし

こんちは、隆さん。
事情はあるにせよ「より少ない犠牲でより大きな効果を」という視点を全うできなかった参謀格はもちろん悪いですが、下から上への報告・連絡・相談が伝わらないシステム。上から下へのみ伝わるシステムがいけないのだと思います。それは今、日本が進み行こうとしている方向性なので、非常に怖い。

お早うございます。
「本当のところは、あそこまでじゃなく もうちょっと静かな戦場だったんじゃないだろうか」とありますが、おっしゃるように、終戦の年の日本軍の最前線に、「兵站や補給物資」が行き届いていて、あそこまで敵を圧する火力で攻撃する能力があったのかどうか、よくわからない感じがします。あるいは、デズモンドの働きをより大きく見せようとする演出側の意図があって、あのような凄まじい戦闘場面になったのかもしれません。何しろ、本作は、前田高地の戦闘をリアルに描くというよりも、むしろデズモンド一点絞りの映画ですから。
なお、「日本軍の偉い人のハラキリを手伝った部下の介錯が見事」で、「昭和にはそういう逸材は残ってはいなかった」とありますが、例えば、森田必勝に替わって三島由紀夫の首を切った古賀浩靖はどうでしょう(Wikipediaの「三島事件」の項によります)?

Re: タイトルなし

こんちは、クマネズミさん。
悲惨な戦闘状況だったら太平洋戦争では日本人の方が群を抜いて多いんでしょうが、日本人には残念ながらドスさんはおらなんだ。

> 三島由紀夫の首を切った古賀浩靖はどうでしょう(Wikipediaの「三島事件」の項によります)?

ウィキ読んできました。いるのね、そういう凄い腕の人が昭和にも。まあ、こういうのは『必殺仕業人』の赤井剣之介みたいに大道射合い切りみたいな事でもしてくれない限り、庶民の目に触れる事はないでしょうから、あちこちに名人が隠れ住んでるのかもしれないですね。

こんにちは

こんにちは。
これが仮に「事実以上」で事実の方がほんのちょっとだけ地獄度が低かったとしても、私はやっぱり戦地には行けないし、戦地に知人を送り出せないな、と思ったのでした。
前田高地って、実際にはそんなに広くなかったようですね。密集での戦いは地獄度が増すような気がします。

Re: こんにちは

こんちは、ここなつさん。
しごく真っ当で当たり前の事を言うなら「戦争はやだよ」。映画だから見てられるんだよ。
戦争が好きそうな自民党さんは自分たちだけでやってくれればいいのにと思うよ。

こんにちは!

プライベートライアンのノルマンディー上陸作戦の映像も凄かったですが、ハクソーリッジの映像も凄まじかったです。
メルギブも容赦しないなと。
天皇陛下ばんざーい!と散っていく日本兵でしたが、今どきの若者が戦場出たら「AKBの誰々ちゃん愛してる!!」て叫びながら死んでいくんだろうなあ。

Re: こんにちは!

こんちは、ヒロ之さん。

> 天皇陛下ばんざーい!と散っていく日本兵でしたが、今どきの若者が戦場出たら「AKBの誰々ちゃん愛してる!!」て叫びながら死んでいくんだろうなあ。

「ガッキー可愛い」どっかーん、みたいな。

こちらにも

あーほんと、確かに。
私もみてて思ったのですが、クレイジージャップの
「あいつらは死ぬことに迷いがない」みたいに言われていたのが、
まあそうだよな神風だからな、怖いだろうとは思いつつも、だからといって、あんな戦争末期の局地戦でこんなに人数いるか???と私も疑問を持ちました。

>あんな逸材残ってない
そしてこれも同感。スパッと切れすぎ!

Re: こちらにも

こんちは、makiさん。

> 私もみてて思ったのですが、クレイジージャップの
> 「あいつらは死ぬことに迷いがない」みたいに言われていたのが、

殊更に日本人の恐怖を増大させていたのですかねえ。相手の事が分からないのは恐怖に繋がる。そういう意味で日本人がいつも「ニコニコ」してるのも、外国人から見ると、理由もなく笑っているってあまりいい結果になってないみたいですし。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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