ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『終の信託』をフィルムセンター大ホールで観て、ドーンと来たが惑いもある★★★


▲砂浜でいきなり踊り出したりしない。

五つ星評価で【★★★力作ではあるが見る上での躊躇もある】
2012年の劇場公開時に見逃してスクリーンで見る事が適うまで5年もかかってしまった。劇場公開作品を劇場で見逃してしまい、後に劇場で再キャッチする事の何と難しくなっている事か。見に行く事を躊躇した通り、重くて暗くて長くてメソメソした映画。でも、言いたい事がハッキリしている力作である。

主演の草刈民代はコミカルな役は活き活きと演じるが、
悲劇を演じるとそれはそれで意外に似あう。
笑ってるような顔だちだが、角度を変えると泣き顔みたいな顔立ちでもある。
熱演。ヌードも見せる。綺麗なヌードというよりリアルなヌード。

役所広司の演技の強弱が素晴らしい。
本当にそう言う病気の人にしか見えない。

善人役の多い大沢たかおの有無を言わさず攻めてくる検事役が怖い。

▲吹き矢を吹きそうな大沢たかお。

そしてゲスい心のない役がいつも通り嵌る浅野忠信。

草刈と役所の癒し合う姿にホッコリし、それを絨毯爆撃のように更地にしようとする大沢たかおに恐怖を覚える。明らかに大沢たかおは真実以上に自分が求めようとする位置に犯罪者をはめようとする狩猟者のような匂いがする。そしてそれは有無を言わさない。権力の擬人化で昨今、こんなに成功したキャラクターもいないのではないか?

3年も経ってから何故、訴訟を起こしたのか?
彼女は18時に何の約束があったのか?

など回収されない伏線もあり、後半の判決結果がテロップで済まされる事も含めて、もう少し長い上映時間が必要だったのではないか(今でも充分長いは長いのだが)。


【銭】
フィルムセンターの一般入場料金520円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
終の信託@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です。
終の信託@映画的・絵画的・音楽的
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PS ずっと何と読むか分からなかったが「ツイノシンタク」と読むのか。
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コメント

お早うございます。
貴エントリの冒頭で、「劇場公開作品を劇場で見逃してしまい、後に劇場で再キャッチする事の何と難しくなっている事か」と嘆いておられますが、ほぼ6年前の映画にもかかわらず、大きなスクリーンで見ることが出来るのは、凄いことなのではと思います。
ただ、本作が、フィルムセンターでの企画「特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016」の中での上映とわかり、はて一体誰を“偲んで”なのかと思ってしまいました。
ですが、よく調べてみたら、撮影監督の寺田緑郎氏を偲ぶものであり、同氏はこの作品で三浦賞(新人賞)を受賞しているものの、4年後に52歳で亡くなっているのですね。
こういう企画を案出したり、この映画を選択して上映したりする人達がいて、加えて「ふじき78」さんのようにわざわざ見に出かける人がいるというのは、そのこと自体凄いなと思います。

  • 2017/09/05(火) 05:38:18 |
  • URL |
  • クマネズミ #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、クマネズミさん。
昔、もうちょっと名画座が多かった頃はヒットの有無に関わらず個性的な作品選出で隠れた名作などを見る事が出来たのですが、今は名画座の数が激減し、中々興行価値の小さい作品は上映されません。又、上映されても日替わりだったりするので中々スケジュールが合わなかったりします。
そんな中、フィルムセンターや神保町シアターやシネマヴェーラ渋谷さんなんかにはお世話になってます。しかし、古い映画やる所は観客層に年寄り多いな。もちっとヤングも見に来ればいいのに。

  • 2017/09/06(水) 23:14:43 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

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