『おクジラさま ふたつの正義の物語』をユーロスペース2で観て、公平であろうとすること★★★★
- Date
- 2017/09/17/Sun 23:41
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
五つ星評価で【★★★★イルカ問題の太地町に関する新しいアプローチ】
非常に冷静な映画で、偏見ありきで作られた『ザ・コーヴ』と、その反証で作られた『ビハインド・ザ・コーヴ』と比べると実に冷静に公平な視点で作られている。そもそも『ザ・コーヴ』が与太話の映画なので、『ビハインド・ザ・コーヴ』の時点で冷静さはあったのだが、今回の映画は更に冷静。
悪意があって(としか思えない)町を陥れようとしている問題発端となった『ザ・コーヴ』製作者達を除けば、対立してるけどみんないい人である。でも、対立軸は正しくぶつからないし、解消もされない。騒ぎは大きくなるばかり。
ちなみに私はバリバリの鯨なんか食ってまえ派です。
イルカ漁を反対するシー・シェパードも悪人ではない。このイルカ反対活動そのものが彼等のプロパガンダになり、それによって寄付金などの収入を得ているエコノミックな面はあるだろうが、イルカ漁をやめさせたいという彼等の熱意は伝わってくる。その根拠は「鯨・イルカは知能を持った高級な生き物であるから」。鯨やイルカは勿論、鶏や兎ほどバカではないだろうが、彼等が独自のイルカ語を持っているなどは、実は科学的には解明されていない「ぼやーっ」とした物らしい。そもそも、「賢い動物」という観点その物が「その動物の何を賢いとするか」という点によってバラつきがあるものであり、「賢い動物」というのはかなり茫洋とした概念にすぎない。そういう具体性のない物を根拠にするのは単なる感情論ではないかと思う。私は人間が人間以外の動物や植物を犠牲にして食べる事はそういうシステムで生物が作られているのだから、善悪で考えてもしょうがないと思っている。何を食べてもいいのだと思ってる。但し、諸事情があるから共食いは止めましょう。あと、絶滅種作成に寄与するような食べ方も未来の事を考えてやめましょうと思っている。シー・シェパードは「賢い生き物を食べるのはやめましょう」とは言うものの、「賢くない生き物を食べる事に問題はないのか」という論争には踏み込んでこない。賢い・賢くないが生殺与奪の観点になるのなら、犬と豚では豚の方が賢いというリポートだってある。でも、あんたら豚は食うけど犬を食ったら怒るだろ。
シー・シェパード以外の環境団体は太地町がイルカを斬殺し、絶滅に追い込んでいるような論調をSNSにあげ攻めてくる。でも、太地町が漁対象にしているのは絶滅危惧種以外のイルカである。この辺がすれ違っている。単に「殺している、殺している」と叫んでいるが違法ではないし、環境も悪くはしない。食べるための漁だからこれを非難するなら、牛や豚の「屠殺」をもっと騒いでもいいのではないか。ともかく、この「殺してる」コールが凄まじい物量でやって来て、太地町を「悪の観光地」として定着させてしまった。三千人の住民の町に対して全世界から「殺してる」コールが投げつけられる。単純に物量で勝てる訳がない。やはりここも感情論が論理を飛び越えてしまう。
私個人は鯨を食う事には賛成だ。
太地町を応援する派だ。
でも、捕鯨全面解禁になったからと言って鯨を食うかは別だ。
小学生の頃、給食で食った鯨に美味しい記憶がないからだ。
映画の中でも太地町の住民だが「俺は食わないね、それは不味いから」
と堂々と言う人間のインタビューがちゃんと残ってるのが面白かった。
「正義の反対は悪ではなく別の正義。」 というコピーはとてもクレバー。
【銭】
ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・おクジラさま ふたつの正義の物語@ぴあ映画生活
▼関連記事。
・ザ・コーヴ@死屍累々映画日記(コメント・TBあり)
・ザ・コーヴ@死屍累々映画日記・第二章
・ビハインド・ザ・コーヴ@死屍累々映画日記・第二章
非常に冷静な映画で、偏見ありきで作られた『ザ・コーヴ』と、その反証で作られた『ビハインド・ザ・コーヴ』と比べると実に冷静に公平な視点で作られている。そもそも『ザ・コーヴ』が与太話の映画なので、『ビハインド・ザ・コーヴ』の時点で冷静さはあったのだが、今回の映画は更に冷静。
悪意があって(としか思えない)町を陥れようとしている問題発端となった『ザ・コーヴ』製作者達を除けば、対立してるけどみんないい人である。でも、対立軸は正しくぶつからないし、解消もされない。騒ぎは大きくなるばかり。
ちなみに私はバリバリの鯨なんか食ってまえ派です。
イルカ漁を反対するシー・シェパードも悪人ではない。このイルカ反対活動そのものが彼等のプロパガンダになり、それによって寄付金などの収入を得ているエコノミックな面はあるだろうが、イルカ漁をやめさせたいという彼等の熱意は伝わってくる。その根拠は「鯨・イルカは知能を持った高級な生き物であるから」。鯨やイルカは勿論、鶏や兎ほどバカではないだろうが、彼等が独自のイルカ語を持っているなどは、実は科学的には解明されていない「ぼやーっ」とした物らしい。そもそも、「賢い動物」という観点その物が「その動物の何を賢いとするか」という点によってバラつきがあるものであり、「賢い動物」というのはかなり茫洋とした概念にすぎない。そういう具体性のない物を根拠にするのは単なる感情論ではないかと思う。私は人間が人間以外の動物や植物を犠牲にして食べる事はそういうシステムで生物が作られているのだから、善悪で考えてもしょうがないと思っている。何を食べてもいいのだと思ってる。但し、諸事情があるから共食いは止めましょう。あと、絶滅種作成に寄与するような食べ方も未来の事を考えてやめましょうと思っている。シー・シェパードは「賢い生き物を食べるのはやめましょう」とは言うものの、「賢くない生き物を食べる事に問題はないのか」という論争には踏み込んでこない。賢い・賢くないが生殺与奪の観点になるのなら、犬と豚では豚の方が賢いというリポートだってある。でも、あんたら豚は食うけど犬を食ったら怒るだろ。
シー・シェパード以外の環境団体は太地町がイルカを斬殺し、絶滅に追い込んでいるような論調をSNSにあげ攻めてくる。でも、太地町が漁対象にしているのは絶滅危惧種以外のイルカである。この辺がすれ違っている。単に「殺している、殺している」と叫んでいるが違法ではないし、環境も悪くはしない。食べるための漁だからこれを非難するなら、牛や豚の「屠殺」をもっと騒いでもいいのではないか。ともかく、この「殺してる」コールが凄まじい物量でやって来て、太地町を「悪の観光地」として定着させてしまった。三千人の住民の町に対して全世界から「殺してる」コールが投げつけられる。単純に物量で勝てる訳がない。やはりここも感情論が論理を飛び越えてしまう。
私個人は鯨を食う事には賛成だ。
太地町を応援する派だ。
でも、捕鯨全面解禁になったからと言って鯨を食うかは別だ。
小学生の頃、給食で食った鯨に美味しい記憶がないからだ。
映画の中でも太地町の住民だが「俺は食わないね、それは不味いから」
と堂々と言う人間のインタビューがちゃんと残ってるのが面白かった。
「正義の反対は悪ではなく別の正義。」 というコピーはとてもクレバー。
【銭】
ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・おクジラさま ふたつの正義の物語@ぴあ映画生活
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・ザ・コーヴ@死屍累々映画日記・第二章
・ビハインド・ザ・コーヴ@死屍累々映画日記・第二章
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