
▲ムカデ人間やるとしたら土屋太鳳はつらいポジション
五つ星評価で【★★不思議な映画。明らかに嫌いな部分があるので点は辛目】
ジャンルで言うとコメディーになると思うが、意図的に記号として埋められているコロコロチキチキペッパーズ・ナダルの薄い美声や、これ見よがしの池田エライザのスマイル、矢本悠馬軍団の画一的なナーズ芝居とかを除くと、物語的なコメディー要素は低い。通常のコメディー作品のように、ドラマを引っ掻き回す異常な人間や異常な設定が用意されていない。にも関わらずコメディーのように見えるのは中央に位置する間宮祥太朗と土屋太鳳の丁々発止のやり取りが内容は別にしてテンポが異常にいいからだ。この内容とは無関係のテンポの良さはアレに似てる。オリエンタル・ラジオのネタ「武勇伝」だ。ネタの当たり外れ関係なく、押せ押せテンポが脳内麻薬を排出させる。この映画は漫才・コントのリズムネタを映画98分一本に凝縮させたリズムネタ映画だ。
なので、それを成立させた中心ユニット間宮祥太朗&土屋太鳳は凄い偉い。
間宮祥太朗、『帝一の國』『お前はまだグンマを知らない』と同一人物に見えない。引き出し多すぎ。
土屋太鳳はカマトト芝居でどちらかと言うと苦手な役者なのだが、この映画の土屋太鳳に関しては積極的に褒めたい。ちゃんとやってる。面白い。これ、素に近いんじゃないだろうか。
土屋太鳳を誘うイケメン部長の高杉真由。「イケメン」という設定しかない役。いーんか、それで。
池田エライザなんて要所要所、微笑むだけの役。いーんか、それで(あ、変にオッパイのでかさが気になるようなスタイリングしてる)。エライザはもうちょっと恋バナの線を広げようとしつつ、バッサリ切ったみたいだが、そこにいるだけの人間として深く扱う気のないキャラなら、回収されない恋バナの伏線とか中途半端に貼らず、もっとキッチリ、ネタ要員として機能させるべきだったのではないか?
間宮祥太朗と土屋太鳳のベシャリはいいのだけど、「鳥人間コンテスト」の映画化として本当にこれで良かったの?という疑問はとても強く感じる。中心になるパイロット3人(体育会系)を支える約100人の理系メンバーが一切の人格を認められていないのは不快だ。パイロットに奉仕する働き蟻みたいな描かれ方をしている。こっちにも熱いドラマはある、と言うより本当はこっちのドラマの方が熱い筈なのだ。でも全て捨てた。潔いが、あまりその選択に拍手を送りたくない。一生懸命な奴が成果を評価されないというのは単純にストレスがたまる。あと「鳥人間コンテスト」で、前走者チームがちょっと出てくるだけで他のチームが一切出てこない。分からん。これでは「鳥人間コンテスト」がどんなものなのか全く分からんだろう。ルールの解説もしないし、何が最高到達目標かも話さないし、何故、飛行禁止区域が設けられているかも分からない。いや、もうちょっとちゃんとやろうよ。コメディーとは言え、マルクス兄弟みたいにギャグの間をドラマで埋めるようなコメディー映画じゃないんだから。
って事で「すげえうめえイクラ丼を作ろうとしたのに、土台のご飯を赤飯を使って硬炊きしちゃったので、全体はボロボロだけどイクラだけ掬って食べれば美味しい」みたいな、おめ、例えが分かりづらいよな映画でした。
【銭】
ユナイテッドシネマの有料入場ポイント2ポイントを使って800円割引の1000円で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
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PS 坂場先輩と二人で殺し屋になる『トリガーガール』を作れ!