◆『マイ ビューティフル ガーデン』

▲特に展開に関係ないが瞳が緑だなあ。
五つ星評価で【★★★演芸版アメリ】
変わり者のベラは無秩序に乱雑に成長する庭の草花木々などの植物が大の苦手。だが、彼女は庭の手入れを一月の間に終えないと立ち退かなければいけなくなってしまう。彼女はいやいやながら隣人の偏屈なガーデニストの老人に助力を仰ぐ。
隣にいるのが海原雄山で主人公がコミュ障の「過保護のカホ子」という組み合わせの庭映画。主人公は鈴木杏樹にも似てるし、昔いたポップスグループyoyoyoボーカルのCHIEちゃんにも似てる気がする。まあ、主役は美人の方がいいよ。個人的には彼女の「コミュ障」部分をもうちょっと「強めの発達障害」のように描いてもよかったのではないかと思う。海原雄山のような爺さんは怒りさえしなければ魅力のある人物で、みな仲直りして大団円という実に予定調和のラストカットを迎えるが、別にそれはそれでいい。映画の全てが何が何でも意外なラストで終わらなければいけないという訳ではないから。
とは言え、ヒマワリくらいはラストで使ってやっても良かったんじゃないの?(いや、おでが見逃してるだけか?)
彼女の兄代わり、恋人になる野郎はどっちもちょっくら、いけ好かない。
◆『未来よ こんにちは』

▲ミライ・ヤシマではない。
五つ星評価で【★★これでもかと自分と接点のない話】
主婦で哲学教授のイザベル・ユペールが子供は独立し、親は介護ホーム入り、夫は女を作って出て行き、思いもかけずに一人になり、自分のこれからの人生を模索する、という何だかそらそうなんだけど全く接点がないから「うん、まあ、そう悩みもせずに普通に暮らしてるんだね。それはそれでいいんじゃない」としか思わんかった。あまり一人になる前と一人になってからで大きな変転があったというメリハリが強くないし。で、イザベル・ユペールの筋だった横顔とか観て、「失礼だけど、ちょっと天本英世に似てたりするんじゃないか」などとボーっと考えていた。甚だ失礼である(似ていようが似ていまいが)。
主人公が入った映画館でソフト痴漢に会うのだが、そこでかかってた映画がビノシェの『トスカーナの贋作』。なんかハリウッド映画のシネコンでなく、場内しっかり暗くしてくれるミニシアター系映画というのがリアル。うん、でも、『トスカーナの贋作』では興奮せんぞ。関係ないのか痴漢には。
◆『台北ストーリー』
五つ星評価で【★おらあもうダメだ】
どんなにこれを推す人がいても全く毛ほども感情が震える事なし。
「これが分からない奴は××だ!」
という誹りも甘んじて受け入れようと思う。
それほど全く震えなかった。
◆『タレンタイム 優しい歌』

▲噂の二人っぽいカットだが、もうあまり細かく覚えていない。
五つ星評価で【★★音楽コンクール映画】
「タレントタイム(芸能的な才能発掘の場)」という事なのね。
人生の出会いと別れみたいなのがテンコ盛り。
恋人の話を語るのに多民族他宗教国家だと
家族まで語らなければいけないので
良く言えば「無意識に奥深い」、悪く言えば「無駄に繁雑」。
ごくごく冷静に見てしまったのは、世界が縁遠いという事と、
メインを張る女の子が好みじゃなかったからだろう。
◆『ラビング』

▲♪白くたって黒くたって縞馬だって~みんなみんな生きているんだ友達なんだ~
五つ星評価で【★★描かれるのがそことは思わなかった】
白人の旦那と黒人の妻の愛の物語。
裁判闘争主体の話になるのかと思ってたのでちょっと期待外れだった。
いやーなんかーその辺は普通の夫婦生活の機微みたいなもんだから
今更じっくりやらんでも。
◆『たかが世界の終り』

▲手前。激怒して緑色の大男ならぬ美女と野獣の野獣になってしまいそうなヴァンサン・カッセル。
五つ星評価で【★★★ドランは苦手】
ドランってほんとまあ大袈裟にメソメソしやがってみたいな印象で、この映画でもそれは変わらなかった。もう、ヴァンサン・カッセルの兄貴がうっとうしい。屑の頂点みたいな役(物凄いキャリア。こういう人いたら首絞めたくなると本気で思わせるナイス演技、、、でもイライラする)。おめーらちゃんと対話しろよ。おしろい塗った悲劇のホモが「あたしって、なんて、なんて、可哀想!」と絶叫するのをスタイリッシュに撮った映画。それでも可哀想の内容が生死とその生死という大きな出来事すら乗り越えられない家族間の不和にあると言うのは、ちょっと心を動かされそうになるのだが、何かそういうのをドランが陰からほくそ笑んで笑ってる気がして、何か、やっぱりちょっとイヤだ。
◆『エリザのために』

▲左が父ちゃん、右がエリカ。日本のドラマだと心とか入れ変わりそうなスナップショット。
五つ星評価で【★★★田沼意次肯定映画】
映画で母性愛が描かれる事は多いが父性愛が描かれる事は少ない。何が過酷ってボロボロになって全てを失っても父ちゃん尊敬されないしロクな目に会わない。そら作られないわ。断絶深すぎる。まあ、娘を助けるためにありとあらゆる不正な手段を使う父親というのも題材の取り方が普通じゃないけど。
◆『未来を花束にして』

▲これもミライ・ヤシマではない。
五つ星評価で【★★★どっしり感のあるキャリー・マリガンの夫に華奢なベン・ウィショー】
奴隷は黒人だけにあらず、女性参政権に取り組んだ女たちを描いた映画。たかだか百年前にこんな前近代的な施政が敷かれていたとは。女性参政権を獲得する為に「はぐれママさん」がゲリラ化していくというのは、こう、字で書くとまるで冗談のようだ。
「未来を札束にして」くれてもいいな。
◆『わたしは、ダニエル・ブレイク』

▲まろやかな荒井注っぽい男ダニエル・ブレイク。
五つ星評価で【★★★「ダニエルブレイク」ってヒーローの必殺技っぽい】
彼は、ダニエル・ブレイクだった。
「ベクトルが正反対の『生きる』みたい」とツイッターで呟いてるよ。
だからきっと、そういう映画だったんだろう。
【銭】
ギンレイホール、会員証で入場。
『マイ ビューティフル ガーデン』&『未来よ こんにちは』で一番組。
『台北ストーリー』&『タレンタイム 優しい歌』で一番組。
『ラビング』&『ムーンライト』で一番組。『ムーンライト』は時間を捻出できず断念。
『エリザのために』&『たかが世界の終り』で一番組。
『未来を花束にして』&『わたしは、ダニエル・ブレイク』で一番組。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・マイ ビューティフル ガーデン@ぴあ映画生活
・未来よ こんにちは@ぴあ映画生活
・台北ストーリー〈4Kデジタル修復版〉@ぴあ映画生活
・タレンタイム~優しい歌@ぴあ映画生活
・ラビング 愛という名前のふたり@ぴあ映画生活
・エリザのために@ぴあ映画生活
・たかが世界の終わり@ぴあ映画生活
・未来を花束にして@ぴあ映画生活
・わたしは、ダニエル・ブレイク@ぴああ映画生活
▼ちょっと本数増えてきたから初期TBとコメントは今回付けない。付けてるといつまでもUPできない。