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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『仁光の受難』を角川シネマ新宿2で観て、これはえげつない変映画★★★


随所にアニメが挿入されますが実写映画です。

五つ星評価で【★★★スッキリはしないが、とりあえずすげーもん見たと心地よい疲労感】
「勤勉な修行僧、仁光の悩みはめちゃくちゃモテること。」という
チラシのコピー通り、僧侶の癖にモテてモテて修行が身に付かない仁光(にんこう)。仁光が煩悩と戦い、組み伏せられながらも修行の旅に出たある寒村で宿命の相手に出会うまで。

仁光の「モテりょく」が人のレベルを超え、「あやかし」と称されるのが面白いながらも切なく、そして怖い。
煩悩を抑制する事で更に高まるモテりょく。もう、地獄への一本道まっしぐらなのだけど、融通が利かないなあ、と。「適当にやる」というのは良く言われないが、実は思った以上に生活を守る美徳なのかもしれない。その美徳が備わっていないと悲劇になる。仁光が高田純次なら何の問題もなかったのに。いや、高田純次は「適当を極めている」であり、それはそれで又、人の生きる姿勢とは違い、新たな悲劇を産むかもしれないが。

ラスト仁光も含めて、人かどうか分からぬ「あやかし」三体が邂逅する。
この時の情動の流れが『うしおととら』の妖怪譚のようでステキ。
基本、仁光と「あやかし」が接触し、仁光の底知れなさが分かる所が凄く興奮する。そこがこの物語の核だろう。ずっと和奏で流れるラベルのボレロのラスト、急転直下全てが瓦解する演奏に相当するカタルシス。

面白いと思いながらも、全編、仁光僧がずっと苦悩してる顔が映りっぱなしなので居心地は良くない。
この仁光僧のモテ外観は許せるが、その他の僧侶がそんなに格好悪くないのは良くない。落差をガツンと示せるくらい、他の僧侶が芋とか南瓜にしか見えない人選にすべきだったと思う。そこが不満だ。それとラストは突き放して終わったな、と。もう一つ何かサゲを作るべきだったんじゃないかな、と思った。

でも、全体のもの狂おしく気が狂ってる感はこの映画特有で、そこはきちんと「素晴らしく狂ってましたよ」と言ってあげたい。曼荼羅がカーマ・スートラのようになっていくなんて奇想ふつうじゃ思い付かないよ。


【銭】
角川系水曜1100円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
仁光の受難@ぴあ映画生活
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