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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『魚河岸帝國』『闘争の広場』をシネマヴェーラ渋谷で観て、いやあ文化だ文化だ

特集上映「新東宝のもっとディープな世界」から1プログラム。

◆『魚河岸帝國』
五つ星評価で【★★★★見所満載】
1952年、モノクロ、96分。
新聞の採用記事を見てやって来た大卒の田崎潤は築地市場で鮮魚を運ぶオート三輪のトラック運転手をまとめ上げる「魚河岸帝國」と呼ばれる叩き上げの社長山村聡に雇われる。そこは柄の悪い伊藤雄之助や女に手を出した破門僧・千秋実など札付きのたまり場で、田崎潤は同僚とも社長ともぶつかりながら仕事に根付いていく。
場内貼りのポスターに『決斗勝閧橋』となってたので後から改題公開されたのかもしれない(ピンク映画おなじみのやり方である)。
で、まあ、見どころ満載だ。
1952年の魚河岸市場、場所は築地。
船から魚が積みだされ、市場で競られ、仲買人に買われて、最後に店に売られて行くまでが描写されてる。ドキュメンタリー『築地ワンダーランド』みたいだ。主人公がオート三輪を使って運び出すのは仲買人から店までの配達。
築地の当時の風景、蠢く人だらけ、人は速足か走り、大混雑、ちょっとコミケっぽい(そういや昔の会場の晴海も近い事だし)。
人だらけの築地をスピード規制を違反して走るオート三輪の疾走感。
タチの悪い伊藤雄之助(いつも通り貧乏人が絶品)が騒いですぐ始まるケンカ。
思ったよりラブ三昧であちこちで咲きそうで咲かなかったりして最後にはやっぱり咲く恋の花。
そんな中、田崎潤が大卒なんぼか(会社追い出されたので新卒ではない)の状態なのに、もう全然「神宮寺艦長」と変わらない容姿に容貌が出来上がっているので若者としてのフレッシュ感が毛ほどもない。まあ、不器用な朴訥さは出てた。
若者として台頭してくる田崎潤を押さえつける暴君社長・山村聡は禿ヅラで叩き上げで日雇い労働者の親方だ。酒を飲んでDVも辞さない星一徹風と言おうか、金持ってる丹下団平テイストと言おうか、あんなん父ちゃんだったら人情持っててもイヤはイヤだな。威張る、威張る、昔のワンマン社長はこんな感じだなな威張り方でいっそそこは気持ちいい感じもするが、やっぱ身内にいたらイヤだな。
その育ちの悪いワンマン社長を横目て見ながら会社乗っ取りを企む大卒の専務は役者誰だか知らないがサンドイッチマン伊達に似てる。見るからに信用できない顔立ちで「ニタ~」っと笑う。うん、外見はサンドイッチマン伊達だ。ごめんごめん。
そして最終的に田崎潤と恋のゴールインする女優は多分、花柳小菊さんという人らしいんだが、全然知らん。田崎潤のオート三輪に同乗して「スピードが遅いわ」と横から運転に口出ししてアクセル噴かせた挙句、事故って、田崎潤に入院代を支払わせるのだから、私に言わせればトラブルその物の自己中女としか思えないのだが、田崎潤頭がおかしいのか惚れてしまう。流石キチガイ艦長・神宮寺。
この頃、勝閧橋の橋桁はまだ固定されていず、船の通行によって開いたり閉じたりしていた。その映像も見れるし、開いてる勝閧橋の端から端にジャンプで渡るオート三輪みたいなアクション・シーンもある。勝閧橋を再度開かせるって、理由は忘れたが劇場版アニメっ側の『こち亀』でやってたよな、確か? 

満腹感強くて、いい映画でした。



◆『闘争の広場』
五つ星評価で【★★★労働争議映画】
1959年、モノクロ、80分。
勤務評定を巡って文部省と日教組が激しく対立し、教師がストなどを行う中、その労働争議を教師側から描く。うーんとまあ、アカの映画だ。こんな題材で映画撮ってたりしたのね。文部省に繋がる教育委員会が(一部善人はいるものの)ブラック労働を押し付けて教師の人間性を踏みにじる悪者として描かれてる。これ今の右傾化社会だったら逆の視点で描かれそうだ。
主役のとてもいい教師役に沼田曜一。「先生」は先生でも医者役を演じた『天国はどこだ』に通じる所があるのだが、私、この人の顔を見て善人とは思えないのだよなあ。『地獄』で気持ち悪くなるようなゲス野郎を演じたあの顔の方が本当だと思う(もちろん本人の真実の姿としてではなく、役者の役の到達点として)。



【銭】
通常二本立てて興行価格1500円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
魚河岸帝國@ぴあ映画生活
闘争の広場@ぴあ映画生活
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