フィルムセンターの企画上映。映画の教室2017下
全五回で今回のお題は「色彩の探求」
四回目は「イーストマンカラー②」で、お題を満たす映画は1955年溝口健二の『楊貴妃』。申し訳ないけど、中華圏のお家騒動みたいな話にどうにも乗れず。
溝口の『楊貴妃』は初見。
ここんとこチョコチョコ見だしたが、元々、溝口は『雨月物語』くらいしか見てなかった。これは溝口初のカラー映画で、発色を逆に抑え,落ち着いた色調。
京マチ子演じる楊貴妃が本人はいい人なのに、皇帝のお手付き用として大奥に献上され、彼女を取りたてた周りの者の素行の悪さに足を引っ張られ最後まで不運に扱われる。ちなみに皇帝は「ミスター色男金と力はなかりけり」森雅之。なんかこの人はいつも自分の人生思い通りに行かない役だらけな気がする。あと、山村聰が京マチ子側の癌みたいな役どころ。ああそうか『雨月物語』で『羅生門』の二人なのか。
香港・日本合作だが、題材が中国というだけでスタッフ・キャストに香港の影がパッと見で見えない。出資と配給だけなんだろうか? 「楊貴妃」なんて世界三大珍味もとい世界三大美人くらいという情報しか知らない。細かいエピソードすら知らないのでツイッターに「チャイナ大奥大悲劇」と書いたけど、やはりあまり親身になれない中国の話はどうも身が入らんなあ、という感じ。
【銭】
フィルムセンター一般入場料金520円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・楊貴妃@ぴあ映画生活