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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『否定と肯定』をトーホーシネマズシャンテ1で観て、だが俺はもっと血を求めている(ネタバレあり)★★★


▲存在感抜群。

五つ星評価で【★★★血を求めている】
バリバリネタバレします

すんげえ知的好奇心を満たしてくれた。

特に面白かったのは二点。

(1) 裁判終了後、負けたアーヴィングがTVで全く変わる事なく自説を披露している。今回の裁判では負けたが、その一回の負けでアーヴィングが変わったりはしない。必要とあれば又、仕掛けてくるに違いない。裁判に勝とうが負けようが、声の大きい者の意見がマスコミで拡散される構図は何一つ変えられていない。

(2) 裁判に負けたアーヴィングがリップシュタルト側の弁護士に握手を求め、弁護士がそれを無視する所。
アーヴィングからしたら「裁判が終了しました。結果はどうあれ、私達はよく善戦しあいました」という意図の握手であろう。この意図その物はおかしくない。ただ、その内容はともかく、握手を受けてしまう事はアーヴィングがリップシュタルトと同列である事を印象付けられる行為でもあるのだ。抜け目がない。求めたアーヴィングも、拒絶した弁護士も。

判決はアーヴィング(原告)側の敗訴となったが、かなり危ない局面だった。
リップシュタルト(被告)はアーヴィング(原告)の賢さ(意図的な改竄行為)に助けられる。アーヴィングが意図的な曲解によって真実を捻じ曲げるような輩ではなく、もっと愚かで他者の受け売りをそのまま垂れ流すような差別主義者だったとしたらリップシュタルト側は負けていたかもしれない。同じような敵対行為をしているにもかかわらず扇動者の資質で裁判結果が変わり兼ねないところに裁判の弱さを感じた。そして、この敵のある意味「正しくはないが有能な点」を信じる事によって、リップシュタルト側の勝利が決定する展開は映画『カイジ 人生逆転ゲーム』でカイジ藤原竜也がトネガワ香川照之を信頼して地獄に落とす所を思いだした。

やはり、面白くはあるのだが、スカっとはしなかったな。
なんつか、勧善懲悪すぎてもいない。
敵がのうのうと生き残っている。
『ミナミの帝王』みたいに負けた者は身ぐるみ剥されて、遠洋漁業で重労働とか、腎臓売るとか、それくらいの絶望感を与えてこそ、溜飲が下がるのではないか。そこがちょっと不満だったな。まあ、我ながら性格の悪い話ではあるけど。


【銭】
2017.12.17から一か月間トーホーシネマズのフリーパス使用その一本目。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
否定と肯定@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
否定と肯定@yukariの映画鑑賞ぷらす日記
否定と肯定@ここなつ映画レビュー
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コメント

こんにちは

こんにちは。
確かにご指摘のように、
>アーヴィングが意図的な曲解によって真実を捻じ曲げるような輩ではなく、もっと愚かで他者の受け売りをそのまま垂れ流すような差別主義者だったとしたらリップシュタルト側は負けていたかもしれない。
と思いますし、ラストの「…引っ張りやがって!」と心の中でつい舌打ちしてしまう判決の前の裁判長自らの質問も、それを試すような質問でしたね。
ところでもしかしたら、
頭のいい人たちが地道な作業も厭わない、というのが裁判の松陰なのかもしれません。

  • 2017/12/20(水) 14:37:00 |
  • URL |
  • ここなつ #/qX1gsKM
  • [ 編集 ]

Re: こんにちは

こんちは、ここなつさん。

> ところでもしかしたら、
> 頭のいい人たちが地道な作業も厭わない、というのが裁判の松陰なのかもしれません。

それが裁判の勝因と結論付けられるなら、少し未来は明るいですね。しかし、歴史は変えられてしまう。絶滅収容所はなかったと言いだして通ってしまうって怖いわあ。日本だって慰安婦や南京大虐殺は分からんから似たり寄ったりだけど。人が残っていて時代が変わる前に歴史を整理しておく必要があるのですよね。

  • 2017/12/20(水) 23:25:17 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

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