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『リバーズ・エッジ』『パディントン2』『祈りの幕が下りる時』『最低。』『咲 阿知賀編』

最近見た5本をまとめてレビュー。

◆『リバーズ・エッジ』ユナイテッドシネマ豊洲9

▲やあまだ(左)と若草さん(右)。若草さんって何かいやらしげな名前だと思う。帽子もゴムっぽいし(難癖だろ)。

五つ星評価で【★★★なまくら刀で滅多打ちにされるような映画】
原作未読。
主要登場人物は2人の男の子と4人の女の子。だが、製作委員会がこぞって作りたがるようなS男とM女の壁ドン・ラブストーリーではない。男のうちの1人は男性として機能しない事からも、恋愛映画としての側面はゼロではないが、とてもバランスが悪い(主要登場人物内で恋愛関係は二つあるが観客側から恋愛関係に見えない)。これは個々のアイデンティティが何に根差しているかを集団内で描いた映画ではないかと思う。キャラ設定がしっかりしているので、主演は二階堂ふみだが、出演ウェイトを下げて他の人物をメインに据える事も可能かと思う。
 ① 若草さん=二階堂ふみ:クール女。人や物に対する執着が少なく周囲とは360度均等に接している。
 ② 観音崎くん=上杉柊平:リーダーシップを取りたがるバカタイプ。SEXと暴力を止められない。①のステディ。③に手を出している。④をイジメている。強がっているが女にはいいように扱われ、そのストレスが暴力として噴出してるように見えなくもない。
 ③ ルミ=土居志央梨:学生生活を無難に楽しく暮らす快楽主義者。①の親友だが②と出来ている。①とは対等な関係。②に対しては見下す傾向あり。おそらく外見の悪い姉貴に対するコンプレックスから武器としてSEXを使う事に躊躇がない。
 ④ 山田=吉沢亮:②のイジメの被害者。①と⑤に対して心を開いている。⑥については偽装恋愛関係だが⑥はその事に気が付いていない。自分が認める存在とは付きあえるタイプ。
 ⑤ こずえ=SUMIRE:孤高の読モ。肉体への信頼度薄く壊れてしまえばいいと思いがち。①と④のみ薄い友達付き合い。
 ⑥ カンナ=森川葵:④のステディであるが、④は好意を持っていないので扱いが悪い。④が①と恋愛関係にあると憶測している。

(①②③),(①④⑤),(⑤⑥)と言うのが仲良し関係の組み合わせ。関係内に破滅因子を含む。

二階堂ふみは乳首を出す事で宮崎あおい類似品の呪縛を立ち切った。
森川葵の壊れる演技は鉄板すぎて素晴らしい。
森川葵くん、君も乳首を出していいんだよ。


◆『パディントン2』109シネマズ木場8

▲「さぁ~ぷらぁ~いず!」

五つ星評価で【★★★★★幸せの塊】
すんげー面白い。
礼儀正しいとか親切とかって何て楽しいんだ。
いや、そこもそうなのかもしれないけど伏線の解消具合がとてつもなく気持ちいい。
前作に比べるとパディントンの熊っぽさがいい意味で薄れた。
ゆるキャラっぽくなったと言えばいいのか。
ずっと喋り続けの松坂桃李くんは御苦労様です。
せっかくなので前作から引き続き吹替え版で観たが、全然支障がないのだけど不倫騒動で斉藤由貴が降板してしまったのは残念。無実の罪のパディントン同様、家族なら信じて起用すべきではないのか? いや、本当に罪を犯した者には厳しいという事か(刑事犯罪ではないけど)。ただ、それでも映画のヒュー・グラント様よろしく斉藤由貴も刑務所内(もしくはそれに似た施設)などでミュージカルを歌って踊っていくれるのなら、ちょっとは心が晴れるのだが、捕まっていないからなあ。今から捕まえて有罪にして貰えますかね。


◆『祈りの幕が下りる時』トーホーシネマズ新宿4

▲ちょっと夫婦漫才っぽい二人。

五つ星評価で【★★★★大衆芸能的に観客を楽しませる一本】
TVシリーズ『新参者』は未見。
ああ、ベタに面白かった。
阿部寛演じる主人公、加賀恭一郎のドラマよりは、やはり松嶋菜々子側のドラマに惹かれる。そらあやっぱり「超綺麗」な美人には惹かれるっしょ。松嶋菜々子も凄くチャレンジフルな演技をしていたが、その子供時代を演じた二人の子役も素晴らしかった。私は頭がピンボケなんで、この三人の連携に全然違和感を感じなかった。それにしても一番若い桜田ひよりちゃんって『脳内ポイズンベリー』の「衝動」のあの子か。大きくなったなあ。

昇太師匠の下品に甘い感じなのに必要以上によく通る声は好きよ。


◆『最低。』下高井戸シネマ

▲高岡早紀ってほんまもう。

五つ星評価で【★★★悪くはないが、着地点は本当にこれでいいのか?】
三つのドラマパートから成り立ち、三つは軽い接点を持つ。

①佐々木心音 AVが天職と信じる嬢の日常と親バレ
②森口彩乃 出口のない日常からAVに逃避した主婦
③山田愛菜 元AV嬢の母の噂に振り回されるJK

等しく無名で顔に覚えがない三人を激しくスイッチングして撮りだしたので冒頭かなり誰が誰だか分からずに混乱した。
②の女優の覚悟がひしひしと迫ってくるような強い視線が印象的。視線が強いのは③もだが。

渡辺真紀子と根岸季江がWで出てくると、おー随分女優張り込んだなあという豪華な空気を感じてしまう。
と言う中、一番は「元AV女優の親」という役柄をあたかもそうであったかのように軽々と演じた高岡早紀である。凄い説得力。これはキャスティングの勝利と言うしかない。


◆『咲 阿知賀編』シネマロサ2

▲勢揃い。ゲイ揃いじゃなくてよかった。

五つ星評価で【★★★前作よりは落ちてしまう】
前作の麻雀トーナメントを別の高校目線で描く第二弾。
なので「咲」だけど咲が出てこない。
なんか『結城友奈は勇者である』みたいだな。

今作も前作同様、女子高生が麻雀を豪快に打つ打つ。
プロもビックリの特殊技能同士の戦いが見られる。
このマンガ原作ならではのありえない技術と技術のぶつかり合いが面白い。
ただ前作と比べると今作の方がよりオカルトに、より非論理的な技が増えたように思える。
そんなありえない技の応酬に対して、勝敗は嘘に嘘を重ねても構わないので、観客を納得させる説得力が大事なのだが、今回はそれを諦めて「勝ちそうな空気」「負けそうな空気」で処理してしまった。それはとても残念だ。

阿知賀高校では主役を演じた桜田ひよりがやはり可愛い。えっ、『祈りの幕が下りる時』の、、、、、っつか、『脳内ポイズンベリー』の「衝動」のあの子か。
キャラで良かったのは「捨て石」を知りながら凹まずに勇猛果敢に勝負に挑む新道寺・花田煌の矢野優花がかっこ良かった。
その新道寺をギタギタに痛めつける白糸台の絶対女王、宮永輝の浜辺美波にもビックリだ。浜辺美波なのかよ。咲役でチョコっと出演とか思ってたら、キャラの作り込みを物凄くやってきて、外見が全く変わったから浜辺美波と気づけなかったという。すげーな。


【銭】
『リバーズ・エッジ』:ユナイテッドシネマズ、金曜メンバー1000円。
『パディントン2』:チケット屋で額面1400円のムビチケを1080円でGET。その後900円まで下がったの見て軽く地団駄踏んだ。
『祈りの幕が下りる時』:映画ファン感謝デーで1100円。
『最低。』:下高井戸シネマ火曜1000円均一。
『咲 阿知賀編』チケット屋で額面1400円のムビチケを1180円でGET。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
リバーズ・エッジ@ぴあ映画生活
パディントン2@ぴあ映画生活
祈りの幕が下りる時@ぴあ映画生活
最低。@ぴあ映画生活
咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
リバーズ・エッジ@ノラネコの呑んで観るシネマ
リバーズ・エッジ@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
パディントン2@或る日の出来事
パディントン2@SGA屋物語紹介所
パディントン2@yukarinの映画鑑賞ぷらす日記
祈りの幕が下りる時@映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A@徒然なるままに
▼関連記事。
パディントン(一作目)@死屍累々映画日記・第二章
麒麟の翼(祈りの幕・前作)@死屍累々映画日記・第二章
咲(一作目)@死屍累々映画日記・第二章
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パディントン2

【概略】 今やすっかり‘ロンドンっ子’となり、ブラウン一家の人々と幸せに暮らしているパディントン。育ての親のルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントを探していたパディントンは、ステキな飛び出す絵本を見つける。世界にひとつの絵本を買うお金を貯めるために、働き始めるパディントン。ところがある日、絵本が盗まれ、現場に居合わせたパディントンが、容疑者として逮捕されてしまう。それは、絵本に隠された...

リバーズ・エッジ (2018)

「ひょっとして…」とは思ってたのですが、やはり、原作は、岡崎京子の同名名作コミック、だったのですね。1993年に雑誌「CUTiE」で連載されていた岡崎京子の同名漫画(ちなみに、同じ岡崎京子の映画「ヘルタースケルター 」、「Pink、ヘルタースケルター 」の原作には接していました)それを、行定勲監督が映画化。二階堂ふみが自由に生きようとする高校生役を演じた青春映画。遺体が河原にあるという秘密を...

祈りの幕が下りる時

東京都葛飾区小菅のアパートで、女性の絞殺死体が発見された。 部屋の住人・越川睦夫も行方不明になっている。 部屋のカレンダーには日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれており、それが刑事・加賀恭一郎の失踪した母親に繋がっていることが判明。 事件の鍵を握るのは、舞台演出家・浅居博美だった…。 人気TV刑事ドラマ「新参者」劇場版第2弾。

リバーズ・エッジ

女子高生・若草ハルナは、彼氏の観音崎がいじめる山田一郎を助け、お礼にと夜の河原に誘われる。 そこにあったのは放置された<死体>で、ゲイの山田と、後輩でモデルをしている拒食症のこずえは、それを宝物にしているのだという。 そんな2人とハルナは、奇妙な友情で結ばれていく。 一方、ハルナの友人ルミは、観音崎と体の関係を重ねていた…。 青春ドラマ。 R15+

パディントン2

誰に対しても礼儀正しく親切なクマのパディントン。 彼は、ロンドンのウィンザー・ガーデンで、ブラウン家の“家族”として幸せに暮らしていた。 ペルーのルーシーおばさんに誕生日プレゼントを贈るため、パディントンは働いてお金を貯めようと決意するが、無実の罪で逮捕されてしまう…。 ハートウォーミング・ストーリー第2弾。

こぐまの刑期と予算 マイケル・ボンド ポール・キング 『パディントン2』

1作目の感想で「また何年後かにはパディントンに再会できることでしょう」と書きまし

『パディントン2』(2017)

ロンドンの生活にも慣れたパディントン。ブラウン一家や近所の人たちとも仲良くし、すっかり溶け込んでいます。そんなある日、骨とう品やで素敵な飛び出す絵本を見つけたパディントンは、ペルーおばさんの誕生日プレゼントに相応しいと、これを買うためにせっせとバイトに励むのですが、実はこの絵本には隠された秘密があり、それを知ったある人物がこれを盗もうと骨とう品屋へ忍び込みます。これを偶然見かけたパディントン...

『咲/Saki 阿知賀編 episode of side-A』(2018)

「咲/Saki」の実写化プロジェクト第2弾!(第1弾はこちら)小6の時に高鴨穏乃と新子憧は転校生の原村和と出会い、上級生の松実玄を交え阿知賀女子学院で開設されているこども麻雀クラブで麻雀を愉しむようになるのだが、憧は麻雀の強豪中学へと進み、和は再び転校、そして穏乃は麻雀から遠ざかってしまう。しかし中3の時、和が全国大会の個人戦で優勝したことを知り、穏乃は名門校への進学を決めていた憧を説得し一...

コメント

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斉藤由貴さん、わたしは遠泳も素潜りもできません! と勘違いして辞退したのではないかと思われます。

Re: タイトルなし

> 斉藤由貴さん、わたしは遠泳も素潜りもできません! と勘違いして辞退したのではないかと思われます。

初代引田天功「私もです」

祈りの幕が下りる時

観終わった後、最初に思ったこと。

「雉も鳴かずば撃たれまい」

原作もそうなのかねぇ?

パディントン2

同じ熊なのに、破戒僧さんはこちらに似てるとは言われないね。

でも熊に似てるといわれても嬉しくないか。

Re: 祈りの幕が下りる時

> 「雉も鳴かずば撃たれまい」

ああ、あれですね。
「雉も中島なら撃たれまいに」
(中島家の雉はペットだから撃ってはならない)

原作は知らないっす。

Re: パディントン2

こんちは、先輩。

> 同じ熊なのに、破戒僧さんはこちらに似てるとは言われないね。

「同じ熊なのに」って「熊」と呼ばれた事はないよ。「レオナルド熊」でもないし。

ふじきさんに5点取らせるとは大したもんですなあ、パディントン。斉藤由貴が刑務所に入ったらやっぱりスケバン刑事になるのでは。熟女でも

Re: タイトルなし

こんちは、伍一どん。

そうね。「バーフバリ」も星四つだものなあ。「バーフバリ」もふもふできないからなあ。


> 斉藤由貴が刑務所に入ったらやっぱりスケバン刑事になるのでは。熟女でも

パディントンの世界は無理が効く世界なので、スリーピース着て長髪のサングラス刑事とか本当にいそうです。

こんにちは!

コメント&TBありがとうございました。

パディントンを見てたら幸せな気分に浸れるてのがいいですよね。
受刑者仲間のお助けシーンとか、兎に角「絆」の深さを感じる好品。

Re: こんにちは!

こんちは、ヒロ之さん。

> パディントンを見てたら幸せな気分に浸れるてのがいいですよね。
> 受刑者仲間のお助けシーンとか、兎に角「絆」の深さを感じる好品。

パディントンも「犬ヶ島」みたいなデザインだったら、モフモフでももうちょっと警戒せなあかんかな感が出るんですけどね。

こんばんは

>パディントン2

家族の役割が全部あとで伏線になってたとか、
ある意味でそつのない脚本に脱帽です
でもやはり刑務所の中が楽しいかな
「理想郷!」とかいってたけど(笑)あんな楽しそうな刑務所ったらない(いや、しらんけど)

Re: こんばんは

こんちは、makiさん。

> 「理想郷!」とかいってたけど(笑)あんな楽しそうな刑務所ったらない(いや、しらんけど)

ミュージカルで表現できるような空間は、娯楽空間ですよね。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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