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『ニンジャバットマン』『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』『ワンダー 君は太陽』『曇天に笑う 外伝2』『ジェイン・ジェイコブズ』

摘まんで5本まとめてレビュー。

◆『ニンジャバットマン』新宿ピカデリー8

▲♪ニンジャー、摩天楼キッズ、って曲なかったっけ?

五つ星評価で【★★★突き抜けてる部分が嬉しくもあり、悲しくもあり】
はっきり言ってよう分からん部分も多い。と言うのは、アメコミ読者鑑賞用に、アメコミ読者じゃないと分からないようなクスグリがいっぱい用意されてるからだ。つか、それはプロのシナリオライターならちゃんと一見さんでも分かるように紹介せえよと思うのだけど、扱い的には、『ウルトラマン・ザ・ムービー』の類にウルトラ兄弟が現われても「何だ、あのウルトラマンに似た赤い怪獣は?」とか思わないように、それは事前知識で知っておくべき事らしい。
えーと、そう言うの(いわゆるプロ向け作品である事)は事前に告知してほしいもんだ。客数減るから告知しないだろうけど。
うーん、そこまでアメコミ読者ではないよ。他の普通のお客同様。
正義の味方側バットマンと執事のアルフレッドは知ってる。ロビン役が4人いる。いや、一人のロビンしか知らんよ。どーも代替わりしてるらしい。代替わりしてるのにみんな一度に出てくるなんて、彼等同士の細かい事情は知らんが、どうも色々屈折してて、知ってる人にはそれがたまらないらしい。
悪役はゴリラ・グロッド(知らん)、デスストローク(知らん)、ジョーカー&ハーレイ・クイン、ペンギン、トゥー・フェイス、ポイズン・アイビー、キャット・ウーマン。実写映画に出ていたキャラは知ってるけど、今作がアメコミを準拠として作られているので細かい設定とか微妙に違いそうだ。まあ、数はいっぱい出てるけど、ジョーカーとゴリラ・グロッドを除けば、筋的にはにぎわかしのガヤなのであまり問題はないが。

ともかくジャパニメーションの総力を結集したかのような美麗な絵と素晴らしいアニメートには魅力がある。見応えがある。冒頭から楽しい。それは認めたい。

ジョーカーのイカレ具合もとてもジョーカーらしい。だが、「ジョーカーらしい」と言う事は、見ていて、とてもメンタルが疲れるという事なのだった。ゼイゼイ。いやあねえ。ハーレイ・クインはビジュアル好きだけど、もちっと内面の狂っているけど甘えてくるカワイ子ちゃんな感じで萌えたかった。割とジョーカーに尽くすだけのキャラでしかなかったみたいで個性が乏しくない?
城ロボは日本版ゆえのアイデアだろうけど活きてる感が低い。
スタイリッシュに仕上げたけど、そのスタイリッシュほどには面白くはならなかった。そんな感じだろう。一つ作れば充分で、くっつくならもっと美学に照らし合わせたくっつき方をしなければ意味がない。


◆『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』シネマート新宿2

▲なかなかかっけーショット。あっ、主役の子じゃないや。

五つ星評価で【★★後半の間が悪い】
「なるほどそこは新機軸」という部分がチョコチョコあるけど、
適度にゆるい笑いが収まる前半中盤と比べて、
アクションばかりの比重が高い後半の間が悪くてどうにもダラダラ。


◆『ワンダー 君は太陽』トーホーシネマズ新宿4

▲感染の話から『あん』のハンセン病を思いだしたりもする。もちろんオギーのはうつらないのだけど。

五つ星評価で【★★★★泣かせる話には弱いのだけど、作りがクレバーだから、これで泣いても言い訳が立つ】
超新星フラッシュマンのレー・ワンダを思い出していた俺。
そして、ワンダーウーマンとかこつけて「DCじゃないのかよ」と突っ込みながら、
ワンダーくん(いやそんな名前ではない)の顔がジミー土田にちょっと似てやしないかと思った。
チューバッカ美味しい。
本人のエピソード以上に姉ちゃんのエピソードがたまらん。あの視点の切り替えにはやられる。


◆『曇天に笑う 外伝2』新宿ピカデリー7

▲白黒ショー(違う、白黒ショーはそんな意味違う)。

五つ星評価で【★★何か凄く退屈してしまった】
これはつまらん。話し運びがルーチンに乗っ取りすぎてるからだろうか。そんなに長い尺でもないので別にどうでもいいなあと思ってたら終わってしまった。元々の物語に詳しくないので、取りあげられたスピンオフ・キャラに興味がサッパリなかったので、特にダメだったのかもしれない。


◆『ジェイン・ジェイコブズ』ユーロスペース2

▲ずごごごごごごご。

五つ星評価で【★★★★最近のドキュメンタリーでは白眉の出来】
すんげ体調悪くて、そんな時にドキュメンタリーもどうかと思っていたのだが、見ていて面白くて目が冴えてしまった。
都市計画の違いによる、都市の生き死にをジェイン・ジェイコブズ(善玉)とロバート・モーゼス(悪玉)の一騎打ち形式で見せる。最終的にロバート・モーゼスは都市開発の主役の座から追われるが、映画外の事ではあるが、大都市としてニューヨークを計画した人物として彼を再評価する動きもあるらしい。おそらく、それは結果論ありきで、彼が手掛けなかったら手掛けなかったで、もっとよい都市になってた可能性が皆無と言う訳でもないだろう。
このモーゼスの大量の金を集めて作る大規模な街づくりは下町や長屋を潰してハイウェイを隣接した団地を作るみたいな発想だから日本でも取り入れられている。日本の団地が米国ほど荒廃がひどくないのはひとえに日本の治安がいいからに他ならない。ヤクザが銃で警察官を撃ちながらさびれた団地を根城にドラッグを売ったりはしないからだ。
私が住んでる東京の狛江市で、狛江駅に隣接していた狛江第一小学校が移転して跡地の開発がとても適当に進んでしまった為に住民としては昔の方が町としてのバランスがいいと思ってしまう。荒廃と言うほどの荒廃ではないが、きちっとした見通しを立てないと都市は生きもすれば死にもする。死んだという程ではないが、ずいぶん活気が失われてしまったなあと実感している。


【銭】
『ニンジャバットマン』:ピカデリー前回有料入場割引で1300円。
『トウキョウ・リビングデッド・アイドル』テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『ワンダー 君は太陽』:トーホーシネマズメンバー割引週間で1100円。
『曇天に笑う 外伝2』:番組固定料金1500円。
『ジェイン・ジェイコブズ』:ユーロスペース会員割引で100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ニンジャバットマン@ぴあ映画生活
トウキョウ・リビング・デッド・アイドル@ぴあ映画生活
ワンダー 君は太陽@ぴあ映画生活
曇天に笑う〈外伝〉 ~宿命、双頭の風魔~@ぴあ映画生活
ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ニンジャバットマン@SGA屋物語紹介所
ニンジャバットマン@徒然なるままに
ワンダー 君は太陽@映画のブログ
ワンダー 君は太陽@お楽しみはココからだ
ワンダー 君は太陽@或る日の出来事
ワンダー 君は太陽@ここなつ映画レビュー
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ワンダー 君は太陽

【概略】 顔に障害を抱え、27回も手術を受けている10歳の少年、オギー。一度も学校へ通わず、ずっと自宅学習を続けてきたが、母のイザベルは心配する夫の反対を押し切り、5年生の新学期から学校に通わせることを決意する。しかし案の定、学校ではイジメに遭い、孤立してしまうオギーだったが…。 製作年:2017年 製作国:アメリカ 収録時間:113分 ジャンル:ヒューマン・ドラマ 日本語吹替:あり .5...

ニンジャバットマン

【概略】 悪党たちが現代のゴッサムシティからタイムスリップして、戦乱が続く戦国時代の日本にやって来る。たちまち戦国大名の座に就いた凶悪な彼らが思うままに国を荒らし回ると、日本はおろか世界の歴史が変わってしまう危険があった。現在の最新技術からかけ離れた乱世で、ヒーローは悪党たちの暴挙を止めようとするが…。 アニメーション .0★★☆☆☆ 戦国時代なのに合体ロボを出す必要があった...

ニンジャバットマン

現代の犯罪都市ゴッサムシティから、悪党たちとバットマンが瞬間移動してしまった。 気がつけば、そこは戦国時代の日本! バットマンはキャットウーマンや執事アルフレッドと再会し、最大の敵ジョーカー、ハーレイ・クイン、ゴリラ・グロッド、トゥーフェイスらと戦うことに…。 タイムスリップ・アクション・アニメ。

ワンダー 君は太陽

人とは違う顔で生まれてきた少年オギーは27回も手術を受け続けたため、ずっと自宅学習を続けていた。 10歳になった時、母イザベルは父ネートの反対を押し切り、5年生の新学期から学校へ行かせることを決意する。 案の定、クラスで孤立し泣いてしまうオギー。 一方、その日は姉ヴィアの高校の初日でもあった…。 ハートウォーミング・ストーリー。 ≪正しさよりも優しさを選ぶ≫

「ワンダー 君は太陽」

2017年・アメリカ/ライオンズゲイト、他 配給:キノフィルムズ 原題:Wonder 監督:スティーブン・チョボスキー原作:R・J・パラシオ脚本:スティーブン・チョボスキー、スティーブ・コンラッド、ジ

蝙蝠忍法帖 水崎淳平 『ニンジャバットマン』

なにかと斜め上から攻めてくるDCコミックスの最新映画は、『~VS鷹の爪団』につづ

『ニンジャバットマン』(2018)

戦国時代の日本にタイムスリップしてしまったバットマンたちとヴィランたちの戦いを描いた、メイド・イン・ジャパンのアニメーション映画。ジョーカーたちは織田信長、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗ら戦国武将と入れ替わって日本の覇権を巡って争い、一方のバットマンたちは秩序を守ろうとして謎の忍者集団”蝙蝠衆”の助力を得てそれに立ち向かう。”蝙蝠衆”は飛騨の忍びだし、マスク姿のナイトウィングやレッドロビンたち...

「ワンダー 君は太陽」

泣く、と覚悟して行ったが、思った以上に泣けた。だが、ありがちなお涙頂戴の泣きではない。主人公のオギー(ジェイコブ・トレンブレイ)が太陽であるとしたら、その惑星である周囲の面々に泣けるのである。遺伝子の影響で、生まれつき「普通」とは違う顔を持って生まれてきたオギー。10歳5年生になった年に学校に通うことになる。それまで自宅で母に勉強を教えてもらっていたオギーだったが、母の決断で外の世界に出るこ...

『ワンダー 君は太陽』 “WONDER”は“ワンダー”としか訳せない

 『ワンダー 君は太陽』の予告編を見て、てっきり障碍のある少年の感動話だと思った私は浅はかだった。  邦題の付け方についても、原題『WONDER』をただ片仮名に置き変えて、ほっこりした副題を添えただけの安易な仕事だと思っていた。よりによって「太陽」だなんて、どれだけ明るく温かい子だと云いたいのだ。私はそんな風に思ってしまった。反省している。  『ワンダー 君は太陽』は、私なんかの予想...

「ワンダー 君は太陽」

ジェイコブ・トレンブレイくんが、こういう役を! と知ったときから、観ようと考えていた。

コメント

非公開コメント

ワンダー

こんにちは。
「ワンダー 君は太陽」の方に。
彼のお姉ちゃんのエピは本当に良かったです。この視点は素晴らしかった。
弟は太陽みたいで私たちはその周りを回る恒星だと自己評価していましたが、彼女も間違いなく彼女のステージでの太陽でしたね。

Re: ワンダー

こんちは、ここなつさん。

> 彼のお姉ちゃんのエピは本当に良かったです。この視点は素晴らしかった。
> 弟は太陽みたいで私たちはその周りを回る恒星だと自己評価していましたが、彼女も間違いなく彼女のステージでの太陽でしたね。

同一太陽系に太陽が二つあってはいかん! どちらか潰さないと。

「ワンダー」って、ルワンダ生まれで、ワンダを飲みながら「ワンダースリー」を愛読し、ワンダが愛人という子どもが主人公でしたよね?

ロビンが4人いるというのはたしかに一般常識ではありませんが、これを機に覚えておくとお友達にしったかぶりできるかもしれません。ゴリラグロットはアメコミファンのわたしも知らなかった。イケゴリラでした

Re: タイトルなし

> 「ワンダー」って、ルワンダ生まれで、ワンダを飲みながら「ワンダースリー」を愛読し、ワンダが愛人という子どもが主人公でしたよね?

♪ ワンダバダバ、ワンダバダバ、ワンダバダバダ

Re: タイトルなし

こんちは、伍一どん。

> ロビンが4人いるというのはたしかに一般常識ではありませんが、これを機に覚えておくとお友達にしったかぶりできるかもしれません。

しかし、台所にいる黒い虫なんて1匹見つけたら30匹いるんじゃなかったでしたっけ? ロビンだってそのくらいいてもおかしくない。

こんばんは!

ニンジャバットマン観ましたが、城がロボット化してから白けちゃってなんか話にノれなかったです。
確かに良い所も沢山あるアニメなんですけど、城がロボになって合体する所とか、なんかそういうのが観たかったんじゃないんだよなあ感が強かったです。

Re: こんばんは!

こんちは、ヒロ之さん。

> なんかそういうのが観たかったんじゃないんだよなあ感が強かったです。

おでは、ハーレクインのアダルト・アニメとか見たいすなあ(あっ欲望筒抜け)

こんばんは

>ニンジャバットマン
合体ロボの必要もないし、なにより、
ふじきさんと同じくキャラが全然わからなかったです…
ロビン自体何人もいるし、
イケボのゴリラも誰これって感じで

Re: こんばんは

コンチハ、makiさん。

> 合体ロボの必要もないし、なにより、

城同士が戦うなら、ナンジャバットマンとモンジャバットマンが・・・・・・

こんにちは!

コメント&TBありがとうございました。
日本のゾンビの5分位で仕上げたような安っぽいメイクだけはどうにかして欲しいと毎回思ってしまう。
予算なくてもそれなりのクオリティは出して貰いたいなあ。

Re: こんにちは!

こんちは、ヒロ之さん。

> 日本のゾンビの5分位で仕上げたような安っぽいメイクだけはどうにかして欲しいと毎回思ってしまう。

 それがゾンビのいい・と・こ・ろ

こんばんは

>ワンダー
この家族がとても素敵すぎでした
登場人物みなの視点での気持ちにも共感出来て、
それでいて泣けるうえにあざとさがないってのは、
ある意味凄いなあ。
友達はいるんだけど、サマーちゃんの「新しい友達が欲しくなったの」も、日本だとなかなか勇気のいる事かも。
日本と外国の違いで、やはりその人の個性を個性としてちゃんと認められるってのは、懐が深いというか、素晴らしいところだと思いました
これは観て良かったな、と思える作品でしたね

校長先生の台詞なんかも、なんか刺さったのですよね…
もっと昔に観たかった、とは思います
私、障害者クラスの女の子と小学生の時に、班長だから行動一緒にしてたときがあったので…あの時に戻れたら、あの時とは違う行動してたかもとちょっと複雑な気分にもなりました

Re: こんばんは

こんちは、makiさん。

> >ワンダー
> 私、障害者クラスの女の子と小学生の時に、班長だから行動一緒にしてたときがあったので…あの時に戻れたら、あの時とは違う行動してたかもとちょっと複雑な気分にもなりました

社会人になってから、外見が傍目に凄く違うみたいな人と一緒に仕事する機会はそんなにないのですが、片耳聞こえないみたいな人は数人いますね。昔の職場で片腕ない人がいて、あの人はちょっと立ち振る舞いが逆にかっこよかったなあ。あと、いくらルールあっても守れない人とか。内面上、問題がある人と一緒に仕事する方がけっこう疲れる。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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