◆『浅草四人姉妹』
五つ星評価で【★★★姉ちゃん泣ける】
1952年、白黒、84分。初見。
佐伯清監督。
四人姉妹、上から女医、芸者、裁縫やってる子、代議士志望の高校生。
女医と高校生は見分けがつくが、次女と三女は私服になると混同して分かりづらかった。これは山口百恵と桜田淳子の顔を取り違えたりしないように、この時代の女優をもっと知ってれば大丈夫だったろうが、何と言っても高島忠夫以外、一人も知った役者がいなかったものだから難儀してしまった。メリハリの為に高島忠夫を四人姉妹に入れる訳にもいくまい。舞台は浅草なのでお決まりに浅草寺なども出てくるが、普通に下町に住む家族の物語であり、あまり浅草浅草してる風には見えなかった。ちょっと気になったのは映画を見に行こうと言って映った劇場が六区ではなくテアトル銀座だったこと(見間違いじゃないよなあ)。六区の劇場ではデートできん言う事か? 確かに私が出入りするようになった2,30年前ですら若者が出掛けるようなスポットもなく、何かおっちゃんがたむろするような劇場ばかりだったけど。
気立ては良くて、誰よりも苦労してるのに、口が悪いから恋が遠のいてしまう女医の長女が泣ける。
これが一本立てになって初めて入ったヴェーラ。
お客の入りは中々良く、二本立て好きとしては残念だが、興行形態の変更は成功であろう。
◆『風雲七化け峠』
五つ星評価で【★★★初アラカンかもしれん】
1952年、白黒、90分。初見。
鑑賞直後のツイート
牧歌的時代劇。大河内傳次郎人はいいが強くない。けっこうちゃんとしたどんでん返しもあるけどスッキリしない。
違うよ、大河内傳次郎じゃないよ。アラカンだよ。
多分、初アラカン(アラフォーとかそう言うんではなく)。
いや、高倉健の映画の客演か何かで見た事があったかもしれないが、バリバリの主役でアラカンと自覚して見たのは初めてである。「嵐寛寿郎」って百獣の王ライオンみたいな強さに溢れる名前だが、物凄い剣豪とかではなく、酒に溺れて浪人になってしまった気の良い正義漢のおじさん役だった。刀を持って立ち回りもあるが、弱くはないが、決して驚くような強さでもないのがこういう謎解き時代劇では珍しい。まあ、リアルであると言える。でも、圧倒的な強さで勝てない立ち回りは話のスピード感を削いで、ストレスを貯めてしまっていかん。
悪漢が逃げる村の祭りで村人が多数付けてるでっかいお面がちょっとアンデスっぽい。
グラマー女優三原葉子のデビュー作だそうで。私、三原葉子のあのあまり愛嬌がない顔が好きじゃない。うーん、猫と言えば猫っぽいから好きな人は好きなのかな。その三原葉子が隠れ住む「七化け峠」は単に地名で「化け」に意味はない。いわくありげな名前を付けるんじゃないよ、土地の人。
タイトルに付いてる「風雲」って煽り言葉も「風雲たけし城」以降、言葉のニュアンスが変わってしまったよなあ。勿論、発泡スチロールの大岩がバンバン落ちてくるようなギミックはない。「たけし城」以降、「風雲」って付いてると何か楽しそうだものなあ。
【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・浅草四人姉妹@ぴあ映画生活
・風雲七化け峠@ぴあ映画生活
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