『あのコの、トリコ。』トーホーシネマズ新宿8
- Date
- 2018/11/04/Sun 07:47
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)

▲キャー。
五つ星評価で【★★★きゅんきゅん】
タイトルをタイピングするのが何気にめんどくさい。
つーか、これはもう映画の中で壁ドン系映画について言ってるように「女の子がキュンキュンする映画」です。おっちゃんつーか、爺ちゃんだけどキュンキュンしてきました。男二人に女一人というバランスで少女マンガが原作なので3Pとかにはならず(エロトピアやないんやで、俺!)、じれったい恋の三角関係が築かれます。
男一人がオラオラ系、売り出し中のイケメン役者スバル、
もう一人が冴えないメガネ男子でヒロインの付き人をしてるヨリ、
そしてヒロインが女優を目指して悩みながらも頑張ってるシズク。
ベースは冴えない君のヨリが、ストーカー手前くらいの感情でシズクを陰から身も心も犠牲にして支え、それを割と自覚できない恋に薄ぼんやりのシズクが徐々に徐々にヨリに手繰り寄せられてくような話になってます。このヨリのヒエラルキーの低さと自尊感情が全く欠落していながら「俺がシズクを守る」、「俺が犠牲になればいいんだ」で突き進むのが「高倉健の『自分、不器用ですから』」に通じていて、恋とかとは無関係にグッと来てしまう。何よりも誰よりもシズクを支えているのに、世間一般ではかえりみられない状態のヨリが悲しすぎて可愛い。子犬ちゃんかよ、お前。このヨリを吉沢亮が好演。この人は『銀魂』で、けっこう殺意があるオラオラキャラだった人だな。なかなか幅広い演技をする。ダメダメくん状態(トボトボ歩く後姿が絶品)と眼鏡を外してGACKTっぽくなったエロ兄ちゃん状態の落差が激しくて楽しい。のび太が出木杉くんを通り越してGACKTに! 昔のマンガかよ!(笑)
ヒロインのシズクは新木優子。恋に演技に悩む等身大の女の子で、なかなか美味しい役。でも、しかし、コミュ障っぽいヨリを何故か自分の付き人にしてしまうみたいな流れは少女マンガ特有の御都合主義じゃないか? 原作で上手く処理されてるのかもしれないけど、ヨリがコミュ障だからお前がもちっと邪魔なくらいコミュニケーション取ってやれよっつか、何かきっちり(恋とは無関係の)善意でヨリを身近に置いたという伏線は欲しかった。あー、でも、この子は単純に明るくていーわー。脚ながくて下着モデルとかのシーンをもっとこうねちっこくセクハラ的に撮ってほしかった、個人的に。あのオトボケ社長が経営するモデル事務所が上手く回る筈がないから枕営業とか、借金の抵当に風呂に沈められるとかしてほしいじゃん(いや、そういうので同意は求められないだろう)。新木優子は演技が安定していて、昔だったら『ミナミの帝王』とかにシレっと出てそうな素材。でも何か事務所が壁ドン映画推しなのか、あまり普通の映画では見かけん気がする。これからか?
そしてイケメン枠スバルは杉野遥亮。原作ではオラオラであってもそれなりに共感できるキャラらしいのだけど、映画ではモテるのが当たり前の上から目線の噛ませ犬的なポジションでした。それはちょっと可哀想だな。この映画の中で一番損な役。
古坂大魔王がシズクの事務所のボンクラ社長。そう言えば確か事務所に「ピコ二郎」の写真みたいなのがさりげなく貼ってあった。この人もヨリとは別の意味でコミュニケーションに問題がある人で、どう考えても事務所を上手く回せる気がしないのに、どうにかなってるのは「ピコ」関係の芸人が陰で頑張って事務所を支えてるに違いない。役者としてもスムーズだし、芸人としても映画のシーンをちゃんと和ませていたから、かなりいい起用だったと思う。
あと、高島礼子と内田理央は出番が少ないので、特にどうとは思わないのだけど、岸谷五朗がいい。彼一人がいるお陰で、物凄く「映画」になってる気がする。あのネジネジはいらんと思うけど(何か一つアクセントが欲しかったんだろうなあ)。それはちゃんと後姿を見せられるようなタイプの大人が彼しか出てないからか?
内田理央ダ~リオの役が「山田華」。山田花子を連想せざるを得ない。もちっとちゃんと芸名決めようよ。まだ「花田ヤマ」とかの方がアリではないか?
大きな文字で最後に恥ずかしい事を書く。
しまった。『あのコの、トルコ』だったら抜群に見たいぞ。
【銭】
東宝メンバーカード有料入場ポイント6ポイントを使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・あのコの、トリコ。@ぴあ映画生活
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