『代立軍』『ごっこ』『ギャングース』『シャークネード ラスト・チェンソー』『遊星からの物体X』
- Date
- 2018/11/27/Tue 23:59
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
摘まんで5本まとめてレビュー。
◆『代立軍』シネマート新宿1

▲イ・ジョンジェ(中央)と代立軍。
五つ星評価で【★★★★イ・ジョンジェに外れ無し】
最も最初期から日本に輸入される韓国映画で主役を張っていた男イ・ジョンジェ(いや、更にレジェンド的にはアン・ソンギ様とかもいるが)。見る映画見る映画外れがない。で、最新作です。
今回は貧窮の為、他人の軍役を金で買う「代立」と言われる下層兵士。「軍」という題名から舞台は近代かと思ったら、近世、日本でいう戦国時代の物語だった。そして何と敵は朝鮮出兵した日本人。秀吉が「いてまえー」言って大陸側に差し向けた軍勢ですね。この軍勢に恐れをなし、朝鮮の王は息子を急遽、代理の王に仕立てて、自分は民を捨てて明に亡命してしまう。王に仕立てられた息子は、一度敵の手の届かない所まで逃亡し、義兵(非正式軍)をあげて抵抗すべしと前王に命令されてヒイコラ逃げる。それを守るのがイ・ジョンジェの代立軍、10人かそこらである。正式軍は前王の亡命にくっ付いていってしまった為、御付きの正式兵士は10人もいない。後は大臣とか女官とかお荷物だけ。代立軍はともかくヒエラルキーの低い集団で、常に最前線で働かされるので実力は軍隊一、国のシステムの中で家族を人質に取られているので逆らう事もままならない。この代立軍が現王を守りながら約束の地まで逃避する旅行きを描いている。
イ・ジョンジェはプロの武人。シニカルな目で状況を睨みつつ最善手を打つ。ヒエラルキーが低いので異常に評価されない。きつい、苦しい旅行きなのだが、この旅行きの一行が危機を乗り越える事で少しずつ「軍」として機能していく様は見応えがある。130分と割と長尺だが全然ダレない。面白い。お勧めである。
現王はちょっと魚クン似。
敵の日本人は無表情のキリングマシーンで実に不気味。死を恐れる素振りがない。日本語はちょっとイントネーション違うから韓国人の役者かもしらん。でも、その亜日本人的な所も含めて、今の日本と人と違うので怖かった。
でも、その頃、日本では、日本人の金のない百姓が渋々年貢代わりの足軽に取りたてられてヒーコラ言ってる勝新太郎の『雑兵物語』みたいな映画もある。どの国でも貧乏人は一律弱し。
◆『ごっこ』ユーロスペース1

▲壊れがちのパパリンと壊れまいとするヨヨ子。後、写真見当たらなかったけど、同じく壊れだしてるママリン(ちすん)も怖い。
五つ星評価で【★★★★子役上手いわ、ジュニアもようやっとる】
脚本が千原ジュニアを充て書きして書いたと言ってるから、ジュニアは役にピッタリだ。ダメ男のニートで、彼自身その事を嫌と言うほど自覚している。そのダメ男のニートと共同生活するヨヨ子(平尾菜々花)も小さいながらどこか変な子供だ。平尾菜々花、子供なのに上手いな。彼等の上手く行くかに見えた関係性は婦警の優香が介在する事で限界を生じてしまう。生活資金を稼ぐために全てを捨てるようになるジュニア。その仕事先であった意外な人物。この意外な人物が女優のちすん。ジュニア同様、生活に忙殺され、人間としておかしくなってる様が見事だった。
そもそも、今では千眼美子を名乗る清水富美加が「清水富美加」名義で出演している事が気になって見に来たのだ。清水富美加は出番は多くないけど後半のキーパーソン。ああなんて演技が上手い。やはり出家は勿体なかった。
演技的にちょっとどうなのか?と思うのは優香くらい。ただラストのジュニアの大号泣シーンは見事だとは思うが、やりすぎてうるさい。
◆『ギャングース』よみうりホール

▲主役三人。
五つ星評価で【★★★辛辣なんだけどリアルな部分を好まない】
原作未読。
主役3人のキャラ取り合わせは良い。
敵は現実に存在するようなリアルな暴力組織でけっこう半端なく怖い。
この現実的な暴力組織に対する主人公三人の行動が悪い意味でファンタジーであり、彼等自身に致命的な秘密兵器がないので、冷静に判断すると勝てそうにない部分が問題。負けて当たり前の彼等が勝つための突破口が勢いしかないというのは物語的に練れてないと思う。主人公側と敵側のパワーバランスが悪いのだ。
敵側だけ見ると山ほどのいかついチンピラを統率してる金子ノブアキのカリスマ性が良い。その金子ノブアキの上にいるMIYAVI登場シーケンスの異常性には痺れた。パン一の女の子をあんな風にずらっと並べただけであんな気持ち悪い絵が撮れるなんて、なんて素晴らしい。
このMIYAVIに立ち向かっていく主役三人の死に物狂いのアクションは『プロジェクトA』みたいであり、『スパルタンX』みたいであり、ジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンからカンフー引き剥がしたみたいであった。
あと篠田麻里子、カメラはあまり彼女の近くに寄らないのだけど、遠目に撮っていても、脚がすんげ綺麗だった。うん、篠田麻里子は好き。声優はあかんかったけど、まだまだいい使い道があると思う。

後半になるに連れ、叩きの手段が雑になってくのはマイナスポイント。
◆『シャークネード ラスト・チェンソー』ユナイテッドシネマ豊洲7

▲鮫DEATH。
五つ星評価で【★★★ゲラゲラゲラ】
知らない間に時空放浪物になってたが、基本的にそれで何も困らないのが凄い。いや、話がチンプンカンプンではあるけど、その話がチンプンカンプンである事を差し引いても、困らない。これ、話なんてどうでもいいのだ(言っちゃった)。
流石アサイラムという感じでくだらないのだけど、4DXシアターの恩恵があり、ずっと席が震えてるので、こんなにくだらない映画なのに全然眠くならなくて良かった。逆に言うと、くだらなくない映画をこのシステムで見ると、そこそここのゆさぶりが邪魔に感じるだろう。
◆『遊星からの物体X』丸の内ピカデリー2
五つ星評価で【★★★ぶひょひょひょひょーんLOVE】
今見てもあのぶひょひょひょひょーんなSFXはユニークで他に例を見ないが、テンポは割とカーペンターらしいテンポだ。あー、そーだ、カーペンターの映画って、そーいや、こんなテンポ感だった。昔、名画座でかかってた頃、何回か見た。今回が3回目か、4回目くらいだと思う。
【銭】
『代立軍』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『ごっこ』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『ギャングース』:雑誌試写応募当選。
『シャークネード ラスト・チェンソー』:ユナイテッドシネマ豊洲4DX2D会員番組特別料金2000円。
『遊星からの物体X』:松竹会員前回有料入場割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン@ぴあ映画生活
・ごっこ@ぴあ映画生活
・ギャングース@ぴあ映画生活
・シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX@ぴあ映画生活
・遊星からの物体X@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・ギャングース@ここなつ映画レビュー
◆『代立軍』シネマート新宿1

▲イ・ジョンジェ(中央)と代立軍。
五つ星評価で【★★★★イ・ジョンジェに外れ無し】
最も最初期から日本に輸入される韓国映画で主役を張っていた男イ・ジョンジェ(いや、更にレジェンド的にはアン・ソンギ様とかもいるが)。見る映画見る映画外れがない。で、最新作です。
今回は貧窮の為、他人の軍役を金で買う「代立」と言われる下層兵士。「軍」という題名から舞台は近代かと思ったら、近世、日本でいう戦国時代の物語だった。そして何と敵は朝鮮出兵した日本人。秀吉が「いてまえー」言って大陸側に差し向けた軍勢ですね。この軍勢に恐れをなし、朝鮮の王は息子を急遽、代理の王に仕立てて、自分は民を捨てて明に亡命してしまう。王に仕立てられた息子は、一度敵の手の届かない所まで逃亡し、義兵(非正式軍)をあげて抵抗すべしと前王に命令されてヒイコラ逃げる。それを守るのがイ・ジョンジェの代立軍、10人かそこらである。正式軍は前王の亡命にくっ付いていってしまった為、御付きの正式兵士は10人もいない。後は大臣とか女官とかお荷物だけ。代立軍はともかくヒエラルキーの低い集団で、常に最前線で働かされるので実力は軍隊一、国のシステムの中で家族を人質に取られているので逆らう事もままならない。この代立軍が現王を守りながら約束の地まで逃避する旅行きを描いている。
イ・ジョンジェはプロの武人。シニカルな目で状況を睨みつつ最善手を打つ。ヒエラルキーが低いので異常に評価されない。きつい、苦しい旅行きなのだが、この旅行きの一行が危機を乗り越える事で少しずつ「軍」として機能していく様は見応えがある。130分と割と長尺だが全然ダレない。面白い。お勧めである。
現王はちょっと魚クン似。
敵の日本人は無表情のキリングマシーンで実に不気味。死を恐れる素振りがない。日本語はちょっとイントネーション違うから韓国人の役者かもしらん。でも、その亜日本人的な所も含めて、今の日本と人と違うので怖かった。
でも、その頃、日本では、日本人の金のない百姓が渋々年貢代わりの足軽に取りたてられてヒーコラ言ってる勝新太郎の『雑兵物語』みたいな映画もある。どの国でも貧乏人は一律弱し。
◆『ごっこ』ユーロスペース1

▲壊れがちのパパリンと壊れまいとするヨヨ子。後、写真見当たらなかったけど、同じく壊れだしてるママリン(ちすん)も怖い。
五つ星評価で【★★★★子役上手いわ、ジュニアもようやっとる】
脚本が千原ジュニアを充て書きして書いたと言ってるから、ジュニアは役にピッタリだ。ダメ男のニートで、彼自身その事を嫌と言うほど自覚している。そのダメ男のニートと共同生活するヨヨ子(平尾菜々花)も小さいながらどこか変な子供だ。平尾菜々花、子供なのに上手いな。彼等の上手く行くかに見えた関係性は婦警の優香が介在する事で限界を生じてしまう。生活資金を稼ぐために全てを捨てるようになるジュニア。その仕事先であった意外な人物。この意外な人物が女優のちすん。ジュニア同様、生活に忙殺され、人間としておかしくなってる様が見事だった。
そもそも、今では千眼美子を名乗る清水富美加が「清水富美加」名義で出演している事が気になって見に来たのだ。清水富美加は出番は多くないけど後半のキーパーソン。ああなんて演技が上手い。やはり出家は勿体なかった。
演技的にちょっとどうなのか?と思うのは優香くらい。ただラストのジュニアの大号泣シーンは見事だとは思うが、やりすぎてうるさい。
◆『ギャングース』よみうりホール

▲主役三人。
五つ星評価で【★★★辛辣なんだけどリアルな部分を好まない】
原作未読。
主役3人のキャラ取り合わせは良い。
敵は現実に存在するようなリアルな暴力組織でけっこう半端なく怖い。
この現実的な暴力組織に対する主人公三人の行動が悪い意味でファンタジーであり、彼等自身に致命的な秘密兵器がないので、冷静に判断すると勝てそうにない部分が問題。負けて当たり前の彼等が勝つための突破口が勢いしかないというのは物語的に練れてないと思う。主人公側と敵側のパワーバランスが悪いのだ。
敵側だけ見ると山ほどのいかついチンピラを統率してる金子ノブアキのカリスマ性が良い。その金子ノブアキの上にいるMIYAVI登場シーケンスの異常性には痺れた。パン一の女の子をあんな風にずらっと並べただけであんな気持ち悪い絵が撮れるなんて、なんて素晴らしい。
このMIYAVIに立ち向かっていく主役三人の死に物狂いのアクションは『プロジェクトA』みたいであり、『スパルタンX』みたいであり、ジャッキー、ユン・ピョウ、サモ・ハンからカンフー引き剥がしたみたいであった。
あと篠田麻里子、カメラはあまり彼女の近くに寄らないのだけど、遠目に撮っていても、脚がすんげ綺麗だった。うん、篠田麻里子は好き。声優はあかんかったけど、まだまだいい使い道があると思う。

後半になるに連れ、叩きの手段が雑になってくのはマイナスポイント。
◆『シャークネード ラスト・チェンソー』ユナイテッドシネマ豊洲7

▲鮫DEATH。
五つ星評価で【★★★ゲラゲラゲラ】
知らない間に時空放浪物になってたが、基本的にそれで何も困らないのが凄い。いや、話がチンプンカンプンではあるけど、その話がチンプンカンプンである事を差し引いても、困らない。これ、話なんてどうでもいいのだ(言っちゃった)。
流石アサイラムという感じでくだらないのだけど、4DXシアターの恩恵があり、ずっと席が震えてるので、こんなにくだらない映画なのに全然眠くならなくて良かった。逆に言うと、くだらなくない映画をこのシステムで見ると、そこそここのゆさぶりが邪魔に感じるだろう。
◆『遊星からの物体X』丸の内ピカデリー2
五つ星評価で【★★★ぶひょひょひょひょーんLOVE】
今見てもあのぶひょひょひょひょーんなSFXはユニークで他に例を見ないが、テンポは割とカーペンターらしいテンポだ。あー、そーだ、カーペンターの映画って、そーいや、こんなテンポ感だった。昔、名画座でかかってた頃、何回か見た。今回が3回目か、4回目くらいだと思う。
【銭】
『代立軍』:テアトル会員割引+曜日割引で1000円。
『ごっこ』:ユーロスペース会員割引で1200円。
『ギャングース』:雑誌試写応募当選。
『シャークネード ラスト・チェンソー』:ユナイテッドシネマ豊洲4DX2D会員番組特別料金2000円。
『遊星からの物体X』:松竹会員前回有料入場割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン@ぴあ映画生活
・ごっこ@ぴあ映画生活
・ギャングース@ぴあ映画生活
・シャークネード ラスト・チェーンソー 4DX@ぴあ映画生活
・遊星からの物体X@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・ギャングース@ここなつ映画レビュー
スポンサーサイト