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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『博徒七人』シネマヴェーラ渋谷

五つ星評価で【★★★変人の鶴田浩二だよ】
1966年、カラー、92分。初見。
特集上映「任侠映画の世界 滅びの美学」から1プログラム。
今回の鶴田浩二は片目。と言うかタイトルの七人はみな障害者かつ武芸者と言うインチキ設定。こんな片輪の見本市みたいな映画、映画館でしか見れん。TVは勿論、ソフト化もあかん言われてる。七人の内訳は

・片目(鶴田浩二)
・片腕(藤山寛美)
・片足(山本麟一)
・全盲(待田京介)
・ケロイド(大木実)
・せむし(小松方正)
・おし+つんぼ(山城新伍)

で合ってると思う。最初から全員味方ではなく、味方になったり、敵になったりと言うドラマの起伏がある。最終的には全員観客側から見たら正義の人と納得できる作りになっている。ちなみに、その正反対の悪の人は金子信雄。金子信雄って大してあくどい顔じゃないのに(爆笑問題の田中に似てるじゃん)、顔を脳みそもしくは金玉の皺のように歪ませてラスボスの座に君臨するのは肥大っつか偉大。

鶴田浩二。「片目」と言う設定がハンディ・キャッパーだが、常識にも片足残している感じを色濃くしてる。普通に考えたら、片目くらいでは「フリークス」ではないので、主人公としてはちょうどいい塩梅である。その鶴田浩二、自分ルールと言うか、こだわりが強く、そのこだわりの為なら、正義すら蹴とばすのが異色。一瞬だけ映る鶴田浩二の刺青は墓石。何だよその気持ち悪いチョイス。

藤山寛美。私、「この人が面白い人」と言うフレーズに説得力を感じられない。だから、今回も徹頭徹尾、自分にルーズな男にしか見えず意気が下がった。ちなみに、鶴田浩二と諍いを起こしている時に現われるのがヒロインの桜町弘子。出番すぐ、片腕が袂に隠れて見えないので、この娘が三人目かとちょっと思ってた。桜町弘子、あまり好みのタイプではない。

山本麟一。山本麟一が正義側なんて映画これくらいだろう。両足欠損にしなかったのはおそらく機動性の問題で、その判断は正しい。

待田京介。この人も正義側の顔ではない。障害が片目と被るよなあ。

大木実。明智小五郎を何本か演じているので、変装後の姿みたいである。ケロイドは外見あーでも、何ら常人と変わらない。でもまあ差別対象という事なのね。「兵隊ヤス」と言う役名からして、第二次大戦の復員兵だろう。もしかしたら大時代(明治・大正)とか遠い世界の話だと思い込んでいたが、戦後すぐの割と今の話だったのか。TVが映らんと今っぽくない。後、西部劇のようにみんな銃を所持してるし。

小松方正。この人、積極的に悪側の容姿だし、女を食い物にする郭の変態親父みたいな演技を外さずにやるから、正義に見えなくて逆におもろい。ぴょんぴょん飛ぶ姿がどこかダニっぽい。少なくとも人間か人外かと言ったら人外に寄ってる。山本麟一と小松方正は着ぐるみ着ずにライダーみたいな世界で即、悪役できそうだもの。今、そういう人あんまりいない。

山城新伍。彼だけ外見に出ない障害。と言うより「おし」や「つんぼ」より「低能」としての側面を強く感じる。この山城新伍が目が見えなくなったら、ヘレン・ケラーと同一の条件になるのである。うーん、常人より強いヘレン・ケラーみたいなのは見たかった。

あー、おもろかった。何も残らんのも清々しい。

PS 石屋の喧嘩はこうだ、みたいな感じの爆薬と銃撃戦だらけの喧嘩も目に新しかった。



【銭】
通常一本立て興行価格1200円-400円(会員割引)。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
博徒七人@ぴあ映画生活
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