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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『世界でいちばん悲しいオーディション』ユーロスペース1


▲美人だからと言って残らないのが思った以上に正しい感じ。

五つ星評価で【★★★WACKの毎度オーディション・ドキュメンタリー。拡大再生産っちゅーか何ちゅーか、基本いつも通りです】
毎回、違う女の子を連れて来さえすれば、それはそれで毎回そこそこの映画になる。おそらく、このしごかれる中、脱落を恐れる中で、自分の中のありったけを先鋭化し、理不尽な大人たちに立ち向かう少女たちという構造が、ずっと見ている事の苦行を和らげる効果があるのだ。AV監督をカメラマンとして揃えたが、以前のようにもう口説き落としゲームは止めてしまっている。何本か撮る中で「そこがマストではない」事に気づいたのだろう。
見所は元々そんなに美人じゃない女の子たちが、明らかに異常なカルト宗教団体の合宿みたいな中でシゴかれているうちにアイドルとして一皮剥けていく所にある。人を感動させるガムシャラなサービス精神は自分の守るべき領域=自我を一度壊してこそ生成されるのかもしれない。それは痛々しいが目を引く。でもまあ、他人事だから、加点になる激辛調味料デスソースの過剰摂取で一人くらい候補生が死んだ方が「責任を取る」と言っていた芸能プロが本当に責任を取れるのかが見れるという意味で「やれ、やれ」とか思ってしまった。やれ、やれ! やれやれ

最終的に一番ひどいのは責任の有無にノータッチで単に映画を見てお金をカルト宗教っぽい彼等に供出してる観客の自分であるかもしれない。

毎度毎度多くの少女を中心の何人かとかに焦点を絞らず、ある意味公平に撮影した弊害で、見終わって誰が誰だったかは全然わからない、心に残らない。後から見なおす遠足の写真みたいなもんで1枚1枚に強力な個性が主張されていない。もちろん希な例外はなくはない。でも、こういう公平さは見世物としてはつまらない。今回、オーディションに勝ち抜いた後、芸能プロ入りを辞退した少女が一人。少女はラブホのシーツを整えながら、「あの時はおかしかった」と言う。それは観客みんなが知っている。そして、アイドルにならなかった彼女の方がアイドルになった彼女達より私には表情がステキに見えた。見せ方その物が違うから比較は意味ないかもしれないが。また、フェリー欠航により何回も負けを強要された少女もちょっとだけ記憶に残った。敗者や脱落者の方が勝者より記憶に残るのはどうなのか? 勝者はこれから語られ、この映画その物が黒歴史みたいな物だから、ここでは輝いていなくてもいいのか? 漠然とした疑問が残る。

とにもかくにも、人の感情の極限が見れる。だから、毎回面白い(ムチャつまらなくはならない)。でも、それを管理していないといけない筈の芸能プロがチャランポランに見えてしまうので、毎回ちょっとイラっとしてしまう。おそらく宗教団体同様、管理する側が管理される側と同じ土俵に降りていってはいかんのだ。でも、そうであるなら宗教団体同様、命令を下すトップは神格化されていないといけない。私にはその位置にいる渡辺淳之介氏がそうは見えない。アイドルと言う子供を管理する大人にあまり見えない。結局、それは何でだろうと突き詰めたら渡辺氏の成功してきた「経歴」よりも奔放に見える子供っぽい「顔」の方が強い、という恐ろしい結論に至ってしまった。例えば、立派な名前を持つに至った林家正蔵、こと、元こぶ平が社長の大会社があったらみんな心配するだろうし、その会社は絶対トラブルに巻き込まれる、と観客が思う。それとおんなじくらいの子供な顔を渡辺氏は持っている。だから、この映画の渡辺氏をこぶ平にそっと置き換えても大笑いするような違和感は私にはない。ないのが凄い。映画とか絵で見せるってのはそういう事だから、そういう風に思ってしまうのは仕方がない事だと思う。申し訳ないこぶ平、申し訳ない渡辺淳之介。いや、お前らももちっと大人の顔を持てんのかよ。

さて、『世界でいちばん悲しいオーディション』というタイトルにも関わらず、一人も死なないし、一人も狂わないし(少なくとも映画内では)、合格者が出なかった訳でもないし、審査員が新井浩文で「君たちマッサージ嬢だろう。ここをマッサージしろ!」と首根っこ掴まれた訳でもない。なので大袈裟なタイトルだとは思うが、映画らしい「大きく言いきった」いいタイトルだと思う。でも、翌年同じオーディションが開催されたら「いちばん」というほど「悲しさ」が突出していなかった事が分かるのではないか。いや、ここで言う「オーディション」は今回一回のオーディションではなく、WACKのオーディション・システムその物であるのか。あ、自分の中に納得があった。だが、このWACKのオーディション・システムは「悲しさ」が明確である故に、例えば「幸福の科学」が作る映画にオーディションがあったら、何となくそっちに「悲しさ」が負ける気がしてならない。それはオーディションの合格者の未来が毛ほども信じられないからであろう。

ロキ「オーディションってオーディンのしょんべんみたい」


【銭】
ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
世界でいちばん悲しいオーディション@ぴあ映画生活
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