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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『居眠り磐音』109シネマズ木場6


▲きゃー磐音さま。

五つ星評価で【★★★この流れで良いか?】
松坂桃李演じる磐音のいい奴感が高く、それをゆったり演じているのも実に贅沢ではあるが、彼が義理の兄を殺めたという理由で恋人と別れて脱藩出奔してしまう行動を取るのが今一つピンと来ない。恋人に「合わす顔がない」とは言うものの、そこを乗り越えるのが従来の小説の主人公達のメンタリティーなので、そこを忌避してしまうなら、それはそれでそういう細やかだったり淡い心情をちゃんと掬って描かなければいけないのではないか。磐音が恋人を探せなくなっているのに藩の方ではお偉いさんと恋人が会談してたりする。おそらく豊後関前藩の話については、もっと色々複雑な下りがあるのだろう。今回、江戸での金融戦争の話と一つにする為にかなりエピソードを割いてしまっているのではないか。柄本佑の小林家が取り潰しになったのは分かるが、跡取りがいない磐音の家や、そもそもの問題を起こした河出家がどうなったかも分からない。恋人が後から現われるのも随分いきなりな話だし、ちょっと全体に説明が薄すぎるだろう。ただ、豊後関前藩については、映画一本目の後に話が繋がるのであれば、そこでじっくり描くつもりなのかもしれない。そういう匂わせ方はあったから。

おっとりに見えるけど知恵者で剣の達人という磐音は松坂桃李の端正な顔立ちと相性が良い。良くも悪くも優等生的な顔立ちだ。それを活かさない手はない。その優等生的な磐音に対比されるガキ大将のような小林琴平を柄本佑が好演してる。磐音の鋭い剣に琴平の荒い剣という対比もあり、この二人の悲しい戦いが映画の中での一番の見所だった。ただ、磐音が戦うシーンはどれも見どころとして良く出来てる。一つ一つ違った戦いになっており、磐音が戦う事を好いていないのに戦いでしか解決を得られないという悲しさがよく出ているからだろう。

役者でいいのは柄本明と奥田暎二のヒヒ爺二人。
柄本明なんてコントすれすれの外角攻めだ。あれ、他の役者がやったら志村けんというくらいコント寄りの演技なのにちゃんとシリアス側に成立させてるのが凄い。磐音の若くて端正で優等生な顔立ちに比べて、年老いてて醜く、それでいて、歯が凄く白くて噛みつきそうな猛禽類みたいで、実に好対照ある。
奥田暎二はリアルに奥田暎二のイヤな所が出てる気がするのだが、役としてそれが生きているならリアルの奥田暎二がどうあれ、これでいい。結果、ピエール瀧より良くなった可能性は強い。

役者で良くないのは女優二人。
芳根京子は好きなんだけど、大夫のお練り歩き、あれの出来が悪い。首の線がぶれるのかヨロヨロ歩いてるように見える。あそこは嘘でもしっかり歩いてみえるように撮らないと話やキャラがぶれてしまう。しっかり歩いているのに心情では真逆というのが泣きポイントなのである。
木村文乃はお白粉っぽい芳根京子と比較するチャキチャキ町娘だが、比較が効きすぎて見た目が「おばさん」っぽい。Wヒロインでなく、木村文乃だけならそうは感じないのだろうが、どうも野暮ったいのだ。ヅラとの相性が悪いのかもしれない。

エンディング、ミーシャは女性ファン狙いすぎ。思ったより違和感はないけど、歌詞とかすっと入って来なくて、浸れもしない。まあ、主役がジャニーズだからジャニーズってのよりは数倍いいけど。

全体、映画自体は悪くない。
チャンバラシーンなど、どれも見ててワクワクする。
なので、続いてほしいなあ。客の入り、悪いなあ。JOJOかよ!


【銭】
109シネマズのメンバー割引(曜日)で火曜1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
居眠り磐音@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
居眠り磐音@ノラネコの呑んで観るシネマ
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コメント

ピエール瀧版も見てみたかったなあ。
円盤に入れてくれないかな、無理か。

  • 2019/06/01(土) 22:10:05 |
  • URL |
  • ノラネコ #xHucOE.I
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、ノラネコさん。

> ピエール瀧版も見てみたかったなあ。
> 円盤に入れてくれないかな、無理か。

そうねえ、ちょっと見てみたいなあ、と言うのは当然ありますね。
まあでも、他のコンテンツでドラマ版と映画版でキャストが違うのは山ほどあって、それはそうそう気にならないから、まあ、本当はその程度の関心なんだよねー。多分、ピエール瀧は瀧なりに上手くこなしているんだろうなあ。

  • 2019/06/02(日) 09:01:40 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

ちょっとノラネコさんの処で毒を吐いてしまいましたが、ピエール瀧、ってここから始まってたんですね。

松坂桃李ではまり役、流浪に剣心然り、主役級は際ものではなく、正統派にやってもらいたい事と、日本人的なスマートで華奢な剣客は、史実にもフィットするんじゃないでしょうか。

侍の無礼討ち然り、前半の舞を斬った者が、女人が貞操を崩す事などを許さず、古い正義の名の下に人を斬っていたのに対して、磐音は人を守る事に正義を重ねていた、と思います。武力を持つ人間ほど、優しさですね。

千両役者と言いますか、脇役も派手で晴れやかで、気持ち良かったです。

  • 2019/06/04(火) 20:32:36 |
  • URL |
  • 隆 #RZH4OJDI
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんちは、隆さん。

> 日本人的なスマートで華奢な剣客は、史実にもフィットするんじゃないでしょうか。

幕末の武士の写真見るとみんな骨太でゴツゴツしてますが。食糧事情からデブはいないけど。



> 侍の無礼討ち然り、前半の舞を斬った者が、女人が貞操を崩す事などを許さず、古い正義の名の下に人を斬っていたのに対して、磐音は人を守る事に正義を重ねていた、と思います。武力を持つ人間ほど、優しさですね。

奥さんを斬ったのは愛してたからこそで、あれを「古い正義の名の下」と言っちゃうのは可哀想だな。江戸で夫が貞操持ち崩してるとかならまだしも、そんな風にも全く見えなかったから。

  • 2019/06/05(水) 22:52:15 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

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