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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『つる』神保町シアター、『チャパクア』『見世物』K's cinema

同日鑑賞縛りで3本まとめてレビュー。

◆『つる』神保町シアター
五つ星評価で【★★痒い所に手が届かない変な映画(でも映画的には超変化球すぎて脚注付きなら面白いと思う/好きかって言われたら不安になるからそうでもないと答えるけど)】
企画「市原悦子と樹木希林」から1プログラム。
1988年、カラー、93分、初見。
市川崑監督。ずっと見たいと思ってたけど見れなかった映画。そんなに古い映画でもないけどどこにも掛からない。見たら掛からない理由が良く分かった。いやまあ、お年を召した後の吉永小百合の映画は中々、名画座とかで掛からないのだけど、やっぱりこの百本記念作品くらいからグンとおかしくなったのじゃないかと思う。
市川崑がそういう事を気にしないのか、役者の演技が本当にバラバラで溶けあってない。
ともかく野田秀樹の演技が一人だけ暴走してる。確かに一人だけ見ると上手いのだ。あれ、舞台で一人芝居だったら凄く魅せる演技じゃないかと思う。でも、他の誰の演技と波長が合わない。彼一人だけ民話の登場人物がそのまま現実世界にやってきたようである。多分、この野田秀樹はピュアで頭が悪くて、セックスとかはできないだろう。図体は大人だが小学三年生みたいな役である。
それと夫婦になるのが吉永小百合。ちゃんと若く見えるようにメイクをしているのだが、野田秀樹の母親役の樹木希林より貫禄があるのである。それでは小学三年生で演技してる野田秀樹と合う筈がない。終始、保護者のようであった。しかも、吉永小百合は鶴の化身なので、動き(特に歩き)に「そーっ」と鳥の演技を混ぜてくるのである。物凄く勉強熱心で理屈の上では正しいが、それとっても隠されたギャグっぽい。そして見栄を切るようなシーンで市川崑が付ける演出がけっこうホラーっぽい。凄い。何かもう何が敵で何が見方なのかも分からないような現場じゃなかろうか。
樹木希林はいつも通りだが、主要登場人物三人の中で唯一、常識的な演技をするのでとてもよく見える。この樹木希林と近所の夫婦(川谷拓三と横山道代)だけは至極真っ当に普通。鶴と旦那を除いて映画を作ったら傑作になったかもしれない。何だその『ゴドーを待ちながら』展開は?
あと、ただただ鬼のように怖い菅原文太と、そーっと怖い奥方の岸田今日子。菅原文太にパワハラされたらキツいわあ(これは文太がパワハラする映画なのである)。そして、存在感が怖い岸田今日子。何故、妊婦にしたのか全く分からず。妊婦が醸し出す母の慈愛とかなく、卵を呑みこんで腹が膨れてる蛇みたいだった。
あとキャストロールに常田富士夫の名前があったが、どこに出てるか分からなかった。猟師役だろうか? あれ、セリフとかない役なのに。
石坂浩二がナレーションなんて『ウルトラQ』じゃん。

反物を織るために、他の鶴を捕まえてくるのが全てを丸く納める手段じゃないだろうか。

PS そうそう、劇伴が何故か「アメイジング・グレース」で、
 その意味不明さと効果のおかしさにちょっと震えた。



◆『チャパクア』K's cinema

▲映画の印象と著しく違う映画ポスター。

五つ星評価で【★おで、こーゆーのダメなんの】
企画「奇想天外映画祭アンダーグラウンドコレクション2019」から1プログラム。
1966年、カラー、82分、初見。
コンラッド・ルークス監督。勢いで見た。
ドラッグ&アルコールでの入院の日々の心情を映画に焼き付けたデビュー作。
「心情を」焼きつけたのがミソで、ラリラリで不整合で、映画自体が酔っぱらっているかのよう。音楽も独特。そして、女の子は魅力的。うーん、それは大事だけど、そこだけでは好きになれなかった。


◆『見世物』K's cinema
五つ星評価で【★★★★★ヤバい。凄い面白いよ】
1927年、白黒、無声映画(伴奏あり)、76分、初見。
トッド・ブラウニング監督。『フリークス』の監督が5年前に撮った映画という事でイソイソと見に行った。
無声映画である事に意表を突かれた。でも、全然それが苦にならなかった。
題名がアレなんで、フリークス達が出てくるかと思ったが、そういう人達は出てこなかった。
主役の名前がクック・ロビン。イケメンでプレイボーイ、金の為なら女を捨てるのを厭わない、とってもイヤな奴。こいつがイケメン設定なのに服のセンスが1927年なので、むちゃくちゃダサイ。横縞ボーダーシャツ、変なハイウェスト・パンツにチョビ髭。タイプで言うと、玉木宏。それがダサくて、悪くて、モテモテ。
ヒロインがサロメ。サロメの芝居の要点を見世物にして、そのトリック明かしてくれるのも面白かった。目が情感あふれる。彼女のほかにも要所要所美人多し。
悪漢が「ギリシャ野郎」。凄いネーミングだ。そして硬い表情がクールでヒール度ビンビン。そして、ジュード・ロウに似てる。
主人公の横嶋シャツ野郎が最後に下す決断がベタだけど良い。


【銭】
『つる』:神保町シアター一般入場料金1300円。
『チャパクア』:当日料金は1500円だが特集共通三回券を3000円で購入。その使用1回目。
『見世物』:上記三回券の使用2回目。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
つる・鶴@ぴあ映画生活
チャパクア@ぴあ映画生活
見世物@ぴあ映画生活
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コメント

年のせいか、足が

つる。

デキンちゃんの設定はどうやってるの?

  • 2019/06/11(火) 17:51:32 |
  • URL |
  • 安安丸 #-
  • [ 編集 ]

Re: 年のせいか、足が

こんちは、先輩。

> デキンちゃんの設定はどうやってるの?

コメやTB設定の話かな? 日本語率が低い物は弾いてるけど、何故かそれをかいくぐってアラビア語やロシア語のコメが付いたりするよ。英語のが付かないのはベーシックな英語だけはきちんとはじけるという事かもしれない。とりあえず、自分が読めない言葉のコメが掻い潜って来たら、後からバンバン非表示にしてます。

  • 2019/06/14(金) 00:03:28 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

つる

>お年を召した後の吉永小百合の映画は中々、名画座とかで掛からない
若い時のも、もうお客さんが入らないから、掛からないよ。
今日「調布シネフェス」の番組で、「いつでも夢を」をうん十年ぶりに銀幕で観たんだけど、観客3人。
お〜い、文芸座地下の上映ではほぼ満席だったぞ。
この頃の吉永小百合に「いい女だからやっちまおうぜ」と言ったら都条例で捕まるわな。

  • 2020/02/14(金) 20:52:15 |
  • URL |
  • 粕人間 #-
  • [ 編集 ]

Re: つる

こんちは、先輩。

> 今日「調布シネフェス」の番組で、「いつでも夢を」をうん十年ぶりに銀幕で観たんだけど、観客3人。
> お〜い、文芸座地下の上映ではほぼ満席だったぞ。
> この頃の吉永小百合に「いい女だからやっちまおうぜ」と言ったら都条例で捕まるわな。

常設の名画座はどこ行ってもある程度安定してる。フェスみたいな一回コッキリの奴は宣伝の有無で全然結果が異なる。古い映画はどうパッケージして宣伝するかが大事(みんなハナから古い映画を知ってはいないから)。

  • 2020/02/15(土) 00:43:03 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
  • [ 編集 ]

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