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『アートのお値段』ユーロスペース1

◆『アートのお値段』ユーロスペース1

▲この人をそのままホルマリン漬けしたら、かなりアートだと思う。

五つ星評価で【★★幾つか意見があるが、まとめる事はせず羅列するだけという手法。そういうドキュメンタリーはあまり好かない】
大雑把に羅列するとこんなかな。
・「作品の価値と売価は別」アーティスト
・「作品の魅力と稀少性により値段は高騰する。現代美術の良い所は概ね作者が生きているので、ある程度、作品の評価が高騰した後でも新しい作品をアーティストが作成できる」バイヤー
・「アーティストの作品がずっと同じ価格で売れ続ける保証はない。株の上下同様、何が理由で値段の上下が起こるかは予想を立てづらい」バイヤー
・「美術作品は保管、保存などを考慮すると美術館に収納されるべきである」アーティスト
・「美術館は収納される作品に比較して開架作品が少なすぎるので保有先としてはよくない」バイヤー
・「良い作品は高い価格であるべき」バイヤー
・「値段は知れ渡っても作品に接する人は少ない」コレクター

羅列して、それぞれの意見があるからどれか一つを推そうとはしない映画。そういうのはインタビューを撮らせてもらった各個人に対しては全て等距離・八方美人で平等だが、全体に言いたい事が薄ボケてて退屈である。「今、こんな状況なんですよ、観客の皆さん」というのの「今」が多面的に浮かび上がるための広域取材やインタビューである筈なのに、浮かび上がらせるテーマが言葉の量に埋没してると思う。
コアは「現代美術において、高額の作品が生まれやすい環境が今、出来ているが、必ずしもそれが作品内容に準拠した物ではないのは如何なものか。」という事だが、額の大小を除けば、これは昔から言われていた事であり、そんなに珍しい議論ではない。であるなら、きっと問題は「額の大小」にあるのであって、昔の百倍、千倍が踊っているなら、それを言ってもらわんと伝わらんし、そもそも米ドルでどうだって話は分かりづらい。うまい棒換算とかがいいかな。

山ほど、アート作品がチラ見されるので、「おっ」と思うのは散見される。同じくらい、「あんなん高額なのはどうも分からん」というものも多い。アーティストが、その技法を推して描く力量や情熱が自分に分かる物なら認められるが、その技法に埋没しているなら認められない。どうのこうのいってもセンスが合うかどうかだ。カディンスキーが現われた時代ならともかく、今でも抽象表現だけを追い求めるアーティストには優しい目を向けられない。草間彌生もそうだが1枚目のそれはアートだったかもしれないが、2枚目以降はブランドだろう。カディンスキーの時代はそういう事を個人が一生涯に対して行っても許されるくらいメディア・スピードが遅かった。今の時代でそれをやるのはブランドを立てて、作品を売ろうとする為の怠惰さだと思う。

映画の最後の方で、自分の買った作品を美術館に寄贈するコレクターの話が出てきて、それでも家はガラガラにはならないし、お気に入りの作品は自宅に複製画を掛けるという。今の技術なら寸分たがわぬ複製画が作れる、そういう事らしい。では、本物を美術館に寄贈して複製画を飾る。本物を高額で購入したのは複製画を作る権利を購入したという事か。映画の中で一番スリリングな部分はあのやり取りにあったと思う。


【銭】
ユーロスペース会員割引1200円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
アートのお値段@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
アートのお値段@徒然なるままに
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アートのお値段

今やアート作品は株や不動産のように投資の対象となり、世界各地でアートフェアやオークションが行われ、市場はかつてないバブルに沸いている。 いつからアートは商品となったのか? 誰が何のために買っているのか? そもそもアートの値段って何だろう? アートとお金の関係を探るドキュメンタリー。

『アートのお値段』(2018)

アートとお金の問題を真正面から取り上げたドキュメンタリー映画で、多くのアーティスト、オークショニア、コンサルタント、批評家、キュレーター、コレクター、ギャラリストたちがインタビューに答えている。どんな高値で取引されても、それはモチベーションにはならない。美術館で展示される方が良い、というアーティスト。良い作品とは高値であるべきだ、美術館はまるで墓場のようだ、というオークショニア。アートの商品...

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ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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