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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『ハロー・ワールド』もういっちょ(ネタバレ)

◆『ハロー・ワールド』もういっちょ

▲左から、僕、彼女、俺。

※ ネタバレ記事です

ネタバレを踏みながら、何でこの話に自分がひかれないのか考え直してみたい。
物語の主要登場人物は三人、「僕」と「彼女」と「俺」。
「俺」は10年未来の「僕」である。
「僕」と「彼女」は10年前の仮想現実であり、
「俺」はその仮想現実で起こる流れを「僕」を使って意図的に変えようとする。
「僕」と「彼女」が「のび太」と「しずかちゃん」で、「俺」が「ドラえもん」、
「ジャイアン」と「スネ夫」は「僕と彼女以外の全図書委員」だろう。
「俺」は仮想現実のプレイヤーではないので、
直接は仮想現実に介入出来ないらしい。

「俺」は「僕」に「彼女」を恋愛対象として意識させ、同時に仮想現実が仮想現実であるが故の法則性を意識させる事で仮想世界で物質や特異空間を生みださせる技術を身に付けさせる。その技術により、彼女が事故死に合う事を防がせようとするのだ。
「僕」は「彼女」といい関係になり、「彼女」の死の瞬間も回避する事が出来た。だが、その時、「俺」が「彼女」を幽閉し、高次元の世界に吸い上げてしまう。

「俺」のやろうとしている事がよく分からない。「俺」は「僕」に介入して、「彼女」に恋をさせたが、データが全て揃っていて現実通りに未来へと進むなら、そんな事をせずとも「僕」は「彼女」に恋するだろうし、「俺」が「僕」に精神的に介入する事で、それが「彼女」のメンタリティまでも変えてしまうという可能性を考えないのは迂闊すぎる。「俺」が「彼女」を守りたいなら、「俺」が「彼女」に介入して、事故の落雷現場にどうにか行かせなくする方が自然だ。「俺」が思わぬ展開としてセキュリティーが「彼女」を落雷現場に転移させたとしても、落雷が落ちるより前に「彼女」を自分の次元に吸収してしまえばいい。落雷が落ちるというトリガーが与えられて、それを回避した「彼女」の精神が必要と言うのなら分からないでもないが、「俺」が「僕」に対して行っていた指導は「彼女」が落雷と合わない事の方を優先していたので、それは理屈に合わない。
「彼女」が仮想現実世界からいなくなる事で、仮想現実世界が崩壊するという理屈もよく分からない。「彼女」の存在がその心までもデータであるなら、「俺」は「彼女」の存在を仮想現実世界から「切り取る」必要はない。「コピー」すればいいのだ。わざわざ欠損を発生させ、仮想現実世界を危機に瀕させる理由がない。そこを「まあ、どうでもいい事」と考えたのだとしたら、町一つの全生命を根絶やしにするのを適当に扱うのだから、それこそ「俺」は極悪人である。逆にシステム・セキュリティー側も「彼女」を現実世界ではありえないような場所の転移という不条理な手段を与えておきながら、「彼女」の欠損一つも埋められないというのは世界構築に対するAI機能に不具合が生じているとしか思えない。場所の転移を行った時の「彼女」のデータがあるなら、欠損した「彼女」のデータを補填すればいいし、その上で落雷を発生させ、「彼女」を死に至らしめる方がセキュリティの狐キャラをわらわら集めてプレイヤーの「僕」とありえない戦闘をさせるより格段に世界に対するミスマッチが少ない筈である。


その後、「僕」はずっと見守っていたというカラスの力によって、「俺」の世界へ移動する。「俺」の世界では「彼女」が「僕≠俺」という事実から「俺」を拒絶。そうこうするうちに、「俺」の世界でもセキュリティの狐キャラがわらわら現れる。「俺」の世界に「僕」と「俺」の同一人物がいる事で不具合が生じているらしい。あまり説明がないので分かりづらいのだが、狐キャラも「僕」の世界から「俺」の世界にやって来たという訳ではなく、「俺」の世界も仮想現実世界であったという事らしい。「僕」か「俺」が二重存在なので、どちらかがいなくならなければセキュリティは暴走するという。

どんどん謎が増えていく。「俺」が「彼女」を「俺」の世界に吸い上げるのはOKだが、カラスが「僕」を「俺」の世界に吸い上げるのはいけないらしい。「俺」が吸い上げた「彼女」は物理存在の「彼女」その物ではなく、精神という彼女のエッセンスだったという事にしておくなら、ギリ矛盾はない。でも、だったら、「僕」の世界に「彼女」の身体くらい残しておけよと思うのだが。それに反して、カラスがやった「僕」の呼びだしはずっと杜撰。ちゃんとやれよカラス。外部から手を加えて世界を壊そうとする奴ばかり、というか壊れてしまうようなら脆弱な世界と言おうか。勿論「俺」の世界の「彼女」のように、精神だけない状態ではないから「僕」と「俺」は融合できなかったのかもしれない。逆に「僕」は身体を持って世界の移動をしなければ「俺」の世界での活躍は難しいからカラスにとっても、それは難しい選択だったのかもしれない。と言うより、カラスが「俺」同様、万能に二つの世界に干渉できるのなら、ちゃんと「俺」に対して話しかけて折衝するというのが正しいやり方だろう。それを本当にやったらお話にならないが。そもそもカラスが何者なのかは最後まで、いや、映画が終わっても謎のままだ。

すったもんだで「俺」がやられてしまうと、「僕」は目覚めて、ずっと「俺」の世界の「彼女」のように眠っていて、直前までの精神を持って来れたから蘇ったと伝えられる。

あー、これが予告編で言ってた「最後の1秒で世界が変わる」なのね。おそらく、最後に「僕」に声を掛けた「彼女」がリアル・ワールドの「彼女」だろう。第一層が「僕」の世界、第二層が「俺」の世界、第三層が現実世界の「彼女」の世界。実はそれらを見てる第四層の観客の世界と、「僕」達が図書委員として扱う本の中の物語の第ゼロ層もあると言えばあるが、それを言ってもしょうがないという感じバリバリ。多分、何も語られていないが、「彼女」がカラスの正体なのだろう。だが、目を覚ました男の前身は「僕」でも「彼」でもない。それでいいのか? おそらく、それでいい。「彼女」は全部見ていて、「僕」の葛藤も「俺」の葛藤も知っているから、「眠っていた男性≠僕」であっても、それは許せるという判断がおそらくある。ただ、どんな理由があるかは知らないが、「彼女」は「俺」が介入しない「僕」の世界から、おそらく「彼女」の目の前で落雷にあった「僕」の精神だけを吸いとるテクニックは持ててたのじゃなかろうか。持ててたとする根拠はない。でも、あんなややこしいやり方をする意味が分からない。もしかしたら、彼女は腐女子で「眠っていた男性」に入った「僕」に薄い本を見せて反応を伺ったりするかもしれない。それは彼女が落雷に会った世界で、「僕」と「彼」が涙を流しながら身体を貪りあって寂しさを埋めるBLだ。ホラーかよ。

という訳で、やはり物語として矛盾が多いと思う。読み取り切れてなくて誤解があったりするかもしれないけど。


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