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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

秋の城定祭り2019 in ポレポレ東中野

9本をまとめてざっくりレビュー(企画10本中1本だけ見れなかった)。

◆『ミク、僕だけの妹』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★ぶっ飛び映画】
ただの妹系エロVシネと思っていたら、急激な話の展開に「おま、何だ、それ?」と絶叫者が続出した伝説のエロVシネ。
いやまあ、実に堂々とSFな訳です。70分の短尺、撮影二日間という驚異的な制約の中で、脚本と演出に力量がありさえすれば、ちゃんと立派にSFとして構築可能である、しかもエロ方面は全く抑えずに。センスが決め手だ。ただお金が掛かってない分、省略の激しさにちょっと目眩を感じないでもない。工場と労働者の個室と浜辺しかない未来。未来に見えるのだなあ。工場って未来にあっても前近代的な設備でも何もおかしく見えないミラクル・アイテムだ。

この物語の中では普通とは別の意味でスワッピングする兄妹が二組出てくる。最終的に出来上がった二組のうち一組は実に生もの感覚で汚くもろい。もう一組はプラスチックのように形状が変わらず残り続ける。ナマコの兄妹とバービー人形の兄妹、どちらがより「愛」なのかは難しい。しかし、これ朝ドラの『なつぞら』以前に作られているのだけど、お金を払えば「広瀬すず」や「岡田将生」、ツンデレ妹「福地桃子」がコンプ出来るなら買うかもしれんなあ。ラスト、浜辺を歩く「広瀬すず」と「岡田将生」は絵になるだろう。浜辺を「麻木貴仁」と「和田光沙」が歩いてたら申し訳ないがちょっと怪談めく。


◆『犯す女 愚者の群れ』ポレポレ東中野
愚者の群れ
▲これが最新作なのでクロックワークスさんから画像ガメてきた。

五つ星評価で【★★★★これもぶっ飛び】
女が罪人で匿われながら(匿う方にも弱みがある)徐々に惹かれあっていくのは男女逆転の『人妻セカンドバージン』みたい。あれより口当たりがいいのは今回の方が罪人でも男女とも普通の人だから。
主演女優・浜崎真緒のハスキーだけど可愛いげのある声とポコンとした感じのボディーが好み。
ヒロインに対峙する男役に守屋文雄。今まで『箱舟の女たち』『恋の豚』と見てきたが、三者三様どれも自然に違う人間に演じられてて驚く。『箱舟の女たち』では、ゴルゴのような冷酷無比なクール・ガイ、『恋の豚』では心優しいこだわりのない男。今作では気弱に愛を育む男。
細川佳央が見ていて本当に排除したくなるクズを演じてる。悔しいけれどヒールがおもろい物語は良い物語だ。あと裏から絡んでくるバカ兄妹が秀逸。あれが要所要所いいコメディ・リリーフになってる。ちなみに俺も鼻詰まってるよ。
愚者7人が七つの大罪よろしく群がって歩く姿はベルイマンの『第七の封印』チックと言うのは考えすぎだろう。


◆『ケイコ先生の優雅な生活』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★★七海ななバツグン】
もうすっかり七海ななの可愛いダメっぷりにやられまくり。城定組の常連、七海ななのどっぷり安定感。七海ななと吉岡睦雄が『人妻セカンドバージン』コンビだが、今回は七海ななが単に弱い役なので、ラリリながらの反撃はない。教頭先生役の牧村耕次まっすぐで普通の事はなんなくこなすけど、細かい事に向かなそうな感じのいいキャスティング。
濡れ場はともかく風呂でも眼鏡を外させない城定監督の性癖が頑固すぎる。
宇宙人でも背中にブラ線出るのはオマヌケな感じでちょっと好き(どうでもいい部分)。


◆『花咲く部屋、昼下がりの蕾』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★悪いのではなく苦手】
シリアス系。ちょっと先が読めたので後半ウトウトしてしまった。花部屋での緑のライティングで浮かび上がる人体の異物感が切断面が緑色である『死霊狩り』のゾンビを思い出す。どう考えても関係ねーよ。インサートされる蝸牛のショットが素晴らしい。花屋、花部屋ともに覆われてる一面の花が美しい。下手な人が撮るとみずぼらしくなってしまうんだけど、一般映画に出てくる花屋みたいに綺麗(少なくとも連ドラでTVモニターに映る花屋より綺麗)。


◆『わたしはわたし OL葉子の深夜残業』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★★傑作】
多重人格もの。自分の知らない間に自分の生活を阻害しようとする淫乱な別人格に悩む葉子は意外な行動に出る。いや、多重人格もので、こういう解決方法があるとは思わなかった。ちゃんと明確な別人格に見える市川まさみの演技力ブラボー。
昼の主人格「私」は普段着で性に厳密、夜の副人格「彼女」はよそ行きで性に奔放、昼に抑圧されていて出来ない事をやる。普段着の「私」がテロテロのTシャツを着ているのと同じように、「私」の仕事のイケてない作家先生がやはりテロテロのTシャツを着ているのが、とても微笑ましい。
男が考える理想のSEX相手は身体が成人で心が5才児ってそれはそれでヤバい真理が浮かび上がる。


◆『妻の秘密 夕暮れてなお』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★ヤバいけど終わって見れば純文学的な仕上がり】
エロ爺が息子の妻に懸想する、ベタなエロだけど、終わって見るとまるで純文学のような仕上がり。
男は死ぬまで枯れないのは何かの罰のよう。天使もえさん儚げ。声を張るシーンのギャップがいい。
この映画に限らず、主役の女性が酒を飲んだり、薬でヨレヨレになったりなのは弱者になる言い訳を作ってあげてるのかな?妻の最初のTシャツは『わたしはわたし』の主人公が着てた物と同じ。映画内で使ってるラブホも十二単のイラストがある同じラブホ。
旦那が守屋文雄であることエンドロールでやっと気づく。ひえっ。


◆『僕だけの先生 らせんのゆがみ』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★怖い。ただ怖い。】
家庭教師の女子大生がムチャクチャ、チャラくて、日常生活でもSEXばかりしてて、それはそれで困った事に可愛くてたまらんのだけど、監禁されてボソボソとしたSEXを強要されるようになると、花が咲かない家庭菜園みたいに主人公のチャーミングさも減じていくのが何か凄い。問題行動を起こす姉弟の姉の方は凶悪で強烈。弟の方は気持ち悪がられるではあろうが、自分の分身っぽくて贔屓目に見てしまう。あれはあれで健気じゃん。ああいう情熱は凄く分かるだけに許してしまう。あと、本人否定しそうだけど、弟の外見がちょっと城定監督に似てる。


◆『悲しき玩具 伸子先生の気まぐれ』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★古川いおりの表情たまらない】
二面性を演じて決して意地悪な酷い女に見せない古川いおりの演技が凄い。あの最初に自分のエロい姿を見つかった時の軽く笑いながらも「あら?」とパニックで思考が完全に止まっているながら、それでも決して後退しないシーンとかともかく素晴らしい。
彼とそうなってしまった後、キッチリと話に決着が付いてないように思えてしまうのは、私の脳が石川啄木の詩を自動的にスルーしてしまうからだろう。


◆『悦子のエロいい話 あるいは愛でいっぱいの海』ポレポレ東中野
五つ星評価で【★★★あれれれれれれれれ?】
今回の作品は「全作品劇場初公開」の筈だが、見た記憶がある。私、5年に一本くらいしか映画館以外で映画を見ないので、おそらくこれも劇場で見ていると思う。いつ見たのかはっきりした記憶がなく分からないのだが、その事にともかく驚いた。
ヤリマンだけど気のいい女子高生が頭からケツまで、ずっといろんな男達とやり続けるのに見終わると純愛ものにカテゴリーされるビックリ映画。
これも主人公は守屋文雄。


【銭】
『ミク、僕だけの妹』:ポレポレ東中野5回券6000円のうち4回目使用。
『犯す女 愚者の群れ』:上記リピーター割引で1200円。
『ケイコ先生の優雅な生活』:ポレポレ東中野10回券10000円のうち1回目使用。
『花咲く部屋、昼下がりの蕾』:同回数券2回目使用。
『わたしはわたし OL葉子の深夜残業』:同回数券3回目使用。
『妻の秘密 夕暮れてなお』:同回数券4回目使用。
『僕だけの先生 らせんのゆがみ』:同回数券5回目使用。
『悲しき玩具 伸子先生の気まぐれ』:同回数券6回目使用。
『悦子のエロいい話 あるいは愛でいっぱいの海』:ポレポレ東中野5回券6000円のうち5回目使用。
▼作品詳細などはこちらでいいかな(今回は作品詳細が描かれてないので割愛)
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