毎回、会社の経費について謎が生まれ、
じっちゃんは出てこないので「じっちゃんの名に賭けて」とは言わず、
「兎を追うな」という謎のキーワードをブツブツ呟きながら
多部未華子が謎を解明する一話完結タイプのドラマ。
正月期間中に深夜枠で集中再放送をしてたので録画して見た。
ラストまで経費の裏に隠れている事件が何故「うさぎ」なのかは明かされなかった。
多部未華子が超上手い。
会社にいる時は地味OL。プライベートはぬくぬくお一人様。ぶっちゃけ多部未華子は処女っぽいから30まで恋もせず、お付き合いもなかったというのはリアルすぎる(まあ、現実にはこの間、結婚してしまったけど)。そんな彼女が会社の後輩に猛アタックを掛けられてタジタジになってるのもおもろい。今、気が付いたけどNHKだからそういうのドラマ内で展開せず控えたという可能性もあるが、物語が終わった時点でドラマの展開から見てまだ処女なのだ。ボーイ・フレンドは海外に長期勤務に行ってしまい、彼女は「待つ」と言ってるから、まだしばらく処女のまま。ナイス・バージン。
しかし、営業部でも、総務部でも、広報でも、秘書でもない、経理部にいそうな女の子という多部未華子の演技解釈が完璧すぎる。ともかく全てにキチっとして、派手さはなく、控えめで感情が表に出ないけど、芯は強い。
彼女の所に届く領収書が正しく会社のために使われている物かどうか、毎回、思いも寄らない事件が起きて大ゴトになって争われる。そこには表面上の金額だけでは分からないそれぞれの事情が隠れている。多部未華子はその事件を過去のトラウマから出来れば「解決したくない」と思い込んでるのだが、それでも周りに泣きつかれると知恵を貸してしまう。
これはやはり「美味しんぼ」ドラマの亜流であるのだが、主人公を経理部員にして、謎を企業の中に流れる経費にした事で、抜群にリアリティーのある話になった。毎週毎日料理にまつわる謎が発生し、それを料理の蘊蓄で解決する話には無理を感じるが、経理部員が経費を扱う話には頻度的にも嘘を感じつらい。
彼女が正しさを目指しながらも、正しさだけを盲信しない「いい人」であるのもポイント高い。物事は正しい方が良いけれど、正しいだけでは全ての人が幸せになれない事も彼女は分かっている。
ドラマの後半、全て正しくない秘書室のベッキーと、全てを正しくしなければ気が済まない新経理部員の江口のりこの諍いが一番盛り上がった。江口のりこのウザさは分かっていたが、ベッキーの猛獣具合も素晴らしい。この役、割と匙加減が難しい役だ。全身全霊を込めすぎて真に迫った嫌われ者になってしまうと今後の役者として損だ。ベッキーはどれほどイヤな役を演じても「素」は違うだろうと言う安心感がある。いやあ、ベッキー見事だ。
でんでんが出る回に千葉で地震があって、20分くらい中断したのにもビックリした。
スポンサーサイト