問われたからには全力で挑むが、あえて表道は避けた。
表の大通りじゃないんだけど、それはそれで分かるゆーんを選んだ。
だって、表道はもっと適した人が適した映画を選ぶだろう
(ふんっ、ふんっ←拗ねてる)。
順不同
◎『県警対組織暴力』 深作欣二の実録路線ヤクザ映画。実録ヤクザ映画だが主人公は菅原文太演じる刑事である。男、男である。男はこうでなければならない(女じゃないし、こうでもないが)。これは完全で完璧な正義の映画。正義が完全で完璧である為には悪をも包括すべきという。そして、正義には力が欠かせない。実は深作欣二の映画で一番好きなのは『バトル・ロワイアル』なのだが、あれは完全とか完璧とかとは違う映画だ。まあでも、青春って未熟なもんだし「完璧な青春」ってAI搭載の男女ラブドールのセックスみたいで気持ち悪い気がする。
◎『エル・トポ』 アレハンドロ・ホドロフスキーのカルト映画。西部劇なのに哲学映画で映画美術の極北。非常識である事を除けば完全で完璧な映画。逆に完全で完璧な映画に常識はいらない事の証明。神様が映画を作ったみたいと言うか、殺された兎500匹の霊に祟られながら守られている。多分、この映画が「完全で完璧」でないなら、何に対して「完全で完璧」であるかのテーゼが間違えている。アレハンドロ・ホドロフスキー自身はこの後、作るごとに少しずつ綻んでいって、今ではかなり普通の凡作を作るようになってしまった。
◎『シン・ゴジラ』 庵野秀明が無意識理にオタクである事の祝福を完膚なきまでに描いた作品。軍事行動に移るまでの官僚社会での形式も含めた会議、会議、会議の連続が面白いのが異常。そして軍事行動前半の重厚さと後半のはじけきったオモチャ箱ぶちまけたかのような大騒ぎが楽しい。攻撃されるゴジラもオタクの結晶だし、攻撃する対策チームも出来損ないとかはみ出し者の寄せ集めチームという屑と屑のぶつかり合いに顔もほころぶ。
◎『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』 カンフー映画から一本。カンフー映画の胸の高まりは他の映画のどれとも違う。これを選んじゃうとチャウ・シンチーを入れられなくなると言う苦渋の選択でもある。ドニー・イェンの『イップ・マン』とかもステキだけど、あれは映画よりもドニーさんがステキなのだと思う。
◎『ファントム・オブ・ザ・パラダイス』 別に誰も異論はないであろう。チンケな部分があっても魂の慟哭に揺さぶられてしまうのだ。こんな辛い話なのにキラキラステキでたまらない。
★ちなみにあまりに完全で完璧でないので、どうしても5本の中に入れられないのだが、私が一番好きな映画は『逆さ吊し縛り縄』という成人映画です。しかし、完全で完璧な映画もいいけど、そういうのだとアイドルがただ可愛いだけの映画とかは入らない。そういうのも好きというより、そういう方が好きだから、女の子が可愛いだけの映画が5本の中に入らなかったのはちょっと残念だった。まあ、女の子が可愛いのも完全で完璧ではないからだろうしな。以上。