
▲「前ストローって下ネタかよ!」。
五つ星評価で【★★長くて変な映画】
実在の女性指揮者アントニオ・ブリコの半生を描く。
英語の原題は『Conductor(指揮者)』であるが、これは邦題『レディ・マエストロ』に変えて正解だったと思う。原題よりタイトルから内容を想起しやすくなっている。原題以上に作品の内容を語りつつ決して野暮ったくならないのなら、それはいいローカライズ題名である。『女指揮者』という直球の題名もなくはないが、オシャレ感低いので没だ。
そこそこの長さの割には、映画への没入を妨げるのは、主人公がピアニストになりたいのか、指揮者になりたいのか、出生の秘密を知り全てを明らかにしたいのか、ただ愛に溺れたいのか、まあ、局面局面いろいろあるのだろうけど、都度都度行き当たりばったりで、一人の人間の個性としては首尾一貫してないように見えてしまうからだ。最終的に指揮者がゴールラインなのだが、何故、そこまで指揮者になりたかったのかがよく分からない(幼児の時の記憶で済ますのか?)。そういう意味では彼女の出生の秘密も、何故、産みの親から取りあげられ、何故、愛情の薄い育ての母に育てられたかもハッキリしない。語る事は多いが、何故それが語られているかがとても御座なりである。
オランダ映画である。主人公はオランダからの移民、舞台は主にアメリカ、修業時代としてヨーロッパがちょっと映る。で、主人公が愛に溺れて「妻」になろうと思い詰める場面がある。おおっ、ダッチワイフじゃん(=オランダ妻)。おそらく劇場でそんなこと考えてたのは俺くらいだろう。
【銭】
ギンレイホール会員証で入館。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・レディ・マエストロ@ぴあ映画生活