『ながぐつ三銃士』『長靴をはいた猫 80日間世界一周』『空飛ぶゆうれい船』渋谷TOEI②
- Date
- 2020/07/13/Mon 00:53
- Category
- 映画(FC2独自レビュー)
とーあに!これくしょん3本まとめて。
◆『ながぐつ三銃士』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★いきなり西部劇】
1972年、カラー、53分、初見。
「ながぐつ三銃士」って長靴を履いてるのペロだけやん。それにしても前回の剣と魔法の話の続きが何で西部劇になったのだろう。ペロ自身が素晴らしい特技を持っている訳でもないのに(ないよね)、フーテンらしき青年を見下したような言動するのが、どうにもカチンと来る。まあ、これはその頃の若者の背伸びして自分を大きく見せようとするような性質を表わしているのかもしれない。ヒロインのアニーは仲間由紀恵にちょっと似てる。今作には悪役の副業として贋金作りがあり、第三作の『世界一周』には、時計台の中で悪漢と追いつ追われたりをするアクション・シーンがあり、ニヤっとしてしまう。ちなみに悪役はヒロインのアニーの貞操に興味を持ったりしない。そこは子供まんがの子供まんがたる由縁だ。
◆『長靴をはいた猫 80日間世界一周』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★そして、今度はヴェルヌの世界一周】
1976年、カラー、58分、初見。
猫の声がなべおさみ。だが、これがピッタリでビックリ。
前二作では人間の世界に、人間語を喋れる猫や鼠がオジャマしている体だったが、この物語の中では登場人物は全て擬人化した動物になっている。ガリガリ博士なんて、外観はホームズのモリアーティ教授そのものだ。
基本追いつ追われつドタバタしてるのだが、落ちがあってのドタバタではなく、ただ果てしなく手段や場所を変えて追いかけ続けているので、変化に乏しく、ダレる。もう、ただ動きの面白さとかだけで画面に釘付けになれるような年ではないのよ、私は。ヨボヨボ。
◆『空飛ぶゆうれい船』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★★雑ではあるがひたすらシニカル】
1969年、カラー、60分、多分2回目(初回はTV)。
相変わらず石森章太郎マンガの主人公は社会を舐めている風の上から目線で、ちょっとイラっとする。Tシャツ、半ズボン、マフラーみたいな妙なモテ風ファッションが気持ち悪い。とは言え、この話の主人公は、悪役にこれでもかとひどい目に合わされており、性格が悪いくらいは許してやろうという気持ちになってしまう。全てをなくした少年の嗚咽が悲しい。野沢雅子の演技が凄い。的確な乗せ音楽も相まってついつい泣かされてしまう。
主人公と父親が会社からの帰路で、都市がいきなり巨大ロボットに襲われ、国防軍(「自衛隊」ではなく「国防軍」と言っていた)との交戦の巻き添えを食うシーンは唖然。いきなり戦車に踏みつぶされる民間車。こえー。この都市破壊のシーンは宮崎駿が担当したらしい。
恐るべきは敵。真の敵は海底に巣食う化け物みたいな描写なのだが、その前哨戦として、「空飛ぶゆうれい船」を悪としてアピールするために市中被害などを無視して交戦している。この交戦その物が悪の組織のイベントであり、使った武器・弾薬は国防軍を経由して、国内軍需企業より補填される。これらの戦争行為を系列企業のTV局が意図を変えて垂れ流す。国民にはコマーシャル込みで大ヒットした毒入りの商品が与えられ、その売り上げで戦争が更に潤ったりする。経済が戦争を支えるこの構造がとてつもなく今的。
主人公は紆余曲折、「悪」と信じていた「ゆうれい船」に乗り込み、国と戦う。
悲壮な戦いに身を沈める主人公が戦うメカが最新鋭の技術を隠した幽霊船というギミックがかっこいい。これはちょっと「ヤマト」に通じるアナクロなかっこ良さ。
幽霊船に乗ってる女の子がヒロインだけど、掘り下げられてないなあ。
あと4人を除いて全員、死亡したような事故を引き起こしたのだから、故意ではなくても主人公にはちょっとくらい反省してもらってもいいのではないか?
OPのホラー演出がなかなか怖い。
ボアジュースのCMが今ても通用しそうなほど秀逸。
【銭】
旧作価格で各1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ながぐつ三銃士@ぴあ映画生活
・長靴をはいた猫 80日間世界一周@ぴあ映画生活
・空飛ぶゆうれい船@ぴあ映画生活
◆『ながぐつ三銃士』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★いきなり西部劇】
1972年、カラー、53分、初見。
「ながぐつ三銃士」って長靴を履いてるのペロだけやん。それにしても前回の剣と魔法の話の続きが何で西部劇になったのだろう。ペロ自身が素晴らしい特技を持っている訳でもないのに(ないよね)、フーテンらしき青年を見下したような言動するのが、どうにもカチンと来る。まあ、これはその頃の若者の背伸びして自分を大きく見せようとするような性質を表わしているのかもしれない。ヒロインのアニーは仲間由紀恵にちょっと似てる。今作には悪役の副業として贋金作りがあり、第三作の『世界一周』には、時計台の中で悪漢と追いつ追われたりをするアクション・シーンがあり、ニヤっとしてしまう。ちなみに悪役はヒロインのアニーの貞操に興味を持ったりしない。そこは子供まんがの子供まんがたる由縁だ。
◆『長靴をはいた猫 80日間世界一周』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★そして、今度はヴェルヌの世界一周】
1976年、カラー、58分、初見。
猫の声がなべおさみ。だが、これがピッタリでビックリ。
前二作では人間の世界に、人間語を喋れる猫や鼠がオジャマしている体だったが、この物語の中では登場人物は全て擬人化した動物になっている。ガリガリ博士なんて、外観はホームズのモリアーティ教授そのものだ。
基本追いつ追われつドタバタしてるのだが、落ちがあってのドタバタではなく、ただ果てしなく手段や場所を変えて追いかけ続けているので、変化に乏しく、ダレる。もう、ただ動きの面白さとかだけで画面に釘付けになれるような年ではないのよ、私は。ヨボヨボ。
◆『空飛ぶゆうれい船』渋谷TOEI②
五つ星評価で【★★★雑ではあるがひたすらシニカル】
1969年、カラー、60分、多分2回目(初回はTV)。
相変わらず石森章太郎マンガの主人公は社会を舐めている風の上から目線で、ちょっとイラっとする。Tシャツ、半ズボン、マフラーみたいな妙なモテ風ファッションが気持ち悪い。とは言え、この話の主人公は、悪役にこれでもかとひどい目に合わされており、性格が悪いくらいは許してやろうという気持ちになってしまう。全てをなくした少年の嗚咽が悲しい。野沢雅子の演技が凄い。的確な乗せ音楽も相まってついつい泣かされてしまう。
主人公と父親が会社からの帰路で、都市がいきなり巨大ロボットに襲われ、国防軍(「自衛隊」ではなく「国防軍」と言っていた)との交戦の巻き添えを食うシーンは唖然。いきなり戦車に踏みつぶされる民間車。こえー。この都市破壊のシーンは宮崎駿が担当したらしい。
恐るべきは敵。真の敵は海底に巣食う化け物みたいな描写なのだが、その前哨戦として、「空飛ぶゆうれい船」を悪としてアピールするために市中被害などを無視して交戦している。この交戦その物が悪の組織のイベントであり、使った武器・弾薬は国防軍を経由して、国内軍需企業より補填される。これらの戦争行為を系列企業のTV局が意図を変えて垂れ流す。国民にはコマーシャル込みで大ヒットした毒入りの商品が与えられ、その売り上げで戦争が更に潤ったりする。経済が戦争を支えるこの構造がとてつもなく今的。
主人公は紆余曲折、「悪」と信じていた「ゆうれい船」に乗り込み、国と戦う。
悲壮な戦いに身を沈める主人公が戦うメカが最新鋭の技術を隠した幽霊船というギミックがかっこいい。これはちょっと「ヤマト」に通じるアナクロなかっこ良さ。
幽霊船に乗ってる女の子がヒロインだけど、掘り下げられてないなあ。
あと4人を除いて全員、死亡したような事故を引き起こしたのだから、故意ではなくても主人公にはちょっとくらい反省してもらってもいいのではないか?
OPのホラー演出がなかなか怖い。
ボアジュースのCMが今ても通用しそうなほど秀逸。
【銭】
旧作価格で各1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・ながぐつ三銃士@ぴあ映画生活
・長靴をはいた猫 80日間世界一周@ぴあ映画生活
・空飛ぶゆうれい船@ぴあ映画生活
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