fc2ブログ

『王の涙 -イ・サンの決断-』トーホーシネマズ池袋4

◆『王の涙 -イ・サンの決断-』トーホーシネマズ池袋4

▲五分割してる左二つ目のコマが恐るべき祖母。

五つ星評価で【★★★★ヒョンビン繋がり】
ヒョンビンの旧作『王宮の夜鬼』見たら、同じく旧作のこれを勧めてくれる人がいて、ちょうど1日だけ上映があったので見に行きました。
おー、おもろい。
ヒョンビンだけの手柄でもないけど、『王宮の夜鬼』よりはこっちの方がストレートに苦労人な役で良い。こういう役柄は日本人として凄く好感持つ。怠け者よりは誠実な努力家が好きよ、ごくごく普通に。

半島の歴史的な素地は分からんので、最初に軽く説明してくれたのは助かった。配給会社はこういう労を惜しんではならない。
権勢のない王様を主役に、濃いキャラの男女が王宮に渦巻く。ゾンビは出てこない。
が、ゾンビ以上に、王の祖母(祖父王の再婚相手なので若い)が怖かった。人としての考えが読めない。これがとても怖い。同情心や憐憫などを感じず、痛痒なく敵を退ける。敵でなくても1%でも敵の可能性があれば摘む。どちらかと言えば楽しんでる素振りさえ見せてやる。こわいわ、人間離れしてて。
同様に怖いのは、王宮の役人に盗みや殺しなどの汚い仕事をさせる奴隷を売る人買い、これもメンタリティーの壊れ方が並以上で怖かった。リアリストを突き詰めるとこの二人のようになるのかもしれない。
あと、強烈なキャラは王宮に売られた3人の奴隷。
自分達の仕事に疑問を持ちながらも雁字搦めに縛られてひっくり返す事は出来ない。
彼等は自分達も、仲間も、卑しいが故にどちらの勢力からも捨て駒として使われる事を知っている。
そして奴隷の一人は遂に知る。この連鎖を断ち切れる才能が王かもしれないと。そして、その芽は今、摘まれようとしていると。

王の実戦的な短弓がかっけー。

物語の冒頭で時制が順序ポコポコ変えるのは面食らう。


【銭】
旧作公開価格で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
王の涙 -イ・サンの決断-@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
王の涙 -イ・サンの決断-@いやいやえん
スポンサーサイト



トラックバック

URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

王の涙 イ・サンの決断

幼くして父を殺され、25歳で祖父である先王・英祖から王位を継承した朝鮮半島・李朝第22代国王イ・サン。 義理の祖母にあたる英祖の若き後妃・王大妃は、軍権を握る将軍らと、王の暗殺計画を立てている疑いがあった。 権力争いが激化し策謀渦巻く宮廷で、イ・サンが信じられる家臣は、書庫を管理する宦官(去勢された官吏)のカプスだけ。 1777年、ついに暗殺計画が実行に移されるが…。 歴史ドラマ。 PG-12

王の涙 -イ・サンの決断-

【概略】激化する党派争いの中で暗殺の脅威に苦しむ若き王、イ・サン。心を許せるのは側近の宦官・カプスだけという状況の中、宮中に強大な策謀が渦巻き始め、ふたりも巻き込まれていく。 史劇 .0★★★★☆ 陰謀渦巻く王朝を舞台に、実在の王イ・サンをめぐる暗殺事件「丁酉逆変」をモチーフにしながら史実に残されながらいまだ謎の多い歴史の内幕を描いた作品。 理想を抱きながらも暗殺の危機に怯えていた若き王...

コメント

非公開コメント

こんにちは。

良かった!楽しんでもらえて。★4なら楽しんでいただけたと思ってもいいですよね???
私の中ではヒョンビンといったらこれです。
カプスへの絶対的な信頼が揺らいだときの「あの折は刺客であったか!」と問いただすシーンが好きです。王の孤独が浮き彫りになる。
実際にあったイ・サンをめぐる暗殺事件「丁酉逆変」をモチーフとした話のようでしたが、ここから中庸の文章の様に国王イ・サンが善政をしいたってことを想像すると、ほんと後半、感極まる…。

Re: こんにちは。

こんちは、makiさん。

> 良かった!楽しんでもらえて。★4なら楽しんでいただけたと思ってもいいですよね???

ちょっと圧倒されましたね。



> カプスへの絶対的な信頼が揺らいだときの「あの折は刺客であったか!」と問いただすシーンが好きです。王の孤独が浮き彫りになる。

あれはキツい。振られた彼女に「この時までは本気だったのか?」と聞いてるみたいだった。



> 実際にあったイ・サンをめぐる暗殺事件「丁酉逆変」をモチーフとした話のようでしたが、ここから中庸の文章の様に国王イ・サンが善政をしいたってことを想像すると、ほんと後半、感極まる…。

あれで悪政をして大虐殺とかしちゃったら人間として運がなさすぎる。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

最新記事だ
検索できるんだ
最新コメントだ
最新トラックバック(直結)だ
俺のリンク集
カテゴリだ
月別アーカイブ(タブ)
カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる