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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『大コメ騒動』トーホーシネマズ日本橋6

◆『大コメ騒動』トーホーシネマズ日本橋6

▲真ん中三人の演技が凄い。

五つ星評価で【★★★★井上真央が凄い】
映画全体としては主人公のやりきりに呼応した悪漢のギャフンがないのが不満なのだが、ともかく井上真央が素晴らしくて、そういう「あれっ、あそこ足らんかったんじゃないの?」な部分は見た直後、思い浮かばなかった。井上真央はちんまくて、黒くて、目がギョロギョロして、黒蟻のようだ。ちょっと大丈夫だろうか?ぐらいな感じに挙動不審で、つまり、余裕がなく、いきなりバタンと倒れそうに見える。日焼けで肌が黒いのは浜に出てる女達は皆、同じなのだが、井上真央の黒さには何だろう、隙がない感じがする。その井上真央は極貧の身の上ながら、文字が読めて学問が好きだ。周りの女達はみな文盲で、井上真央の事を「変わり者」扱いしている。どちらかと言うと文字が読める事で彼女は逆に差別をされているのだ。この構造がたまらない。新聞などの正しい情報を彼女が周りの女達に警告として伝えると、彼女がそれを呼び寄せたものであるかのように非難をされる。だからと言って、それらの情報が必要とされない訳でもなく、せっつかれて話をしては非難を受けている。全体貧乏な集落の中で、彼女がスケープゴートとして機能していて、それをくつがえそうものなら村八分に会うのも目に見えている。

村の女の生き字引みたいな、と言うより生きすぎて妖怪になったような役を室井滋が演じる。室井滋すげーのー。
井上真央の姑役に夏木マリ。ちょっと夏木マリの印象でなかったので驚いた。

男の役者はいろいろ出てるけど、何かちっこい役ばかりが当てられている。
その中でも幼女に執拗に絡んで手を握ってニヤニヤする石橋蓮司の気持ち悪さは出色。もう、すっかり名優なんだから、今から傷跡とか残さなくてもいいでしょ。ただ、石橋蓮司だから演技で済むけど、他の役者がやったら「あの人本当にロリじゃないの?」とか言われそうだから石橋蓮司でよかったのかもしれない。

タイトルロゴの「大」に「だい」とフリガナ振ったのは「オオコメ」だと「オオメコ」っぽくて、それはちょっと不味いかもって気遣いじゃないだろうか。でもまあ、映画の内容としては、かなり「オオメコ騒動」な内容でありました(言っておくが濡れ場は一切ないぞ)。


【銭】
トーホーシネマズデーで1200円均一。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
大コメ騒動@ぴあ映画生活
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大コメ騒動

1918(大正7)年、富山。 漁師の妻・松浦いとは、3人の子を持つ女仲仕(おんななかし:船荷を運ぶ港湾労働者)。 日当の二十銭で米一升が買えていたのに、米がどんどん値上がりし暮らしは困窮してゆく。 シベリア出兵に備えて米が北海道へ送られるせいだと知った女たちは、米の積み出し阻止を試みるも失敗。 その小さな騒動が「暴動」として新聞記事に取り上げられる…。 社会派ドラマ。

  • 2021/01/17(日)10:37:10 |
  • 象のロケット