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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『劇場版ポケットモンスター ココ』『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』ユナイテッドシネマ豊洲2,8

同日鑑賞2本をまとめてライトに。

◆『劇場版ポケットモンスター ココ』ユナイテッドシネマ豊洲2

▲上白石萌歌。

五つ星評価で【★★★★ターザンをポケモン世界に翻訳】
ジャングルでポケモンに拾われて育った子供、ココ、彼はジャングルでスクスク育ってそれなりに無敵。だが、そのジャングルに侵略者である人間が。実にターザン。ターザン映画ではミッシング・リンクの類人猿だったり、ゴリラだったりする親の役は「ザルード」というウータンとゴリラの中間に毛がボーボーみたいなポケモンが務める。このザルードという種族がアフリカの戦闘部族のように彼等独自のプライドと選民思想を持ちながら、軍隊のような強さで楽園を守っている。ココを育てる為にザルード群から弾き出されたザルード父ちゃんとココの種族を越えた信頼の話が良い。朝ドラでこれでもかと反面教師のクズ親を演じているトータス松本が歌う「父ちゃんの歌」も良い。ココが素直で可愛い(上白石萌歌ちゃんの声も熱演)。このまま、実は第二次成長期がまだで、胸が膨らんできて、サトシが「服、着ろよお」みたいなブラのないラブコメ展開に進んでほしい。上白石萌歌ちゃんがトップレスで演じてほしい。(*´Д`)ハァハァ 父ちゃんザルードの中村勘九郎も熱が入った演技でよかった。他の二人、山寺宏一と中川翔子はもう普通にプロだから上手いも下手もない(上手いけど)。ロケット団、何をやりたいのかがよく分からない。何か便利に脚本家に使われてるなあ。サトシ「ピカチュウ10万ボルトだ!」そればっかだなあ。ザルードが神殿を守る戦闘部族で、ジャングルのポケモンが雑多な難民で、ジャングルを開発しようとする人間がポケモンを野蛮な獣としか見てなかったり(野蛮かどうかはともかく獣ではあるが)、SWの帝国は白人純血主義みたいな考えの流れが裏にあるのかもしれない。
最後にココが取った行動は、ポケモン映画の中での最終回答であるかもしれない。
トータス松本もいいけど、ボンゴボンゴ響くザルードの歌も肉感的で好き。


◆『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』ユナイテッドシネマ豊洲8

▲誰かに似てると思ってたのだが、ゼントラーディ人のブリタイだ。

五つ星評価で【★★★短編2本】
30分の新作アニメ2本を劇場用映画としてカップリング、1300円という価格なら妥当と思ってしまうくらい、昨今の特別上映は高価になっている。
背景的に「恐ろしい物語」として語ろうとすれば語れるが、「怪異」が「妖怪」である場合は、実はそれほど大きな恐怖を伴わない。「幽霊」や「悪霊」と違い、「慮外の物」ではあるが、明らかな害意を向けてきたり、自分らの意思の為に他の存在をとことん無視するような排外性が少ないからだ。「妖怪」は「人間目線」で捕えた「自然界の挙動」である事が多い。例えば自然界の雪害に人格を与えたのが「雪女」である。そこには人に見立てた「人格」や「意識」がある。そういう物とは折衝が可能だ。だから、彼等に付随する恐怖感は薄い。ただ「人間」と「妖怪」では、世界に対する向きあい方や考え方が違うので、相手を知らないが故に、噛みあわない事もある。主人公の夏目は「怪異」である相手に対して、それがどういう存在で何を求めているかをゆっくり噛み砕こうとする優しさと真摯さを持つ。決して「人間が至高である」との考えに偏らない。それがこの物語を優しくしているし、大人な味付けにしている。このマンガのオリジナルは少女マンガであるが、さもありなん。「他者」とどう共存するかという思想が女性的な考え方なのである(いいとか悪いとかではなく)。逆に少年マンガだったら、「他者」をどう従えるか、になる。これは男性的な考え方である(単純に鬼太郎なのだ)。
単に同じ日に見ただけだが、『ポケットモンスター ココ』の異種部族の争いについても、それぞれの部族の立場で考える事で平和が成立する。この話の終わらせ方は実に少女マンガ的な結論に到達している。但し、その役目を担うのはポケモンに育てられた人間という特殊な存在である。彼を「勇者」ととらえれば、彼の開拓する全ての者が彼に従わされる者とも言える。この構造は少女マンガ的でもあり、少年マンガ的でもある。この「勇者」と夏目の存在は実はよく似ている。ポケモンに育てられた少年のように、夏目も人間にスポイルされ、怪異に育てられた存在である。狭間の位置にいるので、どちらに対しても公平な目で立場を見る事が出来る。ただ、違うのは彼はその異なる二つの母体を決して一つの物にしようとは考えていない事だ。二つの母体は争うような位置にはないので、わざわざ一つにする必要はないのだが、夏目がミニマムに行っている事は「人」のいる世界で「怪異」が不幸にならずに存在できるあり方の模索だったりするので、進む方向は大きく変わらなく見える。だがまあ、夏目が「勇者」のように、二つの世界を一つに開拓して行くなら、その物語は大川隆法的な物語になってしまうだろう。それは誰も求めていまい。そして、逆に言うならば、ポケモン世界の「勇者」とて、彼が開拓するこれからの道は大川隆法のような荒れ地の開拓になるに違いないのだ。
前置きが超長くなった。
『石起こし』:ミツミの純粋な感じに心がほだされる。しかし、岩鉄がアバウトであっても、岩起こしまでの経緯はちゃんと見ているのではないかという気もする。それは見ていてほしいという願望かもしれないが。
『怪しき来訪者』:怪しい。

【銭】
『劇場版ポケットモンスター ココ』:有料入場ポイント2ポインを使って1000円で鑑賞。
『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』:特別価格1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
劇場版ポケットモンスター ココ@ぴあ映画生活
夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者@ぴあ映画生活
▼関連記事。
夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~(一作目)@死屍累々映画日記・第二章
・夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者(二作目)@死屍累々映画日記・第二章
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コメント

ポケモン

>実は第二次成長期がまだで、胸が膨らんできて、
おい、胸が膨らむ少年だと、普通は「でぶ」ってことだぞ。

>ザルードの歌
「掟のうた」は伏線だったんだな。
「巧いなぁ」と思いました。
しかし「ココ」の話がないと、森のポケモン対人間という殺伐とした世界が展開したんだな。

>サトシ「ピカチュウ10万ボルトだ!」そればっかだなあ。
サトシのキャラが嫌いなんだね。
「ココ」にとって大事な台詞があったでしょ。

  • 2021/01/18(月) 00:01:26 |
  • URL |
  • 粕人間 #-
  • [ 編集 ]

夏目友人帳

漫画はいつ終わるんだろう。
20巻以降、読んでないなぁ。

  • 2021/01/18(月) 00:06:44 |
  • URL |
  • 粕人間 #-
  • [ 編集 ]

Re: ポケモン

こんちは、先輩。

> おい、胸が膨らむ少年だと、普通は「でぶ」ってことだぞ。

女性が声を充ててるんだから「どろろ」展開があってもいいっしょ。



> しかし「ココ」の話がないと、森のポケモン対人間という殺伐とした世界が展開したんだな。

劇場版のポケモンって人間が自然のタブーに手を出して、伝説ポケモンが怒って、末端のポケモンがひどい目に会うみたいな展開、多くない?



> >サトシ「ピカチュウ10万ボルトだ!」そればっかだなあ。
> サトシのキャラが嫌いなんだね。
> 「ココ」にとって大事な台詞があったでしょ。

サトシは名探偵ピカチュウの黒人小僧と比べるとまだ嫌いじゃない。ただ、サトシ、戦いのアウトラインなどもピカチュウに任せっきりで、ポケモン・トレーナーとしてはセンス悪いと思う。

「ココ」にとっての大事なセリフ?
「待ってココ、ココのこの部分をこうして、こうしてごらん、どうだい、気持ち良くなったかい?」みたいなのかな?

  • 2021/01/19(火) 12:42:29 |
  • URL |
  • fjk78dead #-
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劇場版ポケットモンスター ココ

人里離れたジャングルの奥地に、厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園「オコヤの森」があった。 川辺で人間の赤ん坊を見つけたポケモンのザルードは、森の掟に反して赤ん坊をココと名付け、群れから離れふたりで暮らすことに。 …10年後、自分はポケモンだと信じている少年ココは、オコヤの森にやってきたサトシとピカチュウに出会う…。 アニメーション。

  • 2021/01/21(木)02:46:46 |
  • 象のロケット