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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『街角 桃色の店』『小間使』シネマヴェーラ渋谷

特集「ソフィスケイテッド・コメディへの招待」の2プログラム。

◆『街角 桃色の店』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★ルビッチ凄い】
1940年、白黒、99分、初見。エルンスト・ルビッチ監督。
盤石。『ユー・ガット・メール』のオリジナルとのこと。
口から生まれたようなメグ・ライアンは成程適役かもしれない。
しかし、スマートと言うより最軽量の鉄骨に近いボディーのジェームズ・スチュアートの役をトム・ハンクスってのは土台無理がある。リメイクを見て面白かったという印象は残っているが、オリジナルを見た後だと「トム・ハンクスはないだろ」と思わざるを得ない。覚えてないけど、トム・ハンクスがジェームズ・スチュアート寄りの演技をしたのだろうか? それは『七人の侍』で左卜全に宮口精二の役をやらすような愚行ではないか? それくらいイメージが合わない。キャスティング・ディレクター能なしよのう(いや、トム・ハンクスが上手く凌いだのかもしれないが)。やっぱり心は優しいけど、決して外見には出ず、自分の仕事に誠実な為に、周りとは諍いが起きがちで、それがきっかけで職も恋も失いそうになる皮肉屋はトム・ハンクスではないだろう。そして、ああ、これも又クリスマスの映画なのだな。ハリウッド黄金時代のモノクロ映画とクリスマスはよく似合う。クリスマスの清さ正しさが見せかけの物であっても、その裏のゴッサム・シティでひどい悪事が行われていようとも、映画の中だけは善行が行われ、幸せな笑顔であふれる。そんな幸せを信じられるのはアメリカン・ニューシネマより前の映画が現実を売りにしていなかった時代までなのだ。
原題直訳だと『街角にある店(The Shop Around the Corner)』なのだが、『街角 桃色の店』ってタイトルはやらかしてしまったなあ感が強烈。
ちなみに、この映画の社長の妻役は2020年のクリーンヒット『アルプススタンドのはしの方』に出てきて出てこない登場人物・矢野の控えめなご先祖と言っていいかもしれない。まあ、矢野ほど鮮烈ではないが、社長の妻は確かにあの世界のどこかにいるのである。


◆『小間使』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★ルビッチ快調】
1946年、白黒、97分、初見かと思ったら二回目。エルンスト・ルビッチ監督。
「うわ、見た事あるじゃん、これ」配管工の話題が出るくらい(冒頭1分)で気が付いた。事実上のルビッチの遺作らしい。ルビッチどれ見ても面白いんだけど、配管工の仕事をあんな山師のように書いたのは本当によくないと思う。小間使いのジェニファー・ジョーンズは冒頭シンクの下にスカート姿で潜り込むところから、性的なアイコンとして描かれている。冒頭のシンク(中盤にも出てくる)がもう女性性器の暗喩であり、それをお客さんの目の前で貫通したりしたら、上流社会では怒るだろう。ラスト、剥き出しの黒いストッキングを手に主人公シャルル・ボワイエの元に駆けつけるジェニファー。欧米は靴社会で、靴を脱ぐのはベットで寝る時かシャワーを浴びる時、という事で「靴を脱ぐ」という行為をエロいと感じる欧米人は多いらしい。その靴下(贈答品だから未使用だけど)を隠しもせずに露出して見せつけるように追いかけてくる女。これ案外パンツ(パンティーの方のパンツ)を手にヒラヒラさせながら追いかけてくるみたいな光景じゃないだろうか? そして二冊目の推理小説。脚本の流れ上、観客はこの推理小説の発行により、ジェニファー・ジョーンズが出産した事を知るのである。配管を通す(処女膜破壊)から始まって下着をヒラヒラさせて、男を誘った後に出産って、エロ暗喩総決算かよ!(そんなん言うんは俺ぐらいじゃ)
遺作侮りがたし。
与作も頑張って木を切れ。


【銭】
それぞれ一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
街角 桃色の店@ぴあ映画生活
ルービッチュの小間使 クルーニー・ブラウン@ぴあ映画生活
▼関連記事。
小間使(1回目)@死屍累々映画日記・第二章
・小間使(2回目)@死屍累々映画日記・第二章
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街角 桃色の店

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