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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『蛇の穴』シネマヴェーラ渋谷

特集「オリヴィア・デ・ハヴィランド追悼 女優姉妹の愛と相克」の1プログラム。

◆『蛇の穴』シネマヴェーラ渋谷
五つ星評価で【★★★★★眩暈が起こるほど面白い】
1948年、白黒、108分、初見。アナトール・リトヴァク監督。
原題は邦題と同じく『The Snake Pit(蛇の穴)』、悪役覆面女レスラー養成所が舞台とかではなく(それは「豹の爪」が近い)、女性専用の精神病院が舞台。いやあ、いいよ。実にいいよ。映画ってやっぱり普段お目にかかれない変な物を見れるってのがいいのよ。だから、映画に狂人はよく似合う。横にいられたらイヤだけど、スクリーンの中に閉じ込められているならこんないい見世物はない。主演オリヴィア・デ・ハヴィランドの入院歴が疑われそうな演技も凄いが、もう名まえも分からない見事な狂人の面々の演技が強烈でたまらない。狂人であるオリヴィア・デ・ハヴィランドが庇護下において世話をする喋れない狂人の何と狂人そのものな事だろう。『カッコーの樹の上で』もいい加減、スクリーンは狂人だらけなのだが、密度的にも異常度も今作の方が上と言っていいかもしれない。俯瞰で蛇の穴が見えるシーンのゾッとする事、いや、それ以前に俯瞰ではなく周り360度パノラマで狂人に囲まれる息苦しさ。それでもちゃんと、まるで名探偵コナンのように精神のバランスを失った彼女の心のひだを少しずつ捲っていく医学展開にもビックリした。そう言えば『女優フランシス』とかでもひどい精神病院が描かれていた。あれに比べればまだいいのか。どちらにも感じるのだが、ただ一人親身になってくれる主治医の先生を除き、どの医者も看護婦も多すぎる狂人を「物」として扱う。逆に言えば「電気ショック療法」みたいな患者に鞭打つような治療法が王道で、それを観察しなければいけない看護婦からしたら、彼女らを「物」として扱わないと精神が保てないみたいな面があったのかもしれない(その耐えられなかった例も作品中に出てくるのが凄い)。だから、この映画の看護婦はレディースのように強靭なのだ。いや、ダジャレでなく。ラストにもビックリしたが、あの後、いきなり父母の墓所で『キャリー』のラストカットみたいなエピソードが付け加えられても私個人としては全く驚かなかったであろう。いやまあ、付かないで良かったとも思うけど。


【銭】
一般入場料金1200円-会員割引400円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
蛇の穴@ぴあ映画生活
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