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『あのこは貴族』ヒューマントラストシネマ有楽町1

◆『あのこは貴族』ヒューマントラストシネマ有楽町1

▲エルフとオークに例えたいんだけど、貧乏な水原希子の方がバリバリ、エルフっぽくて、うーん。

五つ星評価で【★★★魚が川から跳ねたら息苦しいだろうし、獣が深い河に嵌ったら同じように息苦しかろう/ほぼほぼルートが違ってそういう目に会わないで済むのは双方にとって幸せな事かもしれない】
「あのこは金属」うわ、メタルカラーの水原希子似あいそう。もちろん、そういう映画ではなかった。

「お里が知れる」という言葉通り、上流の階級で暮らす為には「お里が知れないよう抑制」が必要である。一方、下流の階級で暮らすのには、お里などはどうでもいいのだが、まず、普通に暮らして生計を立てるだけで大変だ。この違った階層の二人を出会わせて、それぞれの閉塞感を描きながら、それぞれの持ち場でいい方向に作用する脚本が珍しい。
単純にラストシーンで、この二組は手を結んで何時までも何時までも幸せに暮らしましたとさ、とかやってしまいそうになるのに、そうはやらずによく耐えた。それはやりやすい。何故って条件が揃う一番簡単な例だから。低階層は資本をGETでき、高階層は閉塞感を打破できがち。でも、リアルではそんなに安易に手を結んだりはしない。結べばいいのに。そう言えば今までもこの階層の格差は描かれなかった訳ではない。ただ、描かれる時は対立概念であって、主に貧乏な者が富める者に追い付き追い越せという話が一般的。それって『巨人の星』じゃん。そして『銭ゲバ』じゃん。『あしたのジョー』だってそうかもしれん。どちらかというと富める者はただ富んでいて、そこに閉塞感はなさげ、貧しい者の貧しさ故の悲哀が強調される。そらあ、貧乏と言うのはそもそも生死を伴う大問題だから、貧しいだけで罪であり、罰なのだ。この貧しさの原罪をほぼなくして、金持ちの閉塞感も同時に表現した、この映画の先輩みたいな作品がある。それは『ドカベン』、わっはっは、本当よ。あの、「やぁーまだあー」の岩鬼正美は金持ちで、金持ちであるが故の自己存在に悩まされるし、山田太郎はまんま赤貧。まあ、そんなに深刻なムードはないのだけど。あと、いきなり品格がいつも通り落ちるがSM映画は階層の低い者が階層の高い者を快楽で打ち負かす、そもそもはそういう系統が主流である。階層の低い観客が見る映画だからルサンチマンなんだな。『あのこは貴族』はAがBを打ち負かす的要素がない事から女性要素が強い作品と言えるかもしれない。そうそう両雄相立てばいいのであって、殊更AがBに勝利しなければならないという考え方が男性的である。
『あのこは貴族』の対立構造的な映画として、実はもう一本観てもらいたい映画があって、それは又、これも男性的な成人映画なのだけど『悦楽交差点』。低階層の男と高階層の女、女は高階層の今の生活を維持しながら、低階層の男との獣のような汚辱に満ちたセックスに耽溺したいという、そんな映画。そう言えば『あのこは貴族』ではセックスは特別な描かれ方をしていなかった。濡れ場は水原希子に一回あったが、門脇麦のセックスがそれ以上とも、それ以下とも思えない。まあなんかどうでもいい扱い。そうね、女子本人にとってそれ以上に大事な物や事はいっぱいあるし、殊更、自分の番付が他人と物凄く違う可能性も低いのかもしれない(野郎はその辺りのコンプレックスが根深い)。

門脇麦はペットの子猫みたい。そして水原希子は自らハントを行う豹のよう。どちらも猫科なのに生き方が違う。ラスト、子猫がちょっとビジネスに手を染めるようになる。キティちゃんかよ(上手くない)。


【銭】
テアトル会員の会員割引+曜日割引で1100円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
あのこは貴族@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
あのこは貴族@ノラネコの呑んで観るシネマ
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あのこは貴族

東京の開業医の家庭で育った27歳の箱入り娘・華子は恋人に振られ焦っていたが、お見合いで良家の生まれの弁護士・幸一郎との結婚が決まった。 一方、富山県生まれの美紀は東京の名門大学に入学するが学費が続かず、中退して東京で働き続けている。 出会うはずもなかった2人の人生が、ある日交錯することに…。 恋愛ドラマ。 ≪同じ空の下、私たちは違う階層(セカイ)を生きている―。≫

コメント

非公開コメント

はて?

>主に貧乏な者が富める者に追い付き追い越せという話が一般的。
>それって『巨人の星』じゃん。

これはちょっと違うと思う。
星一家は貧乏だけど、「富める者に追い付き追い越せ」なんてしてないし、高額の契約金を蹴って大洋に入団した左門は、花形が大リーグボール1号を最初に打った時、花形の環境に羨望はしたけれど「追い付き追い越せ」ではないよな。
後居るとすれば速水だけど、あれは単なる目立ちたがりだったし、オーロラ三人娘の橘ルミも似たようなものでしょう。
まさか日高美奈さん?

>門脇麦のセックスがそれ以上とも、それ以下とも思えない。
久々に「なまちち」を拝ませていただきたかった。
山下リオさんも是非。

Re: はて?

こんちは、先輩。

> >それって『巨人の星』じゃん。
> これはちょっと違うと思う。
> 星一家は貧乏だけど、「富める者に追い付き追い越せ」なんてしてないし、高額の契約金を蹴って大洋に入団した左門は、花形が大リーグボール1号を最初に打った時、花形の環境に羨望はしたけれど「追い付き追い越せ」ではないよな。

第一優先とはしてなかったけど、やはり手元に金がなければ女の子を連れてゴーゴーも踊れんから、ある程度は富の恩恵はあったやろ(いや、確かに飛雄馬が拝金主義な感じはないけどさ)。と言うか、飛雄馬自身より『巨人の星』を見てる観客が、貧乏人だって人間なんだから金持ちに負けるな、という感覚になるよう誘導して話が作られていた気がする。日雇い人夫の子供が高校野球が強いと言うだけで私立高校に入学させられ、周りはみな金持ち、ライバルは小学生でスポーツカーを乗り回すキチガイ金持ち、たいがいみんな貧乏人には冷たい。まあ、給食費とかなくなったら必ず犯人にされる環境じゃん。そんなんで楽しくはなかろう。



> >門脇麦のセックスがそれ以上とも、それ以下とも思えない。
> 久々に「なまちち」を拝ませていただきたかった。
> 山下リオさんも是非。

山下リオちゃんが予想外に丸くなってて驚きました。

彼女らは打ち負かす必要なないんだよね。
どの階層でも生きずらさはあって、上でも下でも共感できるって話。
正直、この映画の上流階級はあんま羨ましくない。

え?

>日雇い人夫の子供が高校野球が強いと言うだけで私立高校に入学させられ
すいません。青雲高校は強豪校ではありません。一徹は強豪校でないところから甲子園を目指すようにさせるつもりでしたが、強豪校でないと飛雄馬の球を捕れる捕手がいません。青雲高校を調べた時も正捕手は駄目でしたが、伴が柔道部にいました。伴の素質に魅かれた一徹は飛雄馬に青雲高校を受験させます。

高良さんは「花燃ゆ」の高杉晋作、「カツベン」、本作と、B・カンバーバッチがやりそうな役が、記憶に残っている。
「シン・ゴジラ」、「万引き家族」にも出てたらしいが全く憶えていない。
「渋沢喜作」で印象も少しは変わるかな。

Re: タイトルなし

こんちは、ノラネコさん。

> 彼女らは打ち負かす必要なないんだよね。
> どの階層でも生きずらさはあって、上でも下でも共感できるって話。
> 正直、この映画の上流階級はあんま羨ましくない。

上には上の、下には下のって、ある意味とても平等な世界。と考えると、下からの上昇感覚を持ちつつ、上の位置にいて上同士の強い縛りを受けない「成金」が一番、幸せな存在なのかもしれない。成金ばかりになったら、社会うまく回らなくなるかもというのもあるけど。

Re: え?

こんちは、先輩。

> >日雇い人夫の子供が高校野球が強いと言うだけで私立高校に入学させられ
> すいません。青雲高校は強豪校ではありません。一徹は強豪校でないところから甲子園を目指すようにさせるつもりでしたが、強豪校でないと飛雄馬の球を捕れる捕手がいません。青雲高校を調べた時も正捕手は駄目でしたが、伴が柔道部にいました。伴の素質に魅かれた一徹は飛雄馬に青雲高校を受験させます。

ああ、知ったかぶってるけど『巨人の星』はわりとなんちゃってで、全部収めてはいません。何だよ一徹、伴とアチチかよ。オズマが妬くぜ。『あしたのジョー』『愛と誠』あたりはマンガ全部読んだので、大きな誤りのないこと言えるのだけど。『巨人の星』はタイプ的にきつくて眺める程度。



> 高良さんは「花燃ゆ」の高杉晋作、「カツベン」、本作と、B・カンバーバッチがやりそうな役が、記憶に残っている。
> 「シン・ゴジラ」、「万引き家族」にも出てたらしいが全く憶えていない。
> 「渋沢喜作」で印象も少しは変わるかな。

『シン・ゴジラ』は役者としての見せ場を皆が皆、削ぎ落してるような映画だからなあ(主人公の第一秘書っす)。『万引き家族』は覚えていない。変態でもカッコイイ『アンダー・ユア・ベッド』と普通に直線的にかっこいい『多十狼殉愛記』とどっちも出来て、意外と引きだし多い印象。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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