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『漁港の肉子ちゃん』ユナイテッドシネマ豊洲6、『Style Wars スタイル・ウォーズ』下高井戸シネマ

同日鑑賞2本をまとめて軽くレビュー。

◆『漁港の肉子ちゃん』ユナイテッドシネマ豊洲6

▲キクリン(左)と肉子(右)。

五つ星評価で【★★★不思議な密度感】
ごくごく普通にショートカットの美少女は好きなのでキクリン可愛い。そして、そのキクリンが悩んだり喜んだり成長談としてちゃんと出来てる。キクリンの周りもひかない程度の普通さで個性的な面々が集まっていて、いい。キクリンの周囲全てがアニミズムのように感情を持ってそこにあるのも魅力的。そこに悪感情はない。とてもいい時代の「昭和」っぽい。その中で唯一、カリカチュアしすぎて感情が見えない肉子。いや、逆にカリカチュアしすぎにより感情がダダ漏れなのだが、あそこまで感情がダダ漏れだと「キャラ」になってしまって、あの映画内で肉子だけが「まんが」である。
もしかしたら、この肉子が「まんが」である事によって、過度に感情移入できないというのがこの映画のツボなのかもしれない。
冒頭、キクリンから見た肉子の歴史が語られる。南から北に、男に振られる度にボロボロになって拠点を移してきた肉子。肉子は相手を好きになると、その適度な距離感が分からず相手一途になってしまうのだ。一方キクリンも相手との適度な距離感が分からず、一歩引いて傍観してしまう。肉子は他者依存であり、キクリンは他者拒否(的)である。全く違うように見える二人の問題はベクトルが異なるだけで、実は同じ問題だ。キクリンから見たら肉子の他者依存は許しがたい物だが、実際は依存する相手によるとも言える。相手が(恋愛対象ではないが)今いる漁港なら問題はない。パッと距離を詰め、そこで一体になり暮らす。つまり、恋愛対象であるないに関わらず、飛び込んだ先が正しいなら肉子は正しいキックバックを得る。飛び込んだ先が暴力団やいかがわしい宗教組織であっても、ボロボロになるまで肉子自身は依存してしまう。そこに反省はないし、計算もない。ただ「肉子」というのは、そういうシステムというだけである。キクリンが老成して、自分の失敗を恐れ踏み出せないのとは逆に、肉子は幼児のように全てを受け入れてしまう。ある意味、それは自制できないのなら大変つらい物語だろう。だから、その部分を肉子ベースの感情移入できるような話にはしない。肉子ベースの「漁港の肉子ちゃん」は数倍、重くなるし、辛くなる。だから、肉子自身はキクリンの背景でトトロのように描かれる。珍獣のようで、ペットのようで、絶対にキクリンを裏切らない存在。元々のトトロにも重い背景は感じられないからちょうどいいだろう(実は祟り神だったりしたら困る)。
キクリンが現代的な美少女であるので忘れがちだが、携帯、スマホ、ゲームも出てこないし、テレビもほぼほぼ出てこない。学校にいる児童の文化程度はみなでバスケをやるなど、割と現代的である。時代設定としては「夢の昭和」であるが、キャストは今の子を使ったみたいだ。そこの描写が目的ではないので、あれくらいのボカし方で良い。しかし、女子がバスケやってて男子は何をやってるんだろう。
御託を並べましたが「向こうから擦り寄ってくるマンガ」という感じで、悪感情持ちづらいのが上手い思う(これも御託じゃ)。いや、だから、普通に面白かった。


◆『Style Wars スタイル・ウォーズ』下高井戸シネマ

▲ヒップホップより落書きアートの方が映画の主流。

五つ星評価で【★★いきがる若い奴等はキラい】
「グラフィティ」と呼ばれる鉄道車両への落書きアートを描く若者を負ったドキュメンタリー。あれを描く事でお金は全く儲からないので(後にアートとして個展展示されて儲かったりもするがそれは別の話)、かなり、自然的に発生した芸術啓蒙活動と言える。いやまあ、単に獣が縄張りを誇示しているようなもんかもしれないけど。みな、ギラギラして過剰に「俺が俺が」みたいで、なんか悪い意味で「東京リベンジャーズ」的な怖い空気が漂う。この「イキってる」感じが個人的にはキラい。こちとらずっと「イキられてきた」立場だから。
公共の設備を汚損するので、政治家発信で、車体の洗車を行っていくのだが、「洗車すると汚損が広まって更に車体が汚くなってしまう」事が、やるまで分からないと言うのが実に表面を取り繕うとした感じで、政治家って本当にしょもない。


【銭】
『漁港の肉子ちゃん』:ユナイテッドシネマの1200円で5/31まで鑑賞できるクーポンチケットが期間2カ月延長になったというのを使用。
『Style Wars スタイル・ウォーズ』:下高井戸シネマの招待券を先輩から貰ったよ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
漁港の肉子ちゃん@ぴあ映画生活
Style Wars〈デジタル修復版〉@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
漁港の肉子ちゃん@ノラネコの呑んで観るシネマ
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ショートレビュー「漁港の肉子ちゃん・・・・・評価額1700円」

世界は、本当に愛で満ちているの? 昭和レトロな東北の漁港の街に住み着いたのは、訳あり人生を辿って来た母娘。 トトロみたいなまん丸の母ちゃんに育てられた、ボーイッシュな11歳の娘の成長を描くリリカルな青春ストーリーだ。 西加奈子の同名小説を、傑作「海獣の子供」の渡辺歩監督と作画監督・キャラクターデザインの小西賢一らメインスタッフが再結集して映画化。 タイトルロールの肉子ちゃんを大竹しのぶ、娘...

漁港の肉子ちゃん

ダメ男ばかりを引き寄せてはだまされる母・肉子ちゃんと、しっかり者で豪快な11歳の娘・キクコ。 肉子ちゃんの恋が終わるたびに各地を放浪している2人は、北の漁港の町へと流れ着く。 肉子ちゃんは焼肉屋「うをがし」で働くことになり、店主サッサンが所有する船を住処に、母子の新しい生活が始まった…。 アニメーション。

コメント

非公開コメント

Style Wars

内輪ネタですが、
「げい春」、「小マン」、どっち?

Re: Style Wars

こんちは、先輩。

> 「げい春」、「小マン」、どっち?

げい春。

げい春

そうか、ダブったのか。
到来したのを寿ぐのではなく、到来するのを寿げば、もっとダブったんだな。
しくじった。
まあ厄ものは普通は速やかに払うか、供養するよな。

Re: げい春

こんちは、先輩。

なに言ってるか分からないよ。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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