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ふじき78の死屍累々映画日記・第二章

場末にひっそり咲く映画日記。第一章にあたる無印はライブドアブログ

『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』『五人ライダー対キングダーク』『ライダー対銀河王』丸の内TOEI②

特集「KAMEN RIDER FILM ARCHIVE vol.1」の4プログラム。

◆『仮面ライダー対ショッカー』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★★★演技熱い】
1972年、カラー、32分、初見、山田稔監督作品。
冒頭「人口重力装置を開発した、だが、これを悪用すれば地軸をも曲げてしまう」と悪用してくれればいいのにみたいな気軽さで口にする大道寺博士。あにはからんや、博士の研究はショッカーに目を付けられており、完成と共に奪いに来る。現われる死神博士。天本英世の演技が熱い。岡本喜八の映画で度々見かける名優だが、こんなアップで大見栄きって、憎らしく語りかける映画は他にない。ヨイヨイ。研究所に研究結果を奪いに来たのはハエ男。「同じ科学者じゃないか!」そんな展開はない。博士は研究の大部分を盗まれるが、コアになる方程式を娘の所に預けておいた。すぐさま誘拐される娘。お前らバカだろ。
この娘が誕生日パーティーででかいケーキを切る前に炎を吹き消そうとしたらケーキが炎上、ショッカーにも中々シャレた事をする奴がいる。子供部屋に来たのがアリガバリとドクガンダー。カーテン開けると窓にアリガバリがいるのは撮り方が上手くてけっこう怖い。ドクガンダー、もふもふ。本郷、一文字駆けつけるがメイン怪人ザンジオーも現われ、娘は誘拐されてしまう。娘はなかなかのロリで赤いスカートでばんばんパンチラ、キャーキャーよく泣くのは人質としてOK。ザンジオー、デザイン悪い。蝶ネクタイが似あいそう。顔がちょっと小堺一樹。本郷、一文字、滝、立花と出てくる役者の演技が凄くしっかりしてて、見てて気持ちいい。

死神博士から立花レーシング倶楽部に電話がかかってきて、人質交換で「地獄谷」の名前が上がる。「地獄谷」は映画『仮面ライダースーパー1』で、悪役5人が「地獄谷5人衆」を名乗っていた場所だ。何も関係あらへんがやな(まあ、使いやすげな名前ではある)。この地獄谷でライダー達を待ち構えていたのが、ショッカー再生怪人軍団。けっこうな量が登場するが、その中に狼男が混ざっている。それは悲しいからやっちゃダメよ。狼男って先代幹部ゾル大佐じゃん。

ライダーと戦闘員によるバイク戦もある。戦闘員のバイクがあちこちから集めてきたみたいでけっこう特徴バラバラなのが気になる。幾つもバリエーションを付けて負けてくれる戦闘員さんたち。ありがとうありがとう。


◆『仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★だるだる】
1988年、カラー、25分、初見、小西通雄監督作品。
仮面ライダーBLACKその物が物語として初見。
ゴルゴムの悪い意味で演劇的な外観が何となくダイレンジャーに出てたゴーマのフリフリ白い服版という感じ。
幾人もの子供が誘拐され、誘拐された子供をBLACKが開放するのだが、子供の服とかがかなり洗練されてきている。「戦後」キーワードの悪ガキから脱してきて「お子様」っぽさが強く出てきた。同一世代の視聴者にはオモチャを買ってもらわないかんから、金持ち層にシンパシーを抱くような設定にしたりしたのかもしれん(考えすぎか)。
主役の倉田てつをはちょっとおぼっちゃん風。


◆『五人ライダー対キングダーク』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★ぐだぐだ】
1974年、カラー、28分、初見、折田至監督作品。
XまではTVをリアタイでなんちゃって視聴してた筈だけど、GODの怪人もキングダークも毛ほども覚えてない。
本編もなんか訳も分からずみんなただ戦ってるみたいな。
今回の映画用敵キャラ、コウモリフランケンは戦力分析して作成したのにプラスアルファ要素が加わって勝てないという展開なのだが、そういうのは1対1で、差が僅差の時にやるから燃える展開になるんじゃないだろうか? 
マンションだか団地の騒音問題を「仮面ライダーに伝える」と夜間、外に出ていく子供。そっちの方が危険だ。それをストーカーのようにぬっと出てきて話を聞いてやる変身後の1号ライダー(2号?)、存在が変質者っぽいぞ。そして、その騒音が本当にGODの悪巧みが漏れていたって、、、静かに喋れよ、お前ら。つか、神話怪人で、出身が日本じゃないんだから、日本語で悪巧みするなよ、お前ら。いいよ、視聴者の事そこまで考えなくても。

V3に付けてもらった冠を子供に外されるライダーマン。
ライダーマン「仮面ライダー4号!」
子供「あっ、ライダーマン」

神話怪人デザインがグロくて怖い。

「対キングダーク」だけど対決しなかったなあ。


◆『仮面ライダー8人 ライダー対銀河王』丸の内TOEI②
五つ星評価で【★★前衛映画】
1980年、カラー、45分、初見、石森章太郎(!)監督作品。
あえて言っちゃうと、映画が終わって、主演の村上弘明が「TBS、MBSで放映してるライダーもよろしく」ってウィンクするキラー動画が一番の見所。かーいーわー。あんなん男とか女とかないわ。
ストーリー適当。
宇宙空間で新エネルギーのテストをしてた博士、成功と同時に宇宙人とネオ・ショッカーの両方にその成果を狙われて、技術の大事な情報を犬に巻きつけて地球にいる自分の娘へ。なんか博士はすぐに自分の情報を娘に送っちゃうのだ。そういう性癖とか感染するような病気があるんじゃないか? で、犬とか娘の争奪戦が始まる。まず、宇宙人である銀河王、お前は太陽系外惑星からホイホイやってきてる身分なんだから、ホイホイ新エネルギーなんか欲しがるな。絶妙に壊れそうな、と言うか対ショックに弱そうなデザインが宇宙の広さを語っているようでいいぞ。銀河王とお付きの鳥っぽいのとお付きの兵士っぽいの、統一感が無くて逆に良し。その銀河王と表面上手を組み、水面下で出し抜こうとするネオ・ショッカーも中々良い。と言うより全体ダメなので、良いところが色々浮かび上がってくる状態。流石に石森章太郎先生、天才とは言え、監督業は素人だ。
でも、次の二つの演出は神っぽい。
①ネオショッカー戦闘員得体のしれないゾワゾワ行進(これ怖い)。
②人質女子を執拗に引きずり回して着衣を乱れさせる(にっかつっぽいぞ)。
あと、ネオショッカー本部でその姉ちゃんをわざわざ縄で縛るの趣味性高い。

ライダー8人出てきて悪と対決するアクションシーンはひたすら並行展開。とても残念。

富士の演習場で今まで見た事のないような実用小型戦車とバイクに乗ったライダーの戦いなんて、凄い映像になりそうなのに、ごめん、この間『ブラック・ウイドウ』で凄く似た展開を500倍くらい見事に表現してたから一切興奮できなかったわ。

ネオショッカーのジャガーの怪人何か見かけた事がある気がする。何だろうと思ったら、『キャッツ』の猫に似ているんだ。あれは怖かったからな。ショッカー中々やるな。

「銀河王」と聞いて、マンガの登場人物にいたなと思った。
違った。マンガ側の登場人物の名前は「山田銀河丸」、ちょっと惜しかった。


【銭】
各作品1000円均一興行。まあしかし、30分を切るものは500円、45分を切るものは800円くらいでいいんじゃないかねえ。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
仮面ライダー対ショッカー@ぴあ映画生活
仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ@ぴあ映画生活
五人ライダー対キングダーク@ぴあ映画生活
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
仮面ライダー対ショッカー@徒然なるままに
仮面ライダーBLACK 鬼ヶ島へ急行せよ@徒然なるままに
五人ライダー対キングダーク@徒然なるままに
仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王@徒然なるままに
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