
▲「え?」と思わせるいいタイトルだと思う。
五つ星評価で【★★★飽きない作りに感謝しつつもセンスは悪い】
菅総理の評判集ドキュメンタリーと言えばいいのか。
過剰な演出や気分が落ちるアニメなどコロコロ目先を変えてくれるので、ワクチン運び屋大臣みたいに眠りに付く事もなく飽きずに見れたのは有り難い。ただ、無意味に過剰で大袈裟な演出や、気持ち良く見る事の出来ないアニメその物のセンスは悪い。演出などは意図的に偽悪的に振る舞ってるのだと思うが、シレっと娯楽として一番の形に仕上げればいいのに。皮肉や悪趣味では娯楽に勝てない。
しかし、主役が息するように嘘を付く安倍前首相でなく、介護されるように答弁する菅現総理なので、追及すべき事案が弱まってしまった感が強い。安倍時代の自分の身内の懐を暖めさせるための疑惑に次ぐ疑惑から比べると、菅総理は学術会議メンバーの任命問題、パンケーキ会食くらいで止まっている。その後のコロナ対策での無策っぷりと五輪への妄執っぷりにはあまり触れられていない(これは両方とも安倍時代からの継投事案でもあるのだけど)。なんか小さい。
しかし、菅総理の答弁を見てると、こんな話の通じない相手に対して、本当に野党はよくやっている。偉いと思う。こんなんでいい訳はないよなあ。観客にちゃんとこの国を心配させる気分にさせるのは良い。ただ、全体に相手が「のらりくらり」の総本山みたいな相手なので、今一つ話が響いてこない。善悪道徳を責める話ではあるけど、学術会議メンバーの任命問題なんて、そもそも慣例破りに問題がある事が映画内で語られないし、パンケーキ会食も褒められた話ではないが違法でもない。要はあまりそそらない話についての「あーだこーだ」になってしまっている。割とザックリとまとめられて多く語られていないが、コロナ対策に対する無策っぷりは、観客自身身に沁みて実感できる政治事案なのでもう少しウェイトを振って語られても良かったと思う。
あー、それにしても、若者に見てほしい。見た若者は「選挙に行かなければ」と自覚的になるらしい。その為には映画自体は凄く面白くなくても見てもらわないと(それなりに面白くないと分かっている物(いや、部分的には面白いが)を無自覚に人に勧めるのにはちょっと抵抗があるが)。だけど、平日ラストの回、新宿ピカデリー1を開けているのにも驚いた。
小池晃や赤旗は菅総理の評判が振るわなければ利する利害当事者なので、出演は驚くに当たらないが、石破茂や村上誠一郎など取りあわない方がよい立場の人が自分の言葉でちゃんと語っているのは良い。株が上がる。と言うか、本来、政治家は自分の言葉で喋れる人って当たり前が現政権でボロ崩れなのが凄い。そんな人たちの方が閑職味わってるという残酷さよ。
続きがあるならデーブ・スペクターとケント・ギルバートにプロレスを取らせてほしい。
【銭】
前回有料入場割引で1300円。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・パンケーキを毒見する@ぴあ映画生活