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『ファーザー』『ミナリ』ギンレイホール

◆『ファーザー』ギンレイホール

▲娘と父。

五つ星評価で【★★爺いじめ映画】
ギンレイホールの会員なので、会員カードを持参すれば基本、無料(年会費11000円)で見れるのだが、見るまではどうにも腰が重たかった。私は映画を見て、気が重くなりたくないのだ。私が映画を見るのは楽な気分になりたいからだ。勿論、全ての人はそうじゃないだろうし、そうでない人はそうでないで構わない。単に好みの問題だ。私は辛い者が苦手なので、辛口専門料理店には入らないし、普通の店でも辛口の料理は避ける。それと一緒だ。軟弱と言わば言え。軟弱なんだからそれでいい。でも、中華料理の定食でミニ麻婆が付いてたら食べてしまったりする。大体、後悔するが勿体なくて残せない。自分の身体を痛めつけるのは好かないが、それ以上にサービスを無下にするのは信条に反する。と言う事で、見てしまった。まあ、よかったという気持ちと、よくある後悔と。なので、SMプレイ専門の風俗が出来て、マゾヒスト専門の無料チケットとか貰ったら、いやいやいやいや、それはリスクが高すぎる、、、、、、多分、行かない(「逝かない」という意味ではなく)。
で、『ファーザー』はきつかった。きつそうだという事で長澤まさみの『マザー』さえ、敬遠したというのに。ちなみに北野武の『BROTHER』はそんな大した映画じゃないという事しか覚えていない。『ファーザー=父ちゃん』というタイトルだが、内容的には『爺ちゃん』だ。「老い」と「健忘症」の映画だ。若かろうが、老いていようが、健忘症は恐ろしい。それは人々が普通に精神異常者を恐れるのと一緒、自分の拠り所である精神が壊れてしまうからである。精神異常者が怖いのは13金のジェイソンのように立ち向かってくるからではない。その精神異常に自分がなる可能性がゼロではないからだ。ついつい、自分に置き換えて恐怖する。そういう意味で、手がないもの、足がないもの、何かが欠損している者も怖い。勿論、彼等に害意があるとかそういう話ではなく、近くにいると、そういう運命を引き寄せてしまうような気になるのだ。ここんところ、ヒドい事を書いているのは自覚してるが、できるだけ、快適な状態で快適な最期を迎えたいというのが生物の願い一般だろう。で、そうならない老後を突き付けるこの映画はとてもキツい。それが自分でも発生しそうだというのはありあり見える。そら衝撃だわね。
この映画を見てると藤子不二雄のマンガに出てきたガンコ親父の隣人のカミナリさんとか、『ろぼっ子ビートン』に出てきた子供と張り合う変人ガキオヤジが何だか随分幸せに見えてくる。彼等はちょっと変な目で見られたりもするが、社会とのコミュニケーションは成立しているし、彼等は隔絶されたりしていない。ちゃんと一人で暮らしていけてるのだ。『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスはそうではない。ただ、話をややこしくしてるのは映画でのアンソニー・ホプキンスの性格がプライドが高く、自分の誤りを肯定できないタイプだからだ。これが自分の誤りを肯定できるパーソナリティーだったら、もうちょっと楽し、、、、、くはないかもしれないが楽な老後だったんじゃないだろうか。認知症で過去の一定年齢まで意識が戻ってしまう事もある。いきなり退職した職場に出勤したりみたいな奴。その戻った時の意識がナチスのゲシュタポであり、ユダヤ人をバンバン殺していったらホラー映画が出来るな。
あと志村喬の代表作の三老人が年老いて健忘症になったら、やはりみんなそれなりに「我」がつよそうで大変そうだと思う(『生きる』『ゴジラ』『七人の侍』)。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』はもちろん見直したりしないぞ。


◆『ミナリ』ギンレイホール

▲水を媒介して呪いを掛けたり掛けられたりする老婆(違う)。

五つ星評価で【★★★婆いじめ映画】
大して役に立っていないだろうと思われていた婆さんが、実は家族の中で大事な役割を担っていたという寓話。
「死霊館」シリーズの新作を見た後では、家族の誰かが呪い攻撃を受けているようにしか見えない。

父「うん、お婆ちゃんのお手柄だ」
店「バカ野郎、こんな雑草摘んでこられて売れるかあ!」


【銭】
会員証で入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ファーザー@ぴあ映画生活
ミナリ@ぴあ映画生活
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ミナリ

1980年代、農業で成功することを夢見てアメリカへ移住してきた韓国人一家。 夫ジェイコブは南部アーカンソー州に広大な土地を買うが、何もない荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見て妻モニカは憮然とする。 モニカの母を韓国から呼び寄せて子どもたちの世話をしてもらい、夫婦は孵卵場のヒヨコ雌雄選別作業で当面の生活費を稼ぐことにしたが…。 ヒューマンドラマ。

ファーザー

イギリス・ロンドン。 81歳の独居男性アンソニーは、介護人をことごとく拒否していた。 ある日、姉娘アンから恋人と暮らすためパリへ行くと告げられショックを受ける。 アンは既に結婚していたはずなのに。 更に、最近お気に入りの妹娘ルーシーから全く連絡がない。 彼の中で、現実と幻想の境界が崩れていく…。 ヒューマンドラマ。

コメント

非公開コメント

身につまされる

ふじきさん☆
「ファーザー」確かに自分に置き換えると怖くて仕方がなくなる映画ですよね。
これは誰も描かなかった認知症患者の目線で描かれている点でとても斬新でした。
「ミナリ」どちらもお年寄りを描いていますが、色々と考えさせられました。
ちなみに私は激辛大好きで、しかもどんよりするような重たい映画が大好きです。

Re: 身につまされる

こんちは、マダムさん。

> 「ファーザー」確かに自分に置き換えると怖くて仕方がなくなる映画ですよね。
> これは誰も描かなかった認知症患者の目線で描かれている点でとても斬新でした。
> 「ミナリ」どちらもお年寄りを描いていますが、色々と考えさせられました。
> ちなみに私は激辛大好きで、しかもどんよりするような重たい映画が大好きです。

マゾですね、分かります(いや分からない)。

巡回報告ほか

>志村喬志
おい!「志」は要らんぞ。
毎度のことだが、名前の間違いは美しくないな。

志村喬さんは「男たちの旅路」の「シルバーシート」でちょっとボケが入った役を演ってます。現役時代、国際線のパイロットだった役なので山根博士にボケが入った感じでしょう。

で、この映画なんだけど、ボケによる伏線がきちんと回収されてて「巧いなぁ」と思った。
まあ、ボケ老人の話だと、「ネブラスカ」「43年後のアイ・ラヴ・ユー」「男と女 人生最良の日々」なんかは他者をさほど攻撃しないボケ老人なんだけど、こっちはクズのボケ老人だから、人によってはイラっとするだろうな。

Re: 巡回報告ほか

こんちは、先輩。

> >志村喬志
> おい!「志」は要らんぞ。
> 毎度のことだが、名前の間違いは美しくないな。

名前は難しいがや。



> で、この映画なんだけど、ボケによる伏線がきちんと回収されてて「巧いなぁ」と思った。
> まあ、ボケ老人の話だと、「ネブラスカ」「43年後のアイ・ラヴ・ユー」「男と女 人生最良の日々」なんかは他者をさほど攻撃しないボケ老人なんだけど、こっちはクズのボケ老人だから、人によってはイラっとするだろうな。

ボケていても、いなくても、マウントを取ろうとする人は美しくない。

そうか!
認知症は健忘症か!
じゃあ私もだ
謎は解けた
我が強いことは生きにくいよな
柔軟に生きて行こう

アンソニー・ホプキンスの演技、素晴らしかった
アカデミー賞納得!

ミナリ

ウォーキングデッドのグレン目当てに観たけどいい映画だった
セリは美味しいよ
でも自然界でセリを見つける自信はない
私の母は毒ゼリを食べてあたったことがあるから怖い

Re: タイトルなし

こんちは、カシス☆さん。

> そうか!
> 認知症は健忘症か!
> じゃあ私もだ

おら、素人だから「認知症」と「健忘症」の違いがよく分からないだ。

Re: ミナリ

もひとつ、こんちは、カシス☆さん。

> ウォーキングデッドのグレン目当てに観たけどいい映画だった
> セリは美味しいよ
> でも自然界でセリを見つける自信はない
> 私の母は毒ゼリを食べてあたったことがあるから怖い

毒だったら、ゼリーでもイヤ。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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