◆『コレクティブ 国家の嘘』シアター・イメージフォーラム1

▲ヴァンダムと中国人監督みたいに見えるが、どっちもルーマニア人。そう言えば最近めっきり、ルー大柴を見てないな(いや、それはどうでもいい)。
五つ星評価で【★★★ルーマニアおそろしか】
ルーマニアのドキュメンタリー。
ロックバンドのライブ演奏中に火事があり、何人かが入院を余儀なくされたが、入院した彼等は決して返ってこなかった。
問題は病院。彼等は殺菌等に使う消毒薬を水増しして使っていたのだ。消毒薬は雑菌が繁殖し、事故で入院した患者はみな感染症にかかって死んだ。そして、これらの事実は当初、隠蔽されていた。
事件のあまりのひどさにリアリティーが失われるというまさかの状態。ブラックジャックとは言わないまでも(あれも金には強欲だが)、そんなエセ医者が当たり前のようにはびこる世界が文明国家圏内にあるというのが驚きだ。まあ、コロナ騒動で外国からの人の出入りがチャランポランな日本だって威張れはしないレベルだけど。
◆『人生模様』シネマヴェーラ渋谷
「▲画像は後から。」間違えた。基本的にクラシックに画像は付かない。それは借り元の映画生活さんに画像が付いてないからである。
五つ星評価で【★★★モンロー一択の可愛らしさ】
1952年、白黒、118分、初見。
特集企画「神話的女優」から一本。
O・ヘンリーの短編5作のオムニバス。間違いはないが、古典的すぎてたまげるようなラストはない。
①『警官と讃美歌』 ちょっとだけ出てくるマリリン・モンローの綺麗で可愛いこと。萌え萌え。おそらく娼婦、よくいって水商売の女であるモンローが、街角で「お嬢さん」と呼びかけられ、感激してしまう。そういう機微が可愛い。
②『クラリオン・コール新聞』 イヤな奴が凄くイヤな感じ。
③『最後の一葉』 以前、英語の授業で読まされた。画家が抽象画や現代美術画家でなくて良かった。朝ドラ「まんぷく」の忠彦さんではおそらくダメ。
④『赤い酋長の身代金』 どんどんドロンボー的な一編。
⑤『賢者の贈り物』 以前、保険会社のCMで内容が30秒で説明されていた。まあ、30秒で済む話と言えばそうなのだが、伸ばせばちゃんと20分くらいの話になるし、クリスマスに贈り物を贈りあう貧しい夫婦の美談はなかなか良い。舞台はニューヨークかどこかだと思うが、窓を開けた所にある四角い箱が、今で言う「冷蔵庫」。もちろん自然の冷気を集めるだけで電気製品ではない。ちょっと目から鱗。
原作がO・ヘンリーで、監督のうち5人に3人がヘンリー(コスタ/ハサウェイ/キング)で、ヘンリー尽くし。「どきっ、ヘンリーだらけの水着大会」とか作れそう。みんな、男じゃ。
◆『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』トーホーシネマズ六本木3

▲小劇。
「リクルートだけどシスんところ行ってみようか思ってる」
「わしはジェダイかな」
「ところで忍者ってニッカボッカ履くんか?」
「ぎゃふん」
五つ星評価で【★★やんべえ、つまんねえ】
忍者映画。
つーか予告編うめーよ。
主人公がかっこよくもなく正義でもなく、かと言ってピカレスク悪漢物でもない。そんなのダメダメだろう。ヤクを魚に詰め込む手伝いをするので「魚くさい奴」と言われるのはちょっと同情する。
外人が和服着てるビジュアルでゴリゴリ押すので、寺沢武一がコミカライズしたら面白そう。
金髪の姉ちゃん(サマラ・ウィービング)と眼鏡の姉ちゃん(ウルスラ・コルベロ)は美形。日本人女(安部春香)は顔がでかくて体型の見栄えが悪い。性格もベタっとして暑い感じで、まー日本女性はそんな感じなのかもしれん。主人公のヘンリー・ゴールディングより、脇の小路アンドリューの方が主人公っぽい。小路アンドリューは食パンマン的、ヘンリー・ゴールディングはカレーパンマン的。
空手マスターの一人にイコ・ウワイス。なんか日本人っぽいのに日本人でないと、スタンドとか使いそうに見える。
空手マスターのもう一人にピーター・メンサー。黒人で和服って威圧感ある。黒人で和服だったらお座敷で尻相撲とかやったら強いだろう。いや、全く何の根拠もないイメージです。
あと、お年を召されてるけど、扇で応戦する叔母様(そーか、石田えりなのか)かっけー。
あの赤いちょっと固まったスライムみたいなのの「えいっ」って使い方には「粋」とか「詫び」とか「寂び」がない。まだまだだな、外人。
◆『そして、バトンは渡された』ユナイテッドシネマ豊洲1

▲田中圭と永野芽郁。人生目標的に永野芽郁を養えるなら、一流企業に勤めるのも悪くない(しかし、手は出せないのだ)。
「どんな映画?」
「セリフにはないんだけど田中圭が『あなたの番です』って言われる映画」
五つ星評価で【★★あれ、これはあかん奴くさい】
「バトン」じゃなく「馬頭」だったら『ゴッドファーザー』みたいで怖い。
「バトン」じゃなくって「ヴィトン」でも石原さとみなら、渡しそうよ。
予告編の要素から主要登場人物4者の関係が伺い知れてしまう。そらあかんだろ。そここそが映画の核だ。原作と映画ではラストが違うらしい。そこがどうなってるかはちょっと確認したい欲を刺激する。
永野芽郁可愛い。健気で、ヒョロっとしていて笑顔が魅力。つまり、物語としては永野芽郁に依存して成立している。
ブラジルにいた大森南朋がお年を召して麿赤児になって戻ってきたら怖い(ありえなくないやろ)。
もしかしたら、続々男親が現れて、石原さとみが歌い出したりしたら、ちょっと形の違う『マンマ・ミーヤ』かもしれない。あ、バトンがちんちんだったら、すげー下ネタ。それも踏まえて(踏まえるなよ)石原さとみってどちらかと言うと苦手。
◆『アイの歌声を聴かせて』ユナイテッドシネマ豊洲12

▲矢口真里のセクシービーム発射直前みたいな画像。さとみが今、幸せかどうかは分からないが、セクシービームくらったら幸せになるかもしれんと言う予感はある。
「さとみ今、幸せ?」と『そして、バトンは渡された』の石原さとみに聞いたら、それはそれで「幸せ」と答えるしかない罠。
五つ星評価で【★★★★景色が綺麗だったりする】
これは面白い。みんな見ろ。
ポンコツなAIの話と思わせておいて、コミュニケーションの深淵を覗くような話だ。難しそうな表現にあえてして誤魔化したが、ある一つの個性が、別の一つの個性をあんなにも正面から肯定してくれて、深淵の深淵たる恐怖感の一つもないと言うのが万物に魂がこもるアニミズムの国、日本である。シオン唇がいつも笑った顔になってるのが可愛い。『そして、バトンは渡された』の永野芽郁かよ(まあ、そんな設定があるのである)。踊るように柔道するシオンも可愛いが、柔道の打ち込み用AIロボットの三太夫も中々愛されてていいと思う。
私は意識体が深淵に潜むという設定から『攻殻機動隊
P.S.西城役の声を聞いて「こ、これは悪い奴の声だ」、第一声でスムーズにそう思わせる、津田健次郎氏凄い(他がどうとか全く知らないけど)
【銭】
『コレクティブ 国家の嘘』:月曜、イメージフォーラムの感謝デー、1200円均一。
『人生模様』:一般入場料金1200円-会員割引400円。
『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』:トーホーウェンズデー、1200円均一。
『そして、バトンは渡された』:ユナイテッドシネマ金曜メンバーズデー、1100円。
『アイの歌声を聴かせて』:クーポン利用で1300円。
ネマズポイント6ポイントを使って無料入場。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
・コレクティブ 国家の嘘@ぴあ映画生活
・Oヘンリの人生模様@ぴあ映画生活
・G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ@ぴあ映画生活
・そして、バトンは渡された@ぴあ映画生活
・アイの歌声を聴かせて@ぴあ映画生活
▼この記事から次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
・人生模様@或る日の出来事
・G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ@ここなつ映画レビュー
・アイの歌声を聴かせて@ノラネコの呑んで観るシネマ