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『ノマドランド』『ブラックバード 家族が家族であるうちに』『騙し絵の牙』ギンレイホール

◆『ノマドランド』ギンレイホール

▲男前女。

五つ星評価で【★★★アカデミーなのか】
悪い映画とは思わないし、普通に最後まで退屈せずに見ていられるから、カンヌ、ベルリン、ベネチア的な賞としてはいいけど、アカデミーという気はしない。ロケが主体でスタジオじゃないからか? 個人的には凄いセットで物凄いお金をかけて高いハリウッドスターが出る映画にアカデミー賞を取ってもらいたいのだが、実際はもう、そういう時代じゃないのだろう。

見た直後のツイッターの呟き(↓)。

個人的にはNo Mad Landでマッドサイエンティストが山ほど出てきたら面白かったのに。主人公が野郎だったらイヤな映画になってそう。いい映画なんだろうけど自分向きではない。

私、多分、普通の人の日常生活を描く映画にはあまり、興味がないのだ。せっかく「映画」という「今までに見た事のない見世物」を見せるシステムが構築されてるから、出来れば変わった物が見たい。だから、多分、これにノマド(放浪者)だけを専門に殺す強盗チームとか出てくるようなら俄然、見たくなるのだが(情報を正確に把握しているアマゾンが怪しいのだが、生活の都合上、誰も捜査するよう進言できないとか)。


◆『ブラックバード 家族が家族であるうちに』ギンレイホール

▲そう言えば何で『ブラックバード』という題なのか? ググったら、聖書で悪魔が使役する黒い鳥を指していて「誘惑」や「罪」を表わすらしい。そんなん分かるか! 映画の中で説明もないし。バカじゃないの、配給した会社。

五つ星評価で【★★★ケイト・ウィンスレットいつも通り恐るべき】
同週に見た『ルパンの娘』も家族映画だったが、これも両極端ながら家族の映画。泥棒はしないし、いきなり踊り出したりもしない。濡れ場はある。家族同士でも問題がない組み合わせなら濡れ場はあってもいいのだよ、深キョン。
父(サム・ニール)、母(スーザン・サランドン)、姉(ケイト・ウィンスレット)、姉の夫、姉の息子、妹、妹の同性愛パートナー、母の親友が家に呼ばれる。これから難病を患った母が医者である父の手によって違法な安楽死を迎える。その最後の挨拶や語らいに来たのである。認めてはあげたいが、最後まで止めるべきではないだろうかという判断に苦しむ家族。佳作。
勿論こんな事態は人や家族それぞれであるから、どんなケースでもありうるのだが、家族は普通その精神的な支柱を母親に据える構造にになりがちなので、その母親の不在の予感が不安を誘う。
いろいろよく考えられているが矢継ぎ早に起こる問題は詰め込み多い感を感じないでもない。でもまあ、しょうがないか。
相変わらずケイト・ウィンスレットの別人振りが凄い。
ケイト・ウィンスレットの夫のデブで禿っぽくて愚鈍に見える感じがステキ(ダンディーなサム・ニール父ちゃんとの対比も悲しい)。


◆『騙し絵の牙』ギンレイホール

▲綾瀬はるかみたいに揺れないであろう胸。もう一度見る機会があったら確認したい。

五つ星評価で【★★★★おもろい】
2回目。再観賞でもおもろい。ああこの設定のまま成人映画にしてしまって松岡茉優の痴態を心おぎなく見たい。いや、だって、松岡茉優が身持ちが硬そうで可愛いのよ。そういう子が乱れちゃいけないのに乱れてしまうみたいなのが成人映画の醍醐味。成人映画で女優三人1パックなら、後は木村佳乃と池田エライザ。木村佳乃は佐野史郎の異常セックスの見せ場。池田エライザは3Dプリンタで作った銃を身体に這わせ、自分でエロいことやる。そんなん考えるのが異常にスムーズだな、俺。
エンドロールのタイポの動きが素晴らしい。キャストロールは大丈夫だが、スタッフロールは早すぎてギリ読めない。でもかっこいい。それでいい。キャストは別として、スタッフの作業の確認は必要な人がいるなら業界内に回る試供品のソフトで確認できるだろう。
佐藤浩市も佐野史郎も立派に老獪な爺だ。
予告にあった
松岡茉優「人を騙してそんなに面白いですか」
大泉洋「ムチャクチャ面白いです」は全然、別のシーンだったのが面白かった。
大泉洋のアンサーはラストシーン、拘置所にいるエライザに掛ける言葉。
大泉洋はエライザを騙そうとしているのか。エライザを弾丸にもっと大きな何か誰かを騙そうとしているのか。気の効いた問いかけだ。


【銭】
会員証で入場。『ノマドランド』と『ブラックバード』がカップリング、『騙し絵の牙』と『犬部!』がカップリング。『犬部!』はそんなに見直したくなる感がなかったのでパスした。
追加ネタ「電人N、人間椅子、奇形人間、救える猟奇はみな救う、名前はN部だ」こういうのが山ほど頭に思い浮かんでたら、ネタ供養する為にもう一度見てたかもしれない。なに、その共感性の低い再鑑賞意欲。
▼作品詳細などはこちらでいいかな
ノマドランド@ぴあ映画生活
ブラックバード 家族が家族であるうちに@ぴあ映画生活
騙し絵の牙@ぴあ映画生活
▼次の記事に初期TBとコメントを付けさせて貰ってます。お世話様です(一部TBなし)。
ノマドランド@ここなつ映画レビュー
▼関連記事。
騙し絵の牙(一回目)@死屍累々映画館・第二章
・騙し絵の牙(二回目)@死屍累々映画館・第二章
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「ノマドランド」

nomadっていうから、狂っちゃいないぜ、ってことかと思ったら、遊動民の意味なのか。

騙し絵の牙

大手出版社「薫風社」では、創業一族の社長が急逝し権力争いが勃発。 専務・東松が進める大改革で、雑誌は次々と廃刊のピンチに立たされる。 カルチャー雑誌「トリニティ」の新任編集長・速水は、社の看板文芸誌「小説薫風」から引き抜いた新人編集者・高野恵を使って、新たな文芸企画を盛り込んでいくが…。 出版業界エンタテインメント。 ≪戦え、物語。≫

ブラックバード 家族が家族であるうちに

医師の夫ポールとその妻リリーが暮らす海辺の家。 病が進行し体の自由が利かなくなっているリリーは安楽死を決意しており、親しい人々と最後の時間を一緒に過ごそうとしていた。 娘たちとその家族や恋人、そして友人が共に週末を過ごす中、それぞれが抱えていた秘密も浮かび上がる…。 ヒューマンドラマ。

ノマドランド

リーマンショック後の経済危機によって、長年住み慣れたネバタ州の住居を失った60代の女性ファーン。 彼女は亡き夫との思い出が詰まったキャンピングカーで、〈現代のノマド=遊牧民〉として季節労働の現場を渡り歩くことになった。 同じ境遇の仲間たちからノマドとして生き抜く術を教わり、助け合いながら、自由な旅は続いていく…。 ロード・ムービー。

「ノマドランド」第33回東京国際映画祭

特別招待作品。アメリカ映画。上映前に監督(クロエ・ジャオ)と主演女優(フランシス・マクドーマン)のビデオメッセージあり。本作は、「ノマド:漂流する高齢労働者たち」を原作としている。ノマドとは、遊牧民や放浪者という意味であるが、アメリカ経済が破綻した際に住む家を手放した高齢者たちが、特定の居住を持たずに自家用車などを住処として、働き場所・生きる場所を探して点々としている様を表している。素晴らし...

コメント

非公開コメント

ノマドランド

こんにちは。

>個人的には凄いセットで物凄いお金をかけて高いハリウッドスターが出る映画にアカデミー賞を取ってもらいたいのだが、

実は私もです。やっぱり自家用ジェットやヘリコでセレモニー会場に駆けつけて欲しいから。何なら家からずっとレッドカーペット敷いてきて、その上をリムジンで乗り付けてくるっていうのでもいい。ぎり、ギャグ漫画との瀬戸際、位がちょうどいい。

というのは置いておいて、ノマド的な生き方は、映画で鑑賞する分にはいいけど、きっと映画だから良いのだなぁ、という気がしています。

Re: ノマドランド

こんちは、ここなつさん。

> というのは置いておいて、ノマド的な生き方は、映画で鑑賞する分にはいいけど、きっと映画だから良いのだなぁ、という気がしています。

そら、あれですよ。役所広司の『すばらしき世界』。

ノマドが気に入ったフランシスさんが、フランシス・マクド―ノマドに改名したとかしないとかしないとか。

Re: タイトルなし

こんちは、ボーさん。

ノマドランドって「鯰ランド」とか「沼津ランド」にわりと近い気がする(そんなランドはどっちもないのだけど)。
プロフィールだ

fjk78dead

Author:fjk78dead
ふじき78
映画を見続けるダメ人間。
年間300ペースを25年くらい続けてる(2017年現在)。
一時期同人マンガ描きとして「藤木ゲロ山ゲロ衛門快治」「ゲロ」と名乗っていた。同人「鋼の百姓群」「銀の鰻(個人サークル)」所属。ミニコミ「ジャッピー」「映画バカ一代」を荒らしていた過去もあり。

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